良品計画は「生活の基本」を支える商品85品目を値上げすると発表。日常的に利用される食品やトイレットペーパーも対象に。急速な円安や物流コスト高が背景にあり、価格維持の限界が浮き彫りに。再値上げ商品にも注目が集まる。
無印良品が値上げへ
9月から85品目
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無印良品、食品・生活雑貨85品目を値上げへ 「金目鯛ごはん」など一部商品は100円以上アップ
無印良品を展開する良品計画は、2025年9月5日から食品や生活雑貨の計85品目を一斉に値上げすると発表しました。中でも「炊き込みご飯の素 金目鯛ごはん」は390円から490円へと100円アップ。背景には、円安や原材料価格の高騰といった複合的な要因があるとされ、日常に直結する商品が多く含まれることから、消費者の注目を集めています。
見出し | 要点 |
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値上げ実施日 | 2025年9月5日から全国店舗・ネットで開始 |
対象商品数 | 食品59品目+生活雑貨26品目=合計85品目 |
主な値上げ例 | 金目鯛ごはん(+100円)、大盛りカレー(+40円)など |
背景要因 | 原材料高騰、円安、物流費・人件費上昇が重なった影響 |
なぜ無印良品は85品目を値上げした?
値上げの時期と対象商品は?
今回の価格改定は、2025年9月5日から全国の無印良品店舗と公式ネットストアで実施されます。対象となるのは、食品59品目と生活雑貨26品目の計85品目。
食品カテゴリでは、レトルト食品・菓子・コーヒー豆など、日常的に購入されやすい商品群が多く含まれており、特に人気の高い「素材を生かしたシリーズ」も複数値上げの対象となっています。
生活雑貨の対象には、再生紙を使ったトイレットペーパーや日用品としての消耗品が含まれており、生活基盤に直結するジャンルでの価格上昇となりました。
具体的にどんな商品が値上げされた?
以下は、今回の値上げ対象商品の中でも特に価格変動幅が目立ったものです:
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「炊き込みご飯の素 金目鯛ごはん」:390円 → 490円(+100円)
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「素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー」:350円 → 390円(+40円)
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「大袋 北海道牛乳のドーナツ」:399円 → 450円(+51円)
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「再生紙トイレットペーパー5倍巻 シングル 4個入り」:599円 → 699円(+100円)
また、今回の価格改定では、価格は据え置きながら内容量を減らす“実質値上げ”も行われており、「てんさい糖ビスケット」は80gから76gへと減量されています。
商品価格の一覧と変化幅
商品名 | 旧価格 | 新価格 | 値上げ幅 |
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金目鯛ごはん | 390円 | 490円 | +100円 |
牛ばら肉のカレー | 350円 | 390円 | +40円 |
北海道牛乳ドーナツ | 約399円 | 450円 | +51円 |
トイレットペーパー4個 | 599円 | 699円 | +100円 |
企業努力では吸収しきれない価格上昇
実は良品計画は、今年4月にも食品90品目の値上げを実施しており、今回の85品目の改定は、わずか5か月ぶりの追加値上げとなります。
担当者は「原材料だけでなく、物流費や人件費、円安などの複合的要因が重なった」と説明。企業としてのコスト吸収努力も限界に達したことが、今回の決断に至った背景にあります。
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物流費の継続的上昇
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円安による輸入原材料の負担増
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再値上げ対象となるコーヒー豆のような品目も含む
なぜ今回の値上げは注目されたのか?
原材料・物流費・円安の影響は?
無印良品の価格改定が注目される理由の一つは、その“日常性”にあります。高級ブランドではなく、誰もが気軽に購入できる生活密着型商品が中心だからこそ、消費者にとっての「生活コスト」そのものを直撃します。
今回の値上げの背景には、主に以下の要因が挙げられます:
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コーヒー豆や米など、原材料そのものの世界的な高騰
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海外からの輸送に伴う物流費の上昇
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円安により、輸入コストが増大
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国内外での人件費上昇
これらの要因が、同時多発的に長期化しているため、企業としての“値上げ回避努力”にも限界が来たのが実情です。
無印の値上げは今回が初めて?
