お笑いコンビ・次長課長の河本準一が、活動休止中だった理由として「パニック障害とうつ病」であることを公表。自筆メッセージで「タンメン!」と呼びかけるユーモアも添え、復帰に向けて前進する姿が反響を呼んでいる。芸人としての葛藤と覚悟に迫る。
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2025年2月から休養していたお笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんが、自身のXを通じて「パニック障害とうつ病」を患っていたことを明らかにしました。長く沈黙を保っていた理由と、その告白に込めた真意。そして再出発に向けたメッセージとは──。
河本準一はなぜ活動休止していたのか?
活動休止とその背景は?
2025年2月17日、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さん(49)は、自身のX(旧Twitter)で「体調不良のため休養する」と発表しました。それから約3か月間、舞台にもテレビにも姿を見せることはなく、関係者の間でも詳細な情報が伏せられていました。そして6月1日、その沈黙が破られました。
河本さんはXを更新し、手書きの画像を添えて「皆様お待たせしました。まだ完全体ではありませんが、少しずつ体の調子が戻ってきました」と報告。さらに「パニック障害」「鬱病」「みんなに理解」といったハッシュタグを添え、明確に病名を公表したのです。
どのようにして症状が明らかになったのか?
休養当初、河本さんは「昨年より体調を崩し…」と表現していましたが、実際にはすでにパニック障害およびうつ病の診断を受けていたと見られます。芸人という職業柄、「笑い」を届け続けなければというプレッシャーや、年齢的な節目が精神的な負荷を強めた可能性も否定できません。
Xでの発表前日、5月31日放送のラジオ番組『MBSヤングタウン土曜日』で、明石家さんまさんが「河本から“徐々に仕事ができそう”と連絡があった」と“フライング”で言及。その放送がトリガーとなり、翌日の公表に踏み切った流れと推察されます。
メッセージと呼びかけの工夫
X投稿の文末には「“頑張って!”じゃなくて、“おーいタンメン!楽しんで”って声かけて」とあり、重い話題ながらも河本さんらしいユーモアが込められていました。この言葉選びには、無理に励まされるよりも“自然に笑ってほしい”という心遣いが表れており、同じ境遇の人への配慮ともとれる内容です。
また「P.S」として、「ヤンタンでさんまさんがもう言ってました(笑)」と記すあたりも、病気を隠すより“笑いに変える”姿勢を貫く芸人魂が感じられます。
河本準一さんが発表した「パニック障害とうつ病」という二重の疾患は、それぞれが日常生活に支障をきたす重大な精神疾患です。とくに芸能人という立場では、表の顔と内面のギャップが大きく、気づかれにくい苦しみが多いとされています。
世間にはまだ「甘え」や「気の持ちよう」と誤解されることもあるこれらの病気に対し、あえて本人が病名を明言したことは、勇気ある一歩であると同時に、社会的意義のある行動とも言えるでしょう。
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芸能人のメンタルヘルスの啓発としても意味がある
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一般人にも「告白できる空気」を広げる役割を果たす
観点 | 河本準一(今回) | 他の芸能人のケース |
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公表時期 | 休養後約3か月後 | 多くは復帰直前や後に公表 |
公表方法 | 手書き+SNS | 会見/書面/所属事務所発表が多い |
病名の明言 | 明記あり(パニック障害・うつ病) | 「体調不良」などとぼかすケースあり |
ファン対応 | ユーモアを交えたメッセージ | 謝罪や感謝が主で感情は抑制的 |
パニック障害とうつ病とはどういう病気か?
どんな症状があるのか?
パニック障害は、突然の強い不安や恐怖に襲われ、動悸・息切れ・発汗・めまいなどの身体症状を伴う精神疾患です。電車に乗れなくなる、人混みで過呼吸を起こすといった“逃げ場のない”感覚に苦しむ人が多く、生活の自由度を大きく損ないます。
一方、うつ病は脳内の神経伝達物質のバランス異常により、気分の落ち込みや無気力、睡眠障害、希死念慮などを引き起こす病気です。多くの場合、外見では気づかれにくく、「元気そうに見えるのに」という誤解が生まれやすいのが特徴です。
芸人という職業との関係性は?
