
2025年5月、ねとらぼとボイスノートが実施したアンケート結果から「東大・京大以外でブランド力が高い国立大学」ランキングを発表。1位は一橋大学、2位は東北大学。教育理念・ゼミ文化・研究力など、大学が持つ“本質的な魅力”が支持された理由を解説。あなたの進学先選びにも役立つ情報満載です。
一橋大学が1位
ブランド力ランキング
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「ブランド力がある大学」と聞いて思い浮かぶのは、やはり東京大学や京都大学かもしれません。しかし、それ以外にも広く支持を集める国立大学は存在します。今回は、ねとらぼとアンケート調査サイト「ボイスノート」が共同で実施したランキングから、「東大・京大以外でブランド力が高いと思う国立大学」TOP5をご紹介します。一橋大学や東北大学など、伝統と革新を両立する名門たちの魅力を改めて見ていきましょう。
どの大学が“ブランド力”で注目されているのか?
第1位は一橋大学!なぜ高評価なのか?
今回のランキングで1位に選ばれたのは、東京都国立市に本部を置く一橋大学。得票率は11.4%で、全国の回答者から高い評価を受けました。起源は1875年の「商法講習所」で、日本における社会科学の最古参大学として知られています。
その教育の象徴とも言えるのが、「ゼミナール形式」の授業。一橋では学部を問わず、平均7〜8人の少人数で行われるゼミが学生生活の中心に位置づけられており、議論と対話を通じて論理力や表現力を徹底的に鍛えます。このスタイルは学生の成長を支えるだけでなく、社会に出てからの即戦力としての評価にも直結しています。
また、学際的な履修が可能な制度や、企業や行政と連携したインターンシップも整備されており、実践的な学びがブランド力を支える柱となっています。
第2位は東北大学!“研究第一”の誇り
第2位に選ばれたのは、1907年創立の東北大学(宮城県仙台市)。得票率は8.6%で、長年にわたり国立大学の中核を担ってきた存在です。特に「研究第一主義」「門戸開放」「実学尊重」の三大理念が、時代を超えて支持され続けている理由のひとつです。
教育面では、外国人留学生の積極受け入れや、学生の海外留学を後押しする制度が整っており、「グローバル6力(専門・問題解決・協働・実行・多様性・教養)」を育てるという明確な目標に基づいた教育方針が際立ちます。
また、自然科学や材料工学の分野では世界トップレベルの研究成果を上げており、国内外の研究者や大学とのネットワークも強固です。東北大学の“ブランド”は、まさに理念と成果の両輪によって築かれているのです。
他大学にないユニークな特徴とは?
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ゼミ中心の教育は、国際基準で見ても希少なスタイルである
🔸なぜ“ブランド力”に注目が集まるのか?
進学先としての大学を選ぶ際、現代では単なる偏差値だけでなく「社会からどう見られているか」という“ブランド”も重要視されています。これは就職活動や研究機関でのキャリア形成に直結するからです。
その中で、実績ある研究、伝統的な教育スタイル、卒業生の社会的活躍など、目に見える「結果」がブランド力として認知されやすくなっています。今回の調査も、その裏付けとなる一例でしょう。
| 観点 | 一橋大学 | 東北大学 |
|---|---|---|
| 創立年 | 1875年(商法講習所) | 1907年(東北帝国大学) |
| 教育の特徴 | 少人数ゼミナール、履修の自由度 | 研究第一、グローバル6力の育成 |
| ブランド理由 | 論理力育成・就職に強い | 理系の研究力、国際ネットワークの広さ |
| 学問領域 | 社会科学(経済・法・商・社会) | 理学・工学・医学を中心に全領域を網羅 |
他の“強い”国立大学はどこ?
北海道・名古屋・大阪…地域ごとの中核大学たち
ランキング上位には、地域で圧倒的な存在感を放つ旧帝大や主要国立大学が名を連ねました。たとえば、北海道大学は、知名度が100%に達する唯一の大学。札幌という都市環境と広大なキャンパス、農学・環境科学分野での評価の高さから、北海道内での支持は絶大です。
名古屋大学は、工学や物理学などの理系分野において国内外で高い評価を受けており、特にノーベル賞受賞者を多数輩出していることがブランド力の源となっています。
そして大阪大学。関西圏では京都大学に次ぐ存在として、医学・工学・基礎科学・文学など幅広い分野で教育・研究をリード。近年では海外提携や留学生誘致にも力を入れ、グローバル大学としての地位も高まりつつあります。
“ブランド力=知名度”では測れない?
大学のブランド力という言葉は、単なる「有名かどうか」とは異なる価値を含んでいます。たとえば、広島大学や筑波大学といった、全国的な知名度では上位に位置しない大学でも、教育理念や研究体制、国際交流の実績などから「通好みの名門」として高評価を得ています。
また、進路指導の現場でも「特定分野での強さ」「教授陣の質」「ゼミや課外活動の自由度」など、大学生活全体の体験価値が問われるようになっています。
“知られている”から“選ばれる”へ――。大学ブランドとは、まさにその移行点にあるのかもしれません。
✅大学のブランドが形成されるプロセス
教育理念
↓
実践的なカリキュラム・教授陣の指導力
↓
学生の学びと成長(ゼミ・留学・研究活動)
↓
卒業後の進路(企業・研究・官公庁)
↓
社会的評価・評判・再評価
↓
次世代へのブランド認知と支持
「ここで注目したいのは、“大学ブランド”が時間と共に進化しているという点です。表面的な評価ではなく、“育成の中身”や“個人の成長実感”が新たな尺度になりつつあるのです。」
“ブランド”という幻想と本質
それは名前ではない。偏差値でも、キャンパスの立地でもない。
ブランドとは、何を生み出し、何を育ててきたかの“時間”そのものである。一橋大学のゼミ文化、東北大学の研究主義。それは制度ではなく、“思想”なのだ。
我々は「有名かどうか」ではなく、「何を信じているか」を問うべきなのかもしれない。
大学という場所が「人生の方向性を変える場」である限り、そこで得られる“問い”の深さが、最終的なブランドになるのだ。
その問いを持てるかどうか。
それが「本当に良い大学」を見分ける唯一の基準なのだ。
✅FAQ
Q1. 大学の「ブランド力」とは何を指しますか?
A. 知名度や偏差値だけでなく、教育理念・学習環境・卒業生の評価など、社会的な信頼性全体を指します。
Q2. なぜ一橋大学が1位なのですか?
A. 少人数ゼミを中心とした教育と、社会科学系に特化した高度な専門性が評価されました。
Q3. 東北大学の“研究第一”とは具体的にどういう意味?
A. 教育よりも研究成果を最優先に置き、世界に通用する研究力を重視する理念です。
Q4. ブランド力は就職に影響しますか?
A. はい。大学の教育方針や実績は企業からの信頼につながり、就職活動でも有利に働く傾向があります。
Q5. 知名度が高くない大学にもブランド力はありますか?
A. あります。広島大学や筑波大学のように、特定分野での実績がブランドの支えとなるケースも多いです。