2025年7月から「柿の種」など28品目を対象に値上げを実施すると、亀田製菓が発表。背景には米価格の高騰と物流2024年問題によるコスト増があり、今後は「ハッピーターン」も9月に値上げ予定。対象商品では最大23%の価格上昇が見込まれ、生活に身近な食品の値上げが現実化する。私たちはこの変化をどう受け止めるべきか。
柿の種が
最大23%値上げへ
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米菓の代表格「柿の種」が、ついに値上げされる――。
亀田製菓は2025年5月26日、主力商品である「亀田の柿の種」など米菓28品目について、7月1日納品分から順次値上げまたは内容量の変更を行うと発表した。背景には、うるち米・もち米の価格高騰と物流費の上昇という、ダブルのコスト負担がある。さらに9月には「ハッピーターン」の一部商品も価格改定の対象となる。生活者に身近な“おやつ”の価格変動が、今、静かに家庭に影響を及ぼし始めている。
✅ 項目 | 要点 |
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▶ 値上げ対象 | 「亀田の柿の種」など米菓28品目(7月~) |
▶ 値上げ幅 | 商品ごとに4~23%程度 |
▶ 主な要因 | 原材料の米価格高騰と物流2024年問題 |
▶ 今後の動き | 9月には「ハッピーターン」も一部値上げ予定 |
柿の種はなぜ値上げされるのか?
いつ・どの商品が対象か?
亀田製菓は2025年7月1日納品分から、「亀田の柿の種」シリーズを中心とした米菓28品目について、希望小売価格を改定するか、内容量の調整を行うと発表した。コンビニやスーパーなどの店頭に並ぶ価格は、平均で4〜23%の値上げが見込まれている。また、9月1日納品分からは、人気商品の「ハッピーターン」(79g入りなど一部コンビニ向け商品)も対象となり、追加で12品目が値上げ対象に加わる見込みだ。
なぜ今値上げするのか?
今回の値上げの最大の理由は、原材料であるコメの価格上昇だ。2024年以降、うるち米やもち米の市場価格は、天候不順や生産量の減少により30~40%も高騰。特に国産米への依存度が高い米菓メーカーにとっては、利益を圧迫する大きな打撃となっていた。
加えて、物流2024年問題が追い打ちをかけている。運送業界の人手不足に加え、働き方改革関連法の施行により、ドライバーの時間外労働規制が強化された。これにより、流通網の再構築やコスト増が避けられず、製品単価に転嫁せざるを得なくなったとされる。
他の値上げ商品とその背景
今回の改定で対象となるのは、「柿の種」だけにとどまらない。例えば、バラエティパックやコンビニ向けの小容量商品など、消費者の購買頻度が高いラインナップも含まれる。企業側は「商品の品質維持と安定供給のために、やむを得ない判断」と説明しており、今後も他社の類似製品に波及する可能性がある。
🔸増す物流のひっ迫感、背後にある“制度改正”
2024年4月に本格施行された改正労働基準法では、トラック運転手の時間外労働時間に上限(年960時間)が設けられた。これにより、従来のように長距離輸送を一括でカバーすることが難しくなり、複数便での分散輸送や新たなドライバー雇用などが必要となった。その結果、中小食品メーカーを中心に配送コストが2割以上上昇したというデータもある。
加えて、燃料費の高止まりや都市部の交通規制強化も重なり、コスト高騰のスパイラルに拍車をかけている。亀田製菓もまた、これら複合的要因により**「企業努力だけでは吸収できない段階に入った」と説明**している。
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コスト増要因:
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改正労基法による労働時間制限
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ドライバー不足と再雇用コスト
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都市部の規制強化と燃料価格上昇
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比較項目 | 値上げ前 | 値上げ後 |
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柿の種(6袋詰) | 参考価格 300円前後 | 約330~360円(最大23%増) |
ハッピーターン(コンビニ79g) | 参考価格 150円前後 | 約170円(13%増) |
内容量調整対象品 | 28品目(7月) | 実質値上げ含む |
改定タイミング | 2025年6月末まで現行 | 2025年7月1日以降順次 |
今回の値上げ、私たちの生活にどう影響する?
値上げは“贅沢品”から“日常品”へと広がる?
これまでの食品値上げは、高級志向の洋菓子や嗜好品が中心だったが、今回の「柿の種」や「ハッピーターン」は誰もが一度は手にしたことのある日常菓子である。このような「庶民の味」が値上がりすることは、家計への心理的負担にも直結しやすい。
特に子どもを持つ家庭や、おやつのまとめ買いをする層にとっては、**“気軽に買えたはずのものが気軽ではなくなる”**という変化を突きつけられることになる。
今後、同業他社にも波及するのか?
亀田製菓の動きは、業界内での“値上げの先導”と見られている。すでに競合他社でも、米や物流にかかる負担が増しているため、今後数カ月以内に追随の発表が相次ぐ可能性が高い。
SNSでも「他のお菓子も高くなるのか」「もう100円じゃ何も買えない」などの声が相次ぎ、生活感覚と価格のギャップが強く意識され始めている。
🔁 今回の値上げの背景と流れ
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2023年秋〜
→ 天候不順で米の収穫量が減少 -
2024年初頭〜
→ 米価格が前年比30〜40%上昇 -
2024年4月
→ 物流2024年問題(ドライバー時間外規制)施行 -
2025年春
→ 製造・流通コストが複合的に増大 -
2025年7月1日以降
→ 「柿の種」など28品目の値上げを実施
✅ 見出し | 要点 |
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▶ 原因は何か? | 米価格高騰と物流制度改正の影響 |
▶ いつから値上げ? | 2025年7月1日より順次開始 |
▶ どこに波及? | 他の米菓やスナック業界にも広がる可能性 |
▶ 消費者の反応は? | SNSでは「身近な値上げ」として不安の声も |
「私たちが日々の買い物で当たり前に選んでいた“あのお菓子”が、じわりと変わっていく。今回の値上げは、ただの価格改定ではなく、“日常の景色”が変わる節目でもあるのかもしれません。」
🖋 値上げという言葉では語れない“違和感”
値上げ。それは単なる経済現象ではない。
私たちは、“同じ金額で得られる価値”が目減りしていく時代を迎えているのだ。
誰もが知っているお菓子が、知らぬ間に手の届きづらい存在になる。その変化は、子どもたちのおやつの風景を変え、私たち大人の記憶とのズレを生む。
価格という数字は冷たいが、それに込められた“日常への侵食”は、じんわりと温度を持って迫ってくる。
では、私たちは何を守るべきなのか? “変わっていく当たり前”に、どう向き合えばいいのか?
✅ 見出し | 要点 |
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▶ 値上げ対象と時期 | 7月1日から柿の種、9月からハッピーターン |
▶ 背景の主因 | 米価格の急騰と物流制度改革 |
▶ 消費者の懸念 | 「日常品が手に入りにくくなる」という不安 |
▶ 社会的影響 | 他社製品や小売価格全体に波及の可能性 |
❓ FAQ
Q1. 値上げ対象の商品はどれですか?
A. 2025年7月から「柿の種」ブランド28品目、9月から「ハッピーターン」12品目が対象です。
Q2. 値上げ幅はどのくらいですか?
A. 商品によって異なりますが、4〜23%程度とされています。
Q3. なぜ今このタイミングで?
A. 米の価格高騰と、物流2024年問題による流通コストの増加が重なったためです。
Q4. 今後も他商品が値上げされる可能性は?
A. はい。同業他社も同様の影響を受けているため、値上げの連鎖が起こる可能性があります。