2025年6月、河本準一が「パニック障害・うつ病」を直筆で公表。回復へ向かう姿とともに話題になったのは、相方・井上聡の“テレビに出ない生き方”。ゲーム芸人から芸術家へ？ 次長課長の新しいかたちを追う。
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「おーいタンメン！」。そんなユーモラスな声かけで、少しでも前向きになれるなら――。お笑いコンビ「次長課長」の河本準一が公表したパニック障害と鬱病の影響は、本人だけでなく、多くのファンや関係者に波紋を広げた。そして今、世間の視線が向かっているのは、その相方・井上聡の現在の姿である。「テレビで見かけなくなった」と感じる人も多い中、実際の井上は何を思い、どのように生きているのか。芸人という枠を越えた“静かな進化”に迫る。
井上聡は今どこで何をしている？
地上波から姿を消した理由とは？
かつて“吉本男前ランキング”で3年連続1位を誇った井上聡は、2012年の河本による生活保護費受給問題を機に、テレビ業界の最前線から徐々に姿を消していった。その後の井上は、積極的にテレビの仕事を受けることもなくなり、現在のレギュラー番組は「中川家＆コント」（BSフジ）のみと限られている。
だがこれは“干された”わけでも、“失速した”わけでもない。井上本人が「テレビに出たいという気持ちはない」と語っているように、芸能活動そのものに距離を置く選択を、自らの意思でしているのだ。
コンビとしての活動は続いている？
「次長課長」としての活動が終わったわけではない。2025年1月のインタビューで河本は「月の半分は井上と一緒に舞台や関西の番組に出ている」と語っている。彼らは定期的にライブ活動を行い、ファンとの距離感もライブならではの近さを保っている。コンビとしての解散や不仲といった噂は根拠がなく、むしろ今の二人は、騒動を乗り越えた“信頼関係の強さ”を静かに醸し出しているようにも見える。
「テレビに出たくない」発言の真意と背景
井上は芸能界入りの動機を「ジャッキー・チェンに会いたかったから」と語っていた。そしてすでにその夢は達成されている。彼は人生の目的を達成し、今は「好きなことだけをやる」セカンドステージに入っている。木梨憲武や片岡鶴太郎のような“自分だけの表現活動”に向かっているという点で、これは芸能人としての“到達点”とも言えるだろう。
テレビ中心期との違い
| 項目 | 活動の変化 |
|---|---|
| 主な出演番組 | 地上波バラエティ・レギュラー多数（2010年代） |
| 現在の出演形態 | BS・舞台・ライブ出演中心（月数回ペース） |
| 仕事の優先軸 | 収録・収入重視 → 自由と創造性重視へ移行 |
| 視聴者との接点 | 全国放送 → 関西圏のライブ・現場主義へ |
井上と河本は、現在も月に数回ペースでコンビとしてステージに立っている。とくに大阪を中心としたライブシーンでは、即興コントやアドリブ漫才を武器に根強い人気を誇っており、2024年には全国ツアー形式のライブも開催されていた。河本が病気を公表する直前まで、井上も変わらぬテンションで共演していたことから、コンビとしての連携に揺らぎは見られない。
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2023年：なんばグランド花月定期出演（隔週ペース）
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2024年：関西中心に年16本の舞台出演
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2025年：BSコント番組＋ライブ活動継続中
井上聡の“第2の人生”とは？
芸人→芸術家への移行は本気なのか？
井上が歩み始めたのは、まさに“自分だけの道”だ。最近では「片岡鶴太郎になりたい」という発言も飛び出し、すでに絵を描く生活を始めているという。芸人としてテレビに出ることよりも、アトリエのような静かな環境で筆をとることに魅力を感じているようだ。
これは、奇抜さや気まぐれから来るものではなく、長年にわたり培ってきた“表現者としての感性”の延長線上にある選択だろう。漫才やコントという形ではなく、キャンバスを通して“自分だけの物語”を描こうとしているのだ。
ゲーム愛と引退、その後の暮らし
井上はかつて「芸人界随一のゲーマー」として知られ、『モンスターハンター』シリーズのCMにも出演し、ゲーム関連書籍も出版していた。芸能人がゲームに積極的に関わる前夜に、彼はその領域を開拓した先駆者だった。
吉本興業とギャラ配分の交渉までしていたというこの時代、井上は相当な収益を得ていたとされる。河本も「貯金だけで生活できる」「とんでもなくあると思う」と証言している。だが、そのゲーム活動すらも卒業し、今は“無収入でも成立する生活”へと価値軸を移している。
