高校生の“遊び”から始まった、いきものがかりの25年。初の海外公演を経て、11枚目となる新アルバム『あそび』をリリースした二人は今、何を感じているのか。路上ライブ時代の原点と、変化する関係性に迫るインタビュー。
いきものがかり
25周年
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高校の帰り道、ギターを持って駅前に立ったあの日。
目立ちたかったわけでも、夢を語ったわけでもない。ただ、「ちょっとやってみようか」――そんな軽やかな気持ちが、いきものがかりの始まりだった。
それから25年。
2024年にはアメリカでの初ライブを成功させ、そして今、11枚目のアルバム『あそび』をリリースする。
かつての“遊び”は、無理のないまま、どこまでも真っすぐに続いてきた。
「変わらないことを選び続けた」二人が、いま語る“これから”の音楽とは。
✅ 見出し | ▶ 要点 |
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✅ 結成25周年の節目 | 高校の“遊び”から始まり、25年続いた音楽 |
✅ 海外初ライブ | 2024年、アメリカで『ブルーバード』を披露 |
✅ 最新アルバム『あそび』 | コラボと自由をテーマにした11枚目の新作 |
✅ 関係性の変化 | お互いを褒め合える“今”になった二人の距離感 |
最新アルバム『あそび』に込めた意味とは?
いきものがかりにとって11枚目となるアルバム『あそび』。
この作品には、これまでとは違う“自由さ”と“出会い”の空気が漂っている。
吉岡さんはこう語る。
「前回は二人体制になって初めてのアルバムで、すごくストイックに向き合ってました。でも今回は、“meets”というテーマで、いろんな人とコラボして、思いきりあそんでみました」
水野さんも続ける。
「10枚で1周したと考えて、11枚目は新しいスタート。他の人に歌詞をお願いしたり、プロデュースをお願いしたり――やったことないことを、全部やってみようという気持ちです」
25年を重ねてきた二人だからこそ、“脱構築”ができる。
完成された型を一度壊して、他者の言葉を借り、自分たちの音で再構築する。
「誰かと出会う」ことを、“表現の手放し”として実行できるのは、成熟の証なのかもしれない。
なぜ「meets」型にしたのか?
キーワードは“つながる”。
人とのコラボを通じて、いきものがかり自身の“型”を再構築することがテーマになっている。
あえて自分たちで完結しないことで、音楽が持つ偶然性や発見の面白さを引き出そうとした。
アルバムのタイトルも象徴的だ。
「“あそび”という言葉を付けてから、さらに自由になれた」と吉岡さんは言う。
タイトルから発想が広がっていく――まさに“遊ぶように作った”一枚だ。
11枚目で“1周した”その先へ
節目としての「10枚目」までと、それを超えた「11枚目」の位置づけは象徴的だ。
前作までは“どうあるべきか”という構えがあったが、今回は“どうなってもいい”という柔らかさがある。
いきものがかりというブランドを守りつつ、新しい扉を開く。
それは、路上ライブ出身という“原点の無邪気さ”を取り戻す行為でもある。
このアルバムでいきものがかりは、“正しさ”から“おもしろさ”へと舵を切った。
他者との関わり、制約からの解放、そして自分たちの“好き”を優先する制作姿勢。
これは、彼らが積み重ねてきた信頼と実績があるからこそ許される自由でもある。
「万人に届く音楽を」と語る彼らは、無難なものではなく、“自然な熱量”のある音楽でその姿勢を貫いている。
彼らの原点には、派手な夢も、壮大な目標もなかった。
ただ、目の前を通りかかった人に「ちょっとでも立ち止まってもらえたら」。
それが、いきものがかりの“音楽のスタンス”の始まりだった。
「誰でも聴ける音楽を」という一見シンプルな言葉の裏に、長い時間をかけて築かれた確かな“型”がある。
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他アーティストとの共作により楽曲の幅が拡大
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制作段階で“あえて予測不能”な展開を容認
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路上時代の“即興感”がアルバムの核に還元されている
【いきものがかり|“遊び”が続いた25年の軌跡】
路上ライブ(高校生)
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2006年 メジャーデビュー『SAKURA』
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長年の活動・紅白・CM起用などで全国区へ
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活動形態の変化(3人→2人)
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2024年 海外パフォーマンス
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2025年 アルバム『あそび』リリース(コラボ・自由構成)
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“第二の1周目”として始動中
✅ 見出し | ▶ 要点 |
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✅ 路上からメジャーへ | ゆずに憧れて始めた青春の延長 |
✅ 海外進出と変化 | 初の海外ライブで新たな一歩 |
✅ アルバム構造の変化 | 他作詞・他プロデュースで柔軟な制作に |
✅ 「好き」が原動力 | 制限なく“あそべる”今の自由さ |
いきものがかりにとって“変わらないもの”とは?
新しい挑戦を重ねながらも、いきものがかりの本質は昔から変わっていない。
それは「誰にでも届く音楽」であり、「なんでもない自分たち」であるという信念だ。
誰でも聴ける“無邪気な音楽”を目指して
「スッと戻ってこられるグループでいたい」と語る水野さん。
これはつまり、リスナーの“生活の風景”に自然に寄り添う音楽でありたいという姿勢だ。
大きなメッセージではなく、小さな感情や何気ない日常をすくい上げる――
だからこそ、子どもから大人まで幅広い世代に愛され続けてきた。
お互いを認め合う関係性へ
25年間で変化したのは、二人の関係性だ。
水野さんが「お前、歌うまいな」と吉岡さんを褒め、吉岡さんが驚く――
そのやりとりは微笑ましく、そして深い。
昔は恥ずかしくて言えなかった言葉も、今では素直に口にできる。
それが、音楽にも表れている。
「変わらないって、簡単なようで難しい」。
いきものがかりの今の姿を見て、ふとそう思った。
流行に寄らず、自己主張を叫ぶこともせず、ただ目の前の誰かに歌を届ける。
そんな音楽が、いま改めて求められているような気がする。
変わらないことは、選び取ることだ
「あそび」なんてタイトルを付けられるのは、もう一周してきた人間の特権だ。
無理しない、でも怠けてない。肩の力を抜くって、意外と難しい。
変化に抗うことじゃなく、流れの中に“自分の形”を残していく。
それが、成熟した表現者の姿なんじゃないか。
✅ 見出し | ▶ 要点 |
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✅ 高校生から25年 | 遊びから始まった歩み |
✅ 路上から世界へ | 海外進出と変化への挑戦 |
✅ 変わらぬ想い | 誰にでも届く音楽への姿勢 |
✅ 再出発の形 | 自由とコラボで“あそぶ”未来へ |
✅FAQ
Q1. アルバム『あそび』の聴きどころは?
→ 各曲ごとに異なるコラボの色があり、自由度と実験性が楽しめる構成。
Q2. 今後の活動で注目するポイントは?
→ 海外展開・さらなるコラボ・SNS連動型プロジェクトの可能性。