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札幌の幼教免許試験で公認カンニング認定 文科省が行政指導

札幌市の専門学校で、幼稚園教諭免許の取得に必要な試験に模範解答の持ち込みが認められていた問題で、文部科学省が「不適切」として行政指導を行ったことが判明しました。試験は神奈川県の系列短大が実施しており、模範解答を丸写しするだけで単位を取得できる実態があったとされます。制度の形骸化が問われています。

 

 

 

幼教免許試験
公認カンニング認定

 

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幼稚園教諭試験で“模範解答持ち込み” 国が行政指導へ

札幌市の専門学校で行われていた幼稚園教諭免許の取得試験において、模範解答の持ち込みが認められていた問題で、文部科学省が運営法人に対して行政指導を行った。全国の系列校でも同様の手法が用いられていたことが明らかになり、教育現場の信頼性に疑問の声が上がっている。試験を主催したのは神奈川県の短期大学で、学生はそのまま解答を転記するだけで単位を取得できる状況だった。

項目 内容
問題発生地 札幌市(学校法人三幸学園の専門学校)
主催校 神奈川県の系列短期大学(試験実施校)
問題点 幼稚園教諭免許に関わる試験で模範解答の持ち込みを黙認
対応措置 文部科学省が「不適切」として行政指導を実施
注目点 回答を丸写しするだけで単位取得が可能な実態が全国で横行か

模範解答の持ち込みが許された経緯とは?

試験を運営していた短大と専門学校の連携体制

問題が発生したのは、札幌市の専門学校(学校法人三幸学園)と、神奈川県にある系列の短期大学との間で行われていた通信制による単位認定試験である。短大側が作成したレポート試験に、専門学校側があらかじめ模範解答を配布し、それを見ながら記入することが黙認されていた。

専門学校の学生は模範解答の記述をそのまま写して提出すれば単位が得られたとされ、事実上の“公認カンニング”状態が続いていた。制度上はレポート試験による評価が正規であるにもかかわらず、学習の実質が伴っていなかった可能性が指摘されている。

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文科省の調査と行政指導の内容

文部科学省は2025年2月下旬から現地調査を実施し、複数の系列校において同様の手法が常態化していたことを確認。試験の公正性が著しく損なわれる状況に対し、「不適切」と明言し、短期大学に対して口頭での行政指導を行った。

これにより、短期大学は模範解答の持ち込みを明確に禁止し、今後の評価方法の見直しに着手するとしている。なお、現時点で免許認定の取消処分や重大な処分には至っていない。

制度の構造的な問題としての指摘

今回の事例は、単なる一校の問題ではなく、教育制度そのものの抜け穴を突いた構造的な問題とも受け取れる。通信制課程ではレポート試験や在宅課題によって単位が付与されることが多いが、これを「模範解答の写し」によって代用することで、実質的な評価機能が失われていた。

一方で、教育機関にとっては“免許取得実績”が学校のブランドや集客に直結するため、形式上の単位取得が優先されていた可能性もある。こうした状況は、将来的に保育の質の低下にもつながりかねないという懸念が出ている。

  • 通信教育制度のレポート評価に実地監査がない点

  • 単位認定が各短大に任されており、基準が不透明な点

  • 模範解答提供が内部ルールで容認されていた可能性

系列校間での評価制度の違い

項目 問題となった専門学校(札幌) 他の系列校(首都圏)
試験形式 レポート記入形式(持ち込み可) レポート記入形式
模範解答の提供 事前配布、転記可能 担任教員による口頭指導
監督体制 無監督または形式的 教員立ち合い
単位取得の難易度 実質的に全員取得可能 一部で不合格再提出あり
文科省の指摘内容 模範解答写しの黙認 該当なしまたは調査中

なぜ文科省は「不適切」と判断したのか?

