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認知症で行方不明1.8万人 死者の8割が“5キロ圏内”

2024年に行方不明となった認知症高齢者は1万8121人。そのうち8割が自宅から5キロ圏内で死亡していた。川や山林、用水路での発見例も多く、地域の見守りとGPSの活用が急務となっている現状を詳しく解説。

 

 

 

認知症行方不明
“5キロ圏内”

 

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高齢化社会の進展とともに、認知症による行方不明者の問題が深刻さを増しています。
2024年、日本では1万8000人を超える認知症行方不明者が届け出られ、その多くが身近な場所で死亡していたという警察庁の統計が明らかになりました。
今回は、その実態と背景を探ります。

✅ 見出し 要点(1文)
認知症の行方不明者数 2024年は1万8121人が届け出、前年より減少も高水準
死者の割合 491人が死亡、8割が5キロ圏内で発見された
発見場所の傾向 川・用水路・山林など自然環境が大半
社会的課題としての注目度 高齢化進行に伴い対策が急務

認知症の行方不明はなぜ増え続けるのか?

◆ どれだけの人が行方不明になっているのか?

2024年、警察庁に届け出があった認知症の行方不明者は1万8121人にのぼり、前年の1万9039人から918人減少したものの、依然として高い水準にとどまっています。
これは1日あたり約50人が行方不明になっている計算であり、誰の身近にも起こりうる深刻な問題であることを示しています。

また、行方不明者の総数は全年代合わせて8万2563人に達しており、10代(1万6645人)と20代(1万5053人)で約4割を占めているという、年齢層ごとの傾向も注目されています。
高齢者に限定した問題としてではなく、社会全体での支援体制が求められています。


◆ 見つかった人、見つからなかった人は?

認知症行方不明者のうち、491人が死亡して発見されており、非常に痛ましい数字です。
注目すべきは、そのうちの約8割(382人)が、行方不明になった地点から5キロ圏内で発見されていたことです。

つまり、多くのケースでは近くにいるにもかかわらず、適切な支援や情報が行き届かずに命を落としている実態があるということです。
この「5キロ」という数字は、家族や地域が見守れる圏内でもあり、早期発見・迅速な行動の重要性を浮き彫りにしています。


🔎発見場所の傾向とリスク

死亡が確認された場所は、川や用水路、山林などの自然環境下が半数以上を占めています。
足を滑らせて転落したり、自力で戻れなくなるケースが多く、特に夜間や雨天時にリスクが高まります。

その多くは「身近な危険」だったという点でも、社会としての備えが問われています。
また、発見が遅れる要因には、「通報の遅れ」「位置情報の不在」「地域内の情報共有不足」などが挙げられています。


🔸死亡リスクが高まる“生活圏の盲点”

一見安全そうに見える地域にも、認知症高齢者にとっては危険なポイントが潜んでいます。
たとえば、用水路や側溝は低く狭いため、転落しても周囲から発見されにくい構造になっています。

山林の近隣に住んでいるケースでは、わずかに道を逸れただけでも方向感覚を失い、何日も発見されないまま命を落とすこともあります。
これらのケースは「遠くまで行ったから」ではなく、「近くで見落とされたから」命が救えなかったともいえるのです。

  • 住宅街に隣接する用水路や側溝も要注意

  • 樹木が多い斜面や河川敷は昼でも視認性が低い

  • 家族が気づかない“日常の危険”が存在する

要素 2023年 2024年
認知症行方不明者数 19,039人 18,121人
死者数 525人 491人
5キロ圏内での死亡発見 約400人 382人
主な死亡確認場所 川・山林・道路脇 川・用水路・山林

どんな対策が講じられているのか?

GPSやドローンなどの技術支援は?

行方不明者の早期発見に向けて、GPS機器の活用やドローンによる空撮捜索が進められています。
2024年には、111人がGPS装置などを使って無事に発見されたと報告されています。

GPS機器は靴や衣服に装着できるタイプが普及しており、自治体によっては無料貸出制度を導入するところも増えています。
さらに、近年ではスマートフォンと連動し、一定距離を離れるとアラートが鳴る仕組みも開発されています。

一方、ドローンによる捜索は山間部や広い河川敷での捜索に有効で、8人の発見に貢献したという実績もあります。
しかし、実際の運用では「許可申請の煩雑さ」や「操縦人員の確保」が課題となっており、より柔軟な運用体制の構築が求められています。


◆ 家族や地域はどう備えているのか?