芸人の仕事は「明るさ」「笑い」が求められる職業です。しかし、常に周囲の期待に応えなければというプレッシャーが続くなかで、自分の感情を抑圧し続けることが心の疲弊を引き起こします。SNSの反応やネット炎上などの影響も加わり、自己肯定感が損なわれやすい環境でもあります。
河本さんの場合、過去の生活保護騒動などでバッシングを受けた経験もあり、それが再発的なストレス源となっていた可能性も指摘されています。
著名人の告白と社会的反響
近年、パニック障害やうつ病を公表する著名人は増加しています。俳優の星野源さん、モデルの栗原類さん、タレントの中川翔子さんなどが代表例で、「発信すること自体が回復への第一歩」と語るケースも少なくありません。
こうした事例は、一般社会においても「黙って抱え込まなくていい」という意識の広がりに貢献しています。
今回、河本準一さんが「自分の病名をユーモアで包んで語る」ことを選んだのは、芸人としての矜持であると同時に、支援の形を変える挑戦でもあります。
誰かに「がんばって」と言われるより、「タンメン!」と呼びかけられる方が、軽やかに生きる勇気をくれる──そんな感覚がにじんでいます。
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精神疾患との共生を肯定的に見せた
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回復の物語を「舞台に持ち込める」道を拓いた
河本準一の発表までの経緯
[2023年秋頃]
体調に異変 → 睡眠障害・焦燥感など発生
↓
[2024年末]
診断:パニック障害+うつ病
本人・家族と事務所が対応開始
↓
[2025年2月]
Xで「体調不良による休養」を発表
(病名は非公表)
↓
[2025年5月31日]
ラジオ番組で明石家さんまが状況に言及
「徐々に仕事できそうと連絡あり」
↓
[2025年6月1日]
Xにて手書きで病名公表+復帰への意志表明
河本準一はこれからどうなるのか?
復帰への道は明るいのか?
河本さんは、Xで「まだ完全体ではありません」と前置きしながらも、「1歩ずつ前を向いていく」と明言しました。現時点では本格的な復帰スケジュールは未定ですが、体調と相談しながら段階的に活動再開を目指していく見込みです。
また、「街で見かけたら“タンメン!”と呼びかけて」と書いたように、自らの弱さを“ネタ”に変換することで、世間との間に優しい橋を架けようとしているようにも見えます。
「弱さ」は、最も芸人らしい強さである。
芸人という職業は、虚勢で満ちた世界だ。舞台に立つとき、苦悩も孤独も笑いに変えなければならない。だが、河本準一の「タンメン!」という言葉には、虚構ではない“素の温度”があった。
笑わせようとするのではなく、「そばにいてもいいよ」という距離感での呼びかけ。これは明らかに、かつての河本では出せなかった声だ。
鬱やパニック障害という「沈黙の病気」を、自筆で語るという行為は、テレビでの100のネタよりもずっと鋭いメッセージだった。
芸人が本当に芸人らしくなるのは、“笑いを捨てても伝えるべきこと”を見つけたときかもしれない。
FAQ
Q1:河本準一はいつから病気だったの?
A:具体的な診断時期は明かされていませんが、2024年末から兆候があったと推測されます。
Q2:病名を公表した理由は?
A:世間への誤解を防ぎ、同じ病に苦しむ人たちの希望になればという意図があると考えられます。
Q3:復帰はいつ頃になりそう?
A:明確な日程は未発表ですが、「少しずつ仕事を再開できる状態」と語っています。
Q4:なぜ“タンメン!”という呼びかけ?
A:河本さんが過去のネタで使用したフレーズであり、深刻な雰囲気を和らげる効果もあります。