第74回全日本大学野球選手権で、名門・早稲田大学が東海大学に3-12で敗北し、まさかの8回コールド負け。小宮山悟監督は「準備不足」と厳しく総括。守備の乱れと戦術の差が明暗を分けた試合を徹底分析し、今後の再起への課題も探ります。
早大まさかの
コールド負け
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歴史ある早稲田大学野球部が、第74回全日本大学野球選手権でまさかの大敗──。6月13日の準々決勝、東海大学との一戦で12失点の末、8回コールド負けという屈辱的な結果を喫した。名将・小宮山悟監督は試合後「準備不足」と断じ、怒りを隠さなかった。甲子園やプロ野球とも縁深い名門が、なぜここまで崩れたのか。現場で起きていた“崩壊の連鎖”と、敗戦の意味を読み解く。
要約表
なぜ早大は大会初のコールド負けを喫したのか?
◉ 試合はいつ・どこで起きたのか?
2025年6月13日、神宮球場で行われた第74回全日本大学野球選手権・準々決勝。この大会での16度目の出場となった早稲田大学が、東海大学に3―12の大差で8回コールド負けを喫した。全国の大学野球ファンが注目する舞台で、まさかの展開が待っていた。
球場は好天に恵まれ、多くの早大OBや関係者が詰めかけたが、序盤からミスが目立つ内容に観客の表情は次第に曇っていった。1点ビハインドで迎えた4回表、三塁手の送球エラーをきっかけに東海大打線が一気に畳みかける。そこから早稲田は守備でも攻撃でも歯車が狂い始めた。
◉ 何が敗因だったのか?
この試合で最も目立ったのは、早稲田の“4失策”だった。すべてのミスが失点に直結し、流れを完全に失ったのが致命的だった。投手陣は打たれたというよりも、守備のほころびをきっかけに精神的にも崩れた印象がある。
試合後、小宮山悟監督は「後手後手に回って思うようにならなかった。試合前の準備不足ということ」と語った。内容は淡々としていたが、怒りを押し殺した表情がそのまま敗戦の深刻さを物語っていた。
主将・小沢周平も「準備不足、技術不足です。秋への課題がわかりました」と絞り出すように話した。1つの敗戦ではなく、“積み重ねた準備の差”が浮き彫りになった格好だ。
◉ 実例:三塁手のエラーが流れを変えた
4回表、1死一塁の場面で三塁手が送球を大きく逸らし、一気に無死一、三塁。続く打者にタイムリーを許し、以後は押し出し、犠飛、連打と失点が止まらなかった。この回だけで5失点を許し、試合の流れが決定的に傾いた。
東海大の徹底した試合対策と読み
早稲田の失策が目立ったとはいえ、東海大学の“準備力”が光った点も見逃せない。特に注目されたのは、「セーフティバントの仕掛け」と「一球ごとのベンチ指示」だった。
相手守備の乱れを想定したバント戦術は、まさに的中。序盤からバントや進塁打で揺さぶり、試合を通して早稲田の内野陣にプレッシャーを与え続けた。また、東海大ベンチは投手交代や守備隊形を常に先手で動かし、早稲田の攻撃リズムを完全に封じた。
早大と東海大の大会準備・体制の差
項目 | 早稲田大学 | 東海大学 |
---|---|---|
出場回数 | 16回 | 21回 |
前回成績 | 準優勝(2024) | ベスト8 |
今大会への準備 | 技術面の強化中心 | 守備・走塁・戦術の徹底 |
チーム方針 | 自主性重視 | 全体統制型(指示一体) |
監督の評価コメント | 「準備不足だった」 | 「狙い通りの展開」※報道より |
早大はこの敗戦から何を学ぶべきか?
◉ 秋のリーグ戦に向けた課題は?