テクノロジーに加え、地域社会全体での見守り活動も重要です。
認知症の疑いがある高齢者が外出した場合、すぐに対応できるよう、近所の人々が事前に顔や特徴を共有しておく「地域登録制」を導入する自治体もあります。

また、見守りネットワークや介護保険制度を活用し、一人暮らしの高齢者に対する訪問チェックを定期的に実施する例も増えています。
しかしながら、「制度はあっても利用されにくい」「相談先が分からない」という声も多く、制度と現場の間にギャップが存在しています。


🔎自治体の取り組みと課題

多くの自治体では、GPS機器やQRコード付きシールの配布、認知症サポーター講座の開催などに取り組んでいます。
ただし、実施の有無や内容に大きな地域差があるのが実情で、同じ都道府県内でも対応の格差が課題となっています。

また、制度が存在していても、本人の拒否感や家族の負担感から十分に活用されていないケースもあります。
地域ぐるみで“自分ごと”として関われる体制こそが、次の大きなカギとなるでしょう。


🔸進む地域と、取り残される現場

たとえば神奈川県藤沢市では、認知症高齢者の外出に備えて、家族向けにGPSを含む機器を1年間無料で貸与する制度を実施しています。
また、装着の難しさを解消するため、靴底一体型のGPSなども配備対象に含まれています。

一方、地方都市では「そもそも制度自体が存在しない」「申請手続きが煩雑すぎる」という声も多く、現場では人手と予算の両面で限界を抱えているのが現実です。

  • 藤沢市:靴型GPSスマホ連携で支援

  • 一部自治体では申請手続きの電子化も進行中

  • 導入格差が高齢者の命を左右する事例も発生

① 自宅から外出
→ ② 家族が気づく
→ ③ 近隣に声かけ・通報
→ ④ GPS位置情報を確認
→ ⑤ 警察と連携して捜索
→ ⑥ 発見・保護・医療機関へ同行

▶見出し 要点(1文)
技術的な支援策 GPSやドローンでの発見が増加傾向にある
社会的サポート 家族・地域ぐるみの見守り体制が鍵
制度の壁 自治体間で導入・運用に格差がある
対策の方向性 テクノロジー+地域支援の融合が必要

私たちはどう向き合うべきか?

◆ これは他人事ではない社会課題

認知症による行方不明は、誰にでも起こり得るリスクです。
大切な家族が、ある日突然姿を消す――それは現実に起きている日常の中の非常事態です。

対応には「支援する側の準備」だけでなく、「当事者になる可能性」を含んだ備えが必要です。
「早く見つけたい」ではなく、「迷わない仕組みを最初から作っておく」ことが大切なのです。


◆ 小さな気づきが命を救うかもしれない

普段と違う歩き方、見慣れない道でのうろうろ、何かを探すような視線――
それに気づけるのは、いつもすれ違っている「地域の誰か」かもしれません。

私たち一人ひとりが「気づける目」と「声をかける勇気」を持つことが、
取り返しのつかない悲劇を防ぐ小さな防波堤となるはずです。

誰もが年を取る。
その先にある“ゆっくりとした消失”に、どう向き合うかは、時に社会全体の品性を試す問いでもある。

5キロ圏内で、息をひそめるように亡くなっていた高齢者たちの姿は、
誰にも気づかれずに消えていくことの哀しさを、私たちに突きつけている。

家族が悪いわけでも、地域が冷たいわけでもない。
ただ、それぞれが“自分ではない”と線を引くことが、この結末を生んでいるのだ。

問いかけたい。
あなたが気づける「その小さな変化」を、社会はどう受け止めるべきなのか?

▶見出し 要点(1文)
問題の深刻さ 5キロ圏内でも発見が遅れ死亡に至るケースが多い
有効な対策 GPS・ドローン・地域連携など多層的な仕組み
構造的な課題 制度格差と情報共有不足が壁になっている
私たちの行動 小さな異変への「気づき」から始まる支援が重要

❓FAQ

Q1. 認知症の行方不明者を見かけた場合、どうすればいい?
A. 警察(110番)に通報し、可能であれば本人に「大丈夫ですか?」と声をかけましょう。

Q2. GPS装置の利用には費用がかかるの?
A. 多くの自治体では無料貸出制度がありますが、地域によって異なります。事前の確認が必要です。

Q3. 行方不明の届け出はすぐにできる?
A. はい。家族の判断で「異常がある」と感じた時点で、警察に届け出ることができます(24時間待つ必要はありません)。

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