リーグ・アン第33節でモナコの南野拓実が決勝点を挙げ、チームはリヨンに2-0で勝利。来季のCL出場を確定させた。南野は今季公式戦9点目。左サイドから華麗な一撃を決め、現地メディアからも絶賛。一方、日本人3選手出場のスタッド・ランスは下位相手に痛恨の0-2敗戦。代表選考にも影響を与える一戦となった。
南野拓実
決勝弾今季9点目
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ヨーロッパの舞台にまたひとり、日本人が立つ。リーグ・アン第33節、モナコは南野拓実の決勝ゴールでリヨンを2-0で下し、来季のチャンピオンズリーグ出場権を確定させた。左MFとして先発した南野は攻守に奔走し、62分には独力で決定的な1点を奪取。一方、スタッド・ランスは日本人3選手が出場したものの、残留争い中のサンテチェンヌにまさかの黒星を喫し、痛恨の一敗となった。
南野拓実の決勝弾でモナコがCL出場権獲得
ゴールの流れと展開
モナコは10日、ホームでリヨンと対戦。勝ち点差4という状況で、欧州カップ戦を争う直接のライバルとの一戦だった。前半は互いに守備が堅く、ゴール前のチャンスを作りながらも決定打を欠いた。
後半62分、その均衡を破ったのが南野だった。カウンターの流れからアクリウシェのパスを受けると、左サイドからスピードに乗ってボックス内に切り込み、DFをかわして冷静にファーサイドへ流し込む。芸術的とも言える一撃でスコアを動かすと、モナコは68分にザカリアの追加点で突き放し、試合を決定づけた。
現地メディアの評価
フランスメディア『L’Équipe』や『Nice-Matin』では、南野の先制点を「試合のターニングポイント」として高く評価。「スピード、判断、テクニックの三拍子が揃った」と称賛され、複数紙でチーム内最高点を獲得した。
一瞬の“間”がもたらした決定機
南野が見せたのは、一瞬の「間」だった。左からドリブルでボックスに侵入した際、相手DFは縦突破かクロスと予測し、わずかに足を緩めた。その瞬間、南野は切り返しのフェイントから角度を作り、左足インサイドで巻くようにシュートを放つ。
ボールは美しい弧を描き、GKが伸ばした指先をすり抜けてゴール右隅へ吸い込まれた。あまりにも静かで、正確で、冷静な決定機処理だった。
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アシストはアクリウシェ(中盤からの縦パス)
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ゴール距離は約16m、巻き軌道のファーサイド打ち
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公式記録:リーグ戦今季6点目、公式戦通算9点目
📊 モナコ vs リヨン:主要スタッツ
指標 | モナコ | リヨン |
---|---|---|
得点 | 2 | 0 |
支配率 | 53% | 47% |
枠内シュート数 | 5 | 3 |
パス成功率 | 86% | 84% |
CK数 | 4 | 6 |
ランスは痛恨の黒星、日本人3選手出場も不発
失点と得点機会の推移
スタッド・ランスは、ホームで残留争い中の17位サンテチェンヌと対戦したが、序盤から主導権を握られた。前半4分、右サイドの深い位置から折り返されたボールを中央のタルデューに決められ、早々にビハインドを背負う。
ランスは反撃に転じ、26分には関根のスルーパスに反応したアタンガナのクロスをマルシャル・ティアが合わせるが、これはGKの好セーブに阻まれた。36分には中村の鋭いクロスからチャンスを迎えるも決めきれず、前半41分には再び守備の綻びから失点。2点差で前半を終える苦しい展開となった。
伊東・中村・関根の連係面
後半開始から投入された伊東純也は、46分にこぼれ球へ素早く反応しシュートまで持ち込むなど、積極的な姿勢を見せたが、枠を捉えることはできなかった。51分には伊東のヒール落としから決定機が生まれるが、シュートはゴール左へ。
中村、関根もそれぞれ持ち味を見せながら、連係が噛み合わず、決定的な形を作りきれなかった。守備でも要所でマークがずれ、相手の前向きな攻撃を止められずに試合は0-2のまま終了。残留争い中の相手に痛恨の黒星を喫した。
① 開始4分、右サイドからの折り返しで失点
→ ② 中村・関根が好機演出も決定機を逃す
→ ③ 前半41分、再び守備の乱れから追加失点
→ ④ 伊東投入後もゴール奪えず
→ ⑤ 0-2で敗戦、残留争い相手に痛恨の黒星
✅ 見出し | 要点 |
---|---|
▶ ランスの失点経過 | 前半4分と41分に守備の綻び |
▶ 日本人3選手の出場 | 中村・関根フル、伊東は後半から |
▶ 決定機 | 伊東&ティアに複数の好機あり |
▶ 結果 | サンテチェンヌに0-2で敗北 |
「日本人3選手が出場しながらも、なぜランスは敗れたのか?」という点にある。特に連係と切り替えの遅さ、守備陣の一瞬の緩みが勝敗を分けた。選手個人の質は高かったが、チームとして機能できなかった。そのことが、今後の立て直しにとって大きな課題となるだろう。
日本人選手の今季欧州評価と今後の注目
モナコとランスの最終節予定
リーグ・アンは残すところあと1節。すでにCL出場を確定させたモナコは、3位を維持しつつ最終戦に臨む。一方で、ランスは13位で残留争いからは一歩抜け出しているものの、シーズンを締めくくるには内容ある勝利が求められる。
日本代表への選出影響は?
6月に予定されるW杯アジア2次予選を前に、日本代表メンバーが発表される見込みだ。南野は得点力・存在感ともに代表復帰の声が高まっており、伊東も復調すれば右サイドの主力候補。一方で、関根・中村のポジション争いは激化しており、今節の結果は評価に直結する可能性がある。
🖋 「英雄の静寂、敗者の叫び」
サッカーは音のない戦争だ。
南野拓実が放った一撃は、歓声ではなく“静けさ”を生んだ。敵地でもなく、味方の熱狂でもなく、ボールがゴールに吸い込まれた一瞬、時間が止まる。
一方でランスのスタジアムでは、プレーごとに声が漏れ、吐息が重なり、勝てない焦りが響いていた。三者三様の日本人選手たちが、それぞれに異なる音を残した夜。勝者と敗者の対比は、時に技術以上に雄弁だ。
❓ FAQ
Q1. 南野はこれで何点目?
A1. 今季リーグ戦6得点目、公式戦では9得点目となります。
Q2. モナコのCL出場は確定?
A2. 今節の勝利で3位以内が確定し、出場権を得ました。
Q3. ランスの順位は?
A3. 現時点で13位。降格圏からは安全圏にいますが、最終節での内容改善が求められます。
Q4. 伊東の復調は?
A4. 決定機には絡んでおり、復調傾向。ただし得点には至っていません。