暴露系インフルエンサー
恐喝容疑で逮捕
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SNS暴露で300万円恐喝 “エンターテイナー折原”逮捕の波紋
SNSの匿名性を利用し、他人の個人情報を暴露する“暴露系インフルエンサー”が注目を集める一方、その影響力が犯罪に結びつくケースも増えています。
今回逮捕された東優樹容疑者は、会社員男性の顔写真や勤務先をSNS上で晒し、投稿の削除と引き換えに現金300万円を脅し取ったとされる“恐喝事件”の中心人物。
フォロワー数19万人を超える影響力とその裏で繰り広げられた手口、SNS社会に警鐘を鳴らす事件の全容を追います。
東優樹容疑者はなぜ逮捕された?SNS投稿がもたらした影響とは
東優樹容疑者(29)は、自身のSNS「X(旧Twitter)」にて“エンターテイナー折原”の名で活動し、多い時には19万人以上のフォロワーを抱えていた暴露系インフルエンサーである。警視庁によると、彼は著名人や一般人を問わず、私的情報を発信することで注目を集めていたという。
2024年10月、会社役員の男性(30)の顔写真や勤務先などをXに投稿。その後、東京都中央区の飲食店で男性に「全部出そうと思っている」と発言し、投稿を削除する見返りとして現金300万円を要求・受け取ったとされる。
この投稿を見たとみられる第三者から、被害男性の勤務先に問い合わせが入り、社会的信用にも影響が出た。最終的に東容疑者が投稿を削除したのは、男性が現金を手渡した後だったという。容疑者は現在、黙秘を貫いている。
SNSと恐喝の関係は?
SNSの即時性と拡散力を利用し、対象人物に対してプレッシャーを与える――今回の手口は、その典型といえる。単なる誹謗中傷を超え、「削除してほしければ金を払え」という構図は、悪質な恐喝の新たな形として社会問題化する可能性がある。
警視庁は、他にも東容疑者による被害がないか調査を進めており、今後の動向次第では“ネット恐喝”という犯罪形態そのものが議論の的となるだろう。
過去の投稿手法と拡散の仕組み
彼はフォロワー数を背景に、「内部告発」と称するDMやリーク情報を元に個人情報を投稿。これにより、過去には炎上や削除要請が相次ぎ、SNS上での影響力を強化する一方で、警察や法務関連機関からの注目も集めていた。
実際の投稿と削除の流れ
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10月初旬:会社員男性の顔・勤務先を投稿
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10月11日:飲食店で現金300万円を要求
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同日:現金受領後に投稿を削除
暴露型SNSの犯罪リスクとは?
SNSを通じた「暴露型インフルエンサー」の台頭は、社会に新たなリスクをもたらしている。注目を浴びるために過激な情報を公開し、それが商業目的や個人への圧力に転化するケースが増えているのだ。
とりわけ、著名人だけでなく一般人までもがターゲットとなることは、日常的な恐怖を生みかねない。現在の法制度ではグレーゾーンに該当するケースも多く、対策が急がれる。
他にも被害者が?SNS恐喝の実態は
警視庁は、東優樹容疑者が今回の被害者以外にも同様の手口で金銭を脅し取っていた可能性があるとみて、アカウントの投稿履歴やDM記録などを調査している。暴露系インフルエンサーが“証拠”と称して投稿する画像・動画・音声などは、編集されたものであるケースも多く、捜査は慎重を要している。
今回の事件は、インフルエンサーという立場を悪用し、「暴露による心理的支配」と「削除という見返りの取引」を組み合わせた非常に巧妙な構図であり、被害者が声を上げにくい点も問題視されている。
また、恐喝と表現の自由の境界線があいまいな領域にあるため、社会全体としてこのような犯罪への理解と早期対策が求められる。
繰り返された“削除ビジネス”の痕跡
報道によれば、過去にも複数の人物が彼の投稿により職場に問い合わせを受けたり、社会的信用を失う事態となっていた。一部では「DMで投稿を取り下げる条件が提示された」との証言もあり、個別交渉で金銭授受があった可能性が指摘されている。
被害届が出されないまま泣き寝入りしていたケースも多く、水面下での“削除取引”が常態化していた疑いもある。
インフルエンサー恐喝の行動パターン
警視庁が注目しているのは、投稿→威圧的な連絡→削除と金銭要求→投稿削除という、一連の流れがテンプレート化していた点である。
以下にその行動の流れを整理する。
【恐喝に至るSNS暴露の流れ】
① 投稿 → 顔・勤務先など個人情報をXに投稿
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② 圧力 → DMや公開ツイートでプレッシャーを与える
↓
③ 要求 → 「削除してほしければ金を払え」と直接交渉
↓
④ 取引成立 → 指定場所で金銭授受
↓
⑤ 投稿削除 → アカウントから投稿が消える
↓
⑥ 黙秘 → 警察の聴取に対して発言を拒否
エンタメか犯罪か?暴露文化に潜む危うさ
「告発」という名を借りた娯楽化された暴力。それが今のSNSで横行する“暴露”の本質だ。
人の人生を数行の投稿でねじ曲げ、金銭でそれを帳消しにする構造。情報の“正しさ”は関係なく、“拡散されること”それ自体が脅威として成立している。
恐喝とは刃物のようなものだが、今やその刃先は文字であり、画像であり、リポストだ。
我々が問うべきは、「発信者の責任」よりも、「観客の無関心」である。
なぜ我々は「面白がって見ていた」のか?
それが今後、社会の倫理をどう侵食していくのか――その静かな恐怖こそ、今回の事件の核心だ。
❓FAQ
Q1:東優樹容疑者はなぜ逮捕されたのですか?
A1:SNSに投稿した個人情報の削除と引き換えに300万円を脅し取った恐喝容疑です。
Q2:本当に他にも被害者がいるのですか?
A2:警視庁は投稿履歴などから他にも同様の被害があった可能性があると見ています。
Q3:暴露系インフルエンサーは合法なのですか?
A3:違法性は内容と目的により異なりますが、金銭要求を伴えば恐喝になります。
Q4:自分が被害に遭ったらどうすればいいですか?
A4:証拠を保存し、速やかに警察や弁護士に相談することが重要です。