早稲田大学野球部が直面する最優先課題は、「試合準備の質」と「基本技術の徹底」である。今回の敗戦では、技術不足よりも“準備力”の欠如が指摘された。試合前の対策・想定・心構えといった“見えない努力”の重要性が改めて問われた。
また、精神的な脆さも露呈した。ひとつのエラーをきっかけにズルズルと失点を重ねる姿は、逆境への耐性の乏しさを映している。これは戦術面ではなく「メンタルトレーニング」の不足とも言える。
今後は、走塁・守備・声掛け・ベンチワークを含めた“チーム全体の反応力”を強化し、想定外の事態に即応できるチーム体質への改革が不可欠だ。
◉ 指揮官・小宮山悟はなぜ「激怒」したのか?
小宮山監督の試合後のコメント「ヘドを吐くまで練習しろ」は、話題性だけでなく指導哲学の核心を表している。彼が重視するのは、「考えて動く野球」であり、状況対応の質を高める訓練だ。
だが今回は、それが徹底されていなかった。主将をはじめとする選手の自己評価にも「準備不足」が共通していたように、指導陣の“理念”と“現場の実行力”のギャップが露わになった格好だ。
これは指導者としての怒りであると同時に、自らの指導方針への苛立ちでもある。次なる秋季リーグでは、選手と監督が「戦う準備とは何か?」を再定義する必要がある。
◉ 具体例:夏合宿で求められる変化
小宮山監督は「パワハラにならない程度に鍛え上げる」と語った。この表現には、“方法論”の刷新もにじんでいる。今後の夏合宿では、走り込みや素振りのような根性論に留まらず、ゲーム形式での実践力、シミュレーション力、状況判断を重視した練習構成が予想される。
チーム改革のカギは、旧来型の“量”から、論理性と臨機応変さを備えた“質”への移行にあるだろう。
青学リベンジならず…「因縁の糸」はまだ解けない
昨年の決勝で敗れた青学大への雪辱を果たす──。それが今大会における早稲田の“もう一つの動機”だった。しかし、準々決勝で東海大に敗れたことで、その舞台にすら立てなかった。
早大と青学の因縁は、過去10年にわたり幾度も名勝負を繰り広げてきた“宿命のライバル”である。青学大は今大会も順調に勝ち進み、決勝進出が有力視されている。対照的に早稲田は、因縁の舞台を目前にして姿を消す形となった。
“リベンジ”の糸は切れたわけではない。むしろ今後の対戦で、その火種はさらに深く、熱く燃え上がる可能性を秘めている。
🔄早大の崩壊と再生
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【試合前の準備不足】
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【守備のミス連発】→【失点に直結】
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【精神的に崩壊】→【逆転の糸口なし】
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【監督の怒りと反省】
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【夏合宿での再鍛錬】
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【秋リーグでの再挑戦と雪辱】
この記事で繰り返し登場する“準備不足”という言葉。それは単なるウォームアップや守備練習だけを意味するものではありません。対戦相手を研究し、どんな場面でも動ける判断力を養うことこそが“準備”の本質です。
本記事は、読者にとっても仕事や試験、人生における“想定と備え”の重要性を再認識させるものとなるでしょう。
📝敗戦の中に立つ者たちへ
「勝つこと」より、「負け方」にこそ真の姿が映る──。
神宮球場の片隅で、早稲田のナインが肩を落としていた。その姿はどこか、都市の片隅で夢破れた若者にも重なる。
準備不足、という言葉には、淡い失望と深い悔恨が混ざっている。試合に勝つための技術ではなく、生きるために必要な“姿勢”が問われていたのではないか。
怒れる小宮山監督の言葉は、選手だけでなく、我々にも響く。「ヘドを吐くまで」。その一言の裏には、期待と愛情、そして絶望があった。
この夏、彼らがどう変わるのか──。それは敗北を糧にした者だけが知る景色である。
❓FAQ(よくある質問)
Q1. 早大が敗退した試合はいつ行われましたか?
A. 2025年6月13日、神宮球場での準々決勝です。
Q2. なぜコールド負けとなったのですか?
A. 4つの失策がすべて失点に直結し、試合の流れを失った結果、8回表終了時点で12対3の点差がつき、規定によりコールドゲームとなりました。
Q3. 小宮山監督の発言が話題になったのはなぜ?
A. 「ヘドを吐くまで練習しろ」という発言がSNSなどで賛否を呼び、現代の指導法とのギャップを象徴する発言として注目されました。