トロント・ブルージェイズの菊池雄星投手が、オリオールズ戦で今季最多となる10奪三振を記録。しかし6回途中7安打5失点(自責3)と苦しい投球で6敗目を喫し、防御率は3.05に上昇。チームは3連敗と波に乗れず、好投が報われない現実が浮き彫りとなった。
菊池雄星
最多10Kも6敗目
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2025年6月16日(日本時間)、MLBトロント・ブルージェイズに所属する菊池雄星投手が、今季ワーストとなる5失点を喫し、ロサンゼルス・エンゼルス戦で今季6敗目を喫した。一方で、自己最多タイの10奪三振を記録するなど、光と影が交錯した登板だった。防御率は3.05へとやや悪化し、チームも3連敗と厳しい状況に陥っている。
🔸要約表
菊池雄星の登板はなぜ注目された?
いつ・どこで起きたのか?
試合は現地時間6月15日、カナダ・トロントにあるロジャース・センターで行われた。MLBレギュラーシーズンの1カードとして、アメリカンリーグ西地区のロサンゼルス・エンゼルスをホームに迎えての一戦である。菊池雄星はブルージェイズの先発としてマウンドに立った。
なぜ注目されたのか?
注目の理由は、直近の登板での安定感と、ブルージェイズの地区順位を左右する重要な試合であった点にある。菊池は5月以降、防御率2点台を維持しており、安定感ある左腕としてローテーションの柱となっている。またこの試合は、ワイルドカード争いの渦中にあるチームにとって重要な一戦だった。
過去のMLB公式データによれば、菊池が1試合で10奪三振を記録したのは、シアトル・マリナーズ時代の2021年8月以来となる。今季初めての2桁奪三振であり、フォーム修正後の成果が表れた試合でもあった。
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菊池の直近3試合の成績比較:
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6回無失点(前回)
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7回2失点
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今回:6回5失点10奪三振
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このように、結果は崩れたが三振力はむしろ強化されていた点が印象的である。
項目 | 今季ベスト登板 | 今季ワースト登板(今回) |
---|---|---|
日付 | 5月14日 vs MIN | 6月15日 vs LAA |
投球回 | 7回 | 6回 |
被安打 | 3 | 8 |
失点 | 0 | 5 |
奪三振 | 8 | 10(今季最多) |
防御率 | 2.64 | 3.05(悪化) |
試合内容の詳細はどうだったのか?
序盤は味方の失策からリズムを崩す
1回表、味方のエラーで先頭打者の出塁を許し、次打者ウリアスに逆転2ランを被弾。菊池自身の制球には大きな問題はなかったが、守備の乱れに引きずられた格好となった。以降もボール先行の場面が目立ち、ストライクゾーンを広く使う組み立てが機能しにくい展開となる。
中盤にかけて立ち直るも、打たせて取る配球に苦心
4回には再びロウリアーノにタイムリーを許し失点。奪三振数は伸びる一方、要所での打たせて取る場面で踏ん張りきれず、球数がかさみ始めた。特にスライダーの精度が甘く、変化球主体の配球に対する相手打線の対応力も際立っていた。
今季ここまでの菊池の傾向を見ると「球数が少ない=勝てる試合」という相関が見えている。
この試合では、5回終了時点で既に95球を超えており、テンポをつかみきれなかったことが失点増の背景にある。
今後は、テンポよく守備を味方につけられるかがカギとなる。
✅菊池の登板結果の流れ
初回失策発生
↓
逆転2ラン被弾で動揺
↓
三振ペースを上げ持ち直す
↓
中盤で再び失点(タイムリー)
↓
6回に自身の失策絡みで失点
↓
5失点で今季ワーストの内容に
見出し | 要点 |
---|---|
初回の失点 | 味方の失策から逆転2ランを被弾 |
立ち直り | 3回以降は奪三振で立て直す |
試合の分岐点 | 6回の自身失策で追加点を許す |
投球の質 | 変化球の制球に課題あり、球数増加も響いた |
菊池雄星の今後と評価はどうなるのか?
今後の登板ローテと課題点
現時点での菊池の登板間隔から見て、次回は6月21日前後の登板が見込まれる。チーム状況を鑑みると、ブルージェイズのPO進出を左右する分岐点が近づいており、先発ローテの中でも重責が求められていく。フォームの再調整と失策対策が短期的課題だ。
ファン・メディアからの評価はどうか?
今回の試合に対してファンの反応は賛否両論。10奪三振の快挙を評価する声がある一方、要所での失点や球数の多さには疑問符もつく。特にMLB専門メディア『The Athletic』では「ナーバスな投球が悪循環を生んだ」と評されており、精神面の強化も今後の焦点だ。
本記事では「試合結果の数字」以上に、投球内容の変化と守備連携の重要性に焦点を当てている。菊池のフォーム修正後の奪三振能力には一定の評価ができるが、野手との連動を欠いた試合運びが敗戦に直結した。勝ち星を増やすには「三振」より「テンポ」が鍵だ。
✅神様がずっと見ている
勝つために必要なのは、魂の剛速球でもなく、絶対的エースの風格でもない。
それは「微差」を味方にできる呼吸であり、傾いたリズムを自ら正せる冷静さだ。
菊池雄星の10奪三振は圧巻だったが、それは“ひとつの側面”にすぎない。
彼は野球という巨大な装置の中で、まだ「自分のピース」を探している途中なのかもしれない。
ミスを他責にする者に、勝利の神は微笑まない。
それは、神様がずっと見ているからだ。
✅FAQ
Q1. 今回の10奪三振はMLBキャリア最多?
A. いいえ。キャリア最多タイで、マリナーズ時代の2021年8月に達成した記録と並びます。
Q2. なぜ防御率が急に悪化したのか?
A. 今回の5失点(うち自責3)が加算され、防御率が2.92 → 3.05に上昇しました。
Q3. 次回登板はいつ?
A. 現地報道によると、次回登板は6月21日前後と見られています(調整中)。