系列短大による形骸化した試験運用

問題となったのは、札幌市内の専門学校に通う学生たちが、神奈川県にある同じ系列の短大(通信制課程)を通じて幼稚園教諭免許の取得を目指す制度の中で発生した。短大側は科目ごとの試験をオンラインで実施しており、その際に模範解答の持ち込みを「黙認」するかたちで認めていた。

文部科学省の調査では、学生が試験中に模範解答をそのまま記入する「丸写し」が横行し、内容理解の有無に関係なく単位が取得されていた実態が確認された。つまり、教育機関本来の評価機能が完全に形骸化していたと見なされた。

この状況に対し、文科省は「教育課程の適正な運用に反する」として、2025年2月下旬に学校法人側に対して行政指導を実施し、即時の改善を求めたとされる。短大側はその後、模範解答の使用を正式に禁止した。

制度を悪用した取得促進の構造

この免許取得制度は、本来は地方の専門学校に通う学生が通信制短大を併用することで、地元にいながらにして資格取得が可能となるよう設計されたものだった。しかし、系列間での連携が過剰に緩くなり、試験制度の管理が著しく甘くなったことで、「単位取得の容易化」が目的化した構図が浮かび上がる。

加えて、学園グループ全体として「免許取得者の輩出実績」を対外的に示す狙いもあった可能性が指摘されている。試験の難易度や評価基準が不透明であったことにより、「誰でも取得できる」印象が広がっていたとみられる。

文科省は今後、系列校に対してさらなる報告を求める方針で、他地域でも同様の運用が行われていなかったかを重点的に調査する姿勢を見せている。

現場の教職員からは、系列短大との連携に関して「過去から形式的な指導だけで済まされていた」「形だけのレポート提出でも単位が出ると噂されていた」といった証言もある。さらに、学生側も「暗記すら不要な資格試験」として受け止めていた傾向が強く、資格取得の価値が実質的に失われていたとする見解がある。

一部の教育関係者は「専門職としての適性を問う制度が、逆に教育の質を落とす温床になっていた」と警鐘を鳴らしており、教育機関と資格制度の関係性が再び問われている。

  • 試験内容の不透明さ

  • 模範解答の配布方針の曖昧さ

  • 評価基準の記録が残っていない運用

こうした点を踏まえ、文科省は「資格制度そのものの信頼性確保が必要」との認識を強めている。

模範解答持ち込みの問題構造

札幌の専門学校 → 通信制の系列短大と提携
 ↓
試験は短大が実施(オンライン)
 ↓
模範解答の使用が黙認されていた
 ↓
学生は解答を写すだけで単位取得
 ↓
文科省が実態を調査し「不適切」と判断
 ↓
短大は模範解答持ち込みを禁止へ

模範と欺瞞のあいだに生まれる免許

「教育の質とは何か?」という問いが、再び突きつけられている。
模範解答の持ち込みが許可され、丸写しで単位が得られるという実態は、教育そのものが資格取得の“作業”に堕していることを示している。そこにあるのは「学ぶとは何か」という本質的な問いへの無関心だ。学生も教職員も「形」を整えることに忙しく、本来の意味での“育成”という概念は置き去りにされている。

行政指導で制度を整えたという表面上の解決は、ある意味で危うい。教育に携わる者が「資格の履歴を満たす」ことだけを目的としたら、そこに信頼はない。しかも、それが全国の系列校で共通に見られたとなれば、制度の構造そのものが問われる段階にある。今求められるのは、外形的な改革ではなく、教育者が自ら「育てること」の意味に立ち返ることだ。指導する側がまず誠実でなければ、どれだけ制度を修正しても形骸化は止まらない。

丸写しにされたのは、模範解答だけではない。教育の理念そのものが、そこに投げ捨てられていたとも言える。

❓FAQ

Q:今回の不適切な試験運用が認められたのはどこですか?
A:三幸学園が運営する札幌市の専門学校と、試験を実施していた神奈川県の系列短大です。

Q:学生は模範解答をどう使っていたのですか?
A:試験中に持ち込みが許されており、模範解答を丸写しするだけで単位が取得できる状況だったとされています。

Q:文科省の対応はどうなっていますか?
A:2025年2月から調査を実施し、不適切な運用を確認した上で、学校法人に対し口頭での行政指導を行い、改善を求めました。

Q:系列の他校でも同様の問題はありましたか?
A:文科省は全国の系列校にも調査を広げており、札幌など複数の拠点で同様の問題が確認されています。

Q:試験制度は今後どう変わりますか?
A:短大側は模範解答の持ち込みを禁止し、試験の運用を厳格化するとしていますが、具体的な再発防止策は引き続き検討中です。

項目 要点
事件の発端 札幌市の専門学校で模範解答持ち込みが容認されていた
実施機関 試験は神奈川県の系列短大が実施していた
国の対応 文科省が調査・行政指導を実施し、改善を要求
教育上の問題点 資格取得が形式化し、教育の中身が空洞化していた
今後の焦点 運用改善だけでなく、教職課程の理念の再構築が課題

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