スケートボードの世界大会「WSTローマ大会」で、日本の長谷川瑞穂が圧巻のパフォーマンスで優勝。決勝スコア93.34点は世界レベルでも突出し、開心那・草木ひなのらも上位に食い込む。日本勢の強さの理由と今後の代表争いを深掘り。
スケボー界に新女王誕生
長谷川瑞穂ローマ大会優勝
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2025年6月8日、イタリア・ローマで開催されたスケートボードのワールドスケートツアー(WST)女子パーク決勝で、日本の長谷川瑞穂選手が93.34点という高得点を記録し、世界の強豪を抑えて初優勝を飾った。この歴史的な快挙により、日本勢の層の厚さが再び証明され、次期五輪への期待も高まっている。
長谷川瑞穂はなぜWSTで優勝できたのか?
試合はいつ、どこで行われたのか?
2025年のWST(ワールドスケートツアー)は、オリンピックに向けた重要な国際大会として位置づけられており、今回の舞台はイタリア・ローマの名門パークスタジアム。6月8日に行われた女子パーク決勝には、世界トップクラスのスケーターが出場し、ハイレベルな演技が繰り広げられた。
長谷川瑞穂は予選を順当に勝ち上がり、決勝ではラストライドで自己ベストの93.34点を記録。流れるようなライン構成に加え、高難度トリックの精度と完成度がジャッジの評価を大きく引き上げた。
どのような演技が評価されたのか?
決勝での長谷川は、フロントサイド540、インディグラブからの連続エア、最後のクローズではボードスライドからの流れる着地まで一切ミスのない完成度で観客を魅了した。得点面では特に「独創性」「難易度」「ランの完成度」が満点近くに達しており、ほかの選手とは一線を画す内容だった。
さらに、全体の構成が流れを止めず、すべてのセクションを高効率で活用した点も高く評価された。とくに終盤に見せた回転技からの着地成功は、金メダル候補と評される所以となった。
他の日本勢の結果はどうだったか?
女子では開心那が3位に入り、草木ひなのが4位、四十住さくらが7位という結果に。いずれも難易度の高いトリックを組み込んでいたが、転倒や構成のばらつきがわずかな減点要因となった。だが、この結果は日本のパーク女子の層の厚さと実力の均衡を示すものであり、今後の国際舞台でも複数の表彰台が視野に入る状況である。
長谷川のライディングは、1本目を手堅くまとめ、2本目で攻めに転じ、3本目で渾身の構成に挑んだ三段構成。特に終盤の「エアトゥフェイキー」からの「キックフリップ・インディグラブ」は会場を沸かせ、技術と表現の両面で圧倒的な存在感を放った。現地メディアも「日本に新たなクイーンが誕生」と伝え、スケートボード界の新星として世界に知られる契機となった。
日本勢 vs 海外勢(WSTローマ大会・女子パーク決勝)
※海外勢の一部選手名は調査中
WSTローマ大会はスケボー界に何を示したか?
なぜ日本勢がこれほど強いのか?
近年、スケートボード界で日本勢が世界を席巻している背景には、いくつかの要素がある。まず、競技環境の整備が進んだことが挙げられる。地方自治体が設置する公共スケートパークの数は増加傾向にあり、アクセスが容易になった。さらに、企業スポンサーや連盟によるサポート体制の強化により、才能ある若手選手が早い段階から国際大会を経験する機会を得ている。
長谷川瑞穂や永原悠路といった新鋭選手は、まさにこの育成環境の恩恵を受けて成長してきた。ジュニア世代から国際大会への出場が可能となり、実戦を通じた経験値の蓄積が、他国の選手に対して一歩先を行く要因となっている。
今後のオリンピック選考にどう影響する?
今回のワールドツアーでの結果は、2026年パリ五輪に向けた代表選考にも大きく影響する。スケートボードの代表枠は限られており、WST(ワールドスケートボードツアー)におけるポイントは重要な判断材料となる。長谷川瑞穂の優勝は、確実に代表入りへと前進させるものだ。
加えて、同じく入賞を果たした草木ひなのや開心那、男子の永原悠路も上位に食い込み、ランキングポイントを積み重ねている。今後の大会結果次第では、若手による世代交代が加速し、代表選手の構成にも新風が吹き込まれる可能性が高い。
長谷川は決勝で93.34点という驚異的なスコアを叩き出したが、実は準決勝では87点台で2位通過だった。そこから一気に逆転優勝に至った背景には、「ラストランで新技を投入する」という果敢な戦略があったという。コーチ陣とともにリスクとリターンを分析し、最終ランでフルコンボを成功させた瞬間、会場はスタンディングオベーションに包まれた。
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トリック構成:540キックフリップ→インディグラブ→バックサイド540→ノーズグラインド
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着地成功率:練習時70%→本番成功
「日本のスケボー強化構造」