実は今回の値上げは“今年に入って2回目”の大規模価格改定です。4月には食品を中心とした約90品目が値上げされており、同じ商品が短期間で再値上げされるケースも見られます。
たとえば、オリジナルブレンドコーヒー(豆)は、4月の値上げで750円になった直後、今回の改定で950円へとさらに200円アップ。この「再値上げ」は、無印の価格維持の限界を象徴しています。
価格改定までの構造的流れ
原材料高騰
↓
円安進行・物流費上昇
↓
企業内吸収努力(コストカット・見直し)
↓
第一段階の値上げ(2025年4月)
↓
【限界到達】→ 今回の85品目追加値上げ(2025年9月)
見出し | 要点 |
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前半まとめ | 9月から食品・雑貨85品目を平均18%値上げ |
商品別傾向 | 人気の炊き込みご飯・トイレットペーパーも対象に |
背景要因 | 円安・原材料高・物流費など複合要因が直撃 |
後半展望 | 「生活必需品の再値上げ」が意味する社会的影響とは? |
値上げは私たちの暮らしに何を問いかけている?
“生活者の感覚”で見た今回の値上げ
「1つ100円の値上げ」と聞くと少額のように思えるかもしれません。ですが、たとえば毎月10品購入していれば、年間で1万円以上の負担増となる可能性もあります。
しかも今回の改定では「価格据え置き+容量減」の商品もあるため、見た目の価格維持によって「体感値上げ」に気づきにくい構造も存在します。これは“値段の裏にある生活感覚”が試される時代に突入しているともいえるでしょう。
小さな値上げ、大きな沈黙
私たちは「10円高い」を口にすることが少なくなった。
その代わりに、無意識に“カゴに戻す”動作だけが増えた。
レジ前でふと気づく。以前なら迷わず買っていたその商品を、
今はなぜか手に取るのを躊躇している。
値上げとは、価格の問題ではない。
生活者にとっては「選択肢の自由が減る」という、もっと深い切実さだ。
それでも私たちは静かに受け入れ、次の棚を見てしまう。
その沈黙の先に、どんな社会が待っているのだろうか。
❓Q&A|無印良品85品目の値上げに関する質問と回答
Q1. 今回の無印良品の値上げはいつから実施されますか?
A1. 値上げは2025年9月5日(金)から実施されます。対象は全国の無印良品店舗および公式ネットストアです。
Q2. 値上げされる商品は何品目ですか?
A2. 今回の価格改定では、食品59品目と生活雑貨26品目の合計85品目が対象となっています。
Q3. 具体的にどのような商品が値上げされますか?
A3. 代表的な商品では、
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「炊き込みご飯の素 金目鯛ごはん」…390円 → 490円
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「素材を生かした牛ばら肉の大盛りカレー」…350円 → 390円
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「再生紙トイレットペーパー5倍巻(4個)」…599円 → 699円
などが挙げられます。
Q4. 価格が据え置かれる商品もありますか?
A4. はい、一部の商品(例:「てんさい糖ビスケット」など)については価格を据え置く代わりに内容量を減らす対応が取られます。
Q5. 値上げの背景にはどのような要因がありますか?
A5. 主に以下の複合的な要因が影響しています:
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原材料価格(コーヒー豆、米など)の高騰
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円安による輸入コストの上昇
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海外物流費や人件費の増加
Q6. 無印良品の値上げは今回が初めてですか?
A6. いいえ、2025年4月にも90品目が値上げされており、今回はそれに続く“再値上げ”です。コーヒー豆などは2度目の値上げ対象です。
Q7. 今後も無印良品の値上げは続く可能性がありますか?
A7. 為替相場や原材料価格の変動次第では、さらなる価格改定が行われる可能性があります。企業側は「コスト吸収の限界」ともコメントしています。
このように、無印良品の価格改定は単なる商品値上げにとどまらず、「生活にどう影響するか」が問われる重要なニュースといえます。