鶴太郎・木梨との共通点と違い
井上が目指すライフスタイルには、明確なモデルがある。それが「木梨憲武」や「片岡鶴太郎」だ。彼らもまた、テレビの表舞台から距離を取りながら、独自のアートや音楽の世界に没頭している。井上もその系譜に連なる存在だ。
しかし、違いもある。木梨や鶴太郎は今もメディアで一定の存在感を保ち続けているが、井上は「目立たず、知られず、静かに表現する」ことに美学を感じているようだ。人前に出ずとも、何かを伝える生き方――それこそが彼の選んだ“芸人以後”なのだ。
【井上聡の人生フェーズ移行図】
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🎮【2000年代後半】芸人・ゲーマーとしてブレイク
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📚【2010年代前半】CM・出版などでマルチ展開
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🎤【2010年代後半】地上波出演から徐々にフェードアウト
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🧑🎨【2020年代】ゲーム卒業 → アート活動に移行
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🕊【現在】表現の自由を軸に“静かな創作生活”へ
舞台の袖で響く拍手を、井上聡はどんな気持ちで聞いているのだろう。かつて“爆笑の中心”にいた彼が、今は光の当たらない場所で静かに歩き続けている。派手さもない、話題にもならない日々。それでもそこに、確かな「生き方」がある。
「出ないこと」こそが表現になる――そんな逆説を、彼は静かに体現しているのかもしれない。
これからの次長課長はどうなる？
河本の復帰とコンビ再始動の可能性は？
2025年6月、パニック障害と鬱病を公表した河本準一は、「完全体ではないが、少しずつ体調が戻ってきた」とSNSで近況を報告した。病名の明言により、ファンからは応援の声が寄せられており、徐々に舞台復帰の兆しも見えてきている。
これまで井上と河本は、劇場ライブを中心に活動しており、その舞台はテレビとは異なる密度と温度感を持つ。再始動の場として“現場”が最適であることは間違いないだろう。
コンビとしての“存在意義”の変化
お笑いコンビ「次長課長」がかつて担っていたのは、「爆笑」や「盛り上げ役」としての役割だった。だが今、二人の活動にはそれとは異なる“意味”が生まれている。
河本は病と向き合い、井上は自分の生き方と向き合う。今後は「芸人であること」よりも、「共に立ち続けること」が彼らの存在意義となっていくのかもしれない。形を変えても、関係が続くこと――それこそが「コンビ」の新しい姿である。
静かなる退場、それでも響く声
静かに、だが確実に井上聡は「退場」を始めていたのだと思う。舞台の中央から、一歩、また一歩と後ろへ。誰にも見られぬように。そして観客が気づくころには、もうそこに彼はいない。
芸人とは何か。テレビに出て、笑わせ、名前を売り、SNSでバズる存在？ そうかもしれない。だが井上が向き合っているのは、それらの先にある「声なき表現」だ。絵を描く。しゃべらない。静かに立つ。ただそれだけで「伝わる」何かがあるなら、それこそが芸なのではないか。
河本の言葉を借りれば、「おーいタンメン！楽しんで」と声をかけてもらえる関係性が、芸人の理想のひとつだ。だが井上はそこに「無言」の美を重ねる。声を出さず、舞台を降りて、なお観客に何かを届ける――そんな芸があってもいい。
世の中はにぎやかで、誰もが目立ちたがっている。けれど、本当に深い問いは、静けさのなかにしか生まれない。井上聡という存在は、芸能という“うるさい場所”の中で、その静けさをずっと探していたのかもしれない。
❓FAQ：よくある質問
Q1. 河本準一さんは今後テレビ復帰する予定は？
A. 現時点では未定ですが、SNSで「少しずつ体調が戻っている」との報告があり、ライブなどから復帰の可能性が考えられます。
Q2. 井上聡さんは芸人を辞めたのですか？
A. いいえ。テレビ出演は少なくなりましたが、舞台やライブ活動は継続しており、芸人としての活動は続いています。
Q3. コンビ「次長課長」は事実上解散しているのですか？
A. 解散はしていません。現在も舞台や関西の番組などで定期的に共演しており、コンビ活動は継続中です。
Q4. 芸術家としての井上さんの活動はどこで見られますか？
A. 詳細な展示情報などは現時点では公表されていませんが、今後SNSやメディアを通じて発表される可能性があります。
