雑記ブログ、ときどきAmazon

Amazonアソシエイト,楽天room,広告PRがあります。

給食費を6年間流用 中学職員が結んだ管理契約の闇

京都・西城陽中学校で事務職員が給食費や修学旅行費など2200万円以上を着服していた事件。6年にわたり不正が続いた背景には、白紙伝票の押印や単独管理が許された制度的な空白があった。市教委は再発防止策を発表し、警察への被害届提出を進めている。

 

 

 

給食費を6年間流用
管理契約の闇

 

広告の下に記事の続きがあります。ペコリ

 

京都府城陽市立西城陽中学校の男性事務職員が、給食費や修学旅行積立金などの学校徴収金を私的流用し、着服額は2200万円を超える見通しとなった。通帳管理を単独で行っていたことが原因とされ、市教育委員会は制度運用の見直しと刑事告訴を検討している。


要約表

項目 内容
発覚日 2025年5月(学校給食センターからの指摘)
発表日 2025年6月19日(城陽市教委の記者会見)
加害者 西城陽中学校の男性事務職員(55歳)
着服額 総額2,209万7,000円(給食費・教材費・修学旅行費など)
着服期間 2019年8月28日〜2025年5月15日
着服手口 白紙伝票への自書・請求額上乗せ・返金偽装など
動機 カードローン返済・遊興費(本人が供述)
注目点 単独管理体制とガバナンス不在/公印悪用と帳尻合わせの反復

事務職員はなぜ2200万円もの資金を操作できたのか?

1人管理体制と「公印付き白紙伝票」の存在

城陽市教育委員会の説明によれば、同中学校の学校徴収金は1名の事務職員により管理されていた。着服は2019年から継続的に行われており、給食費や教材費、修学旅行の積立金などが対象となっていた。

とくに問題視されたのが、職員が学校の公印を押した白紙伝票を使って出金できる環境にあった点である。金額や用途を自ら記入しても発覚しづらい状態で、これが着服の継続を可能にしたとされる。

返金と帳尻調整の反復

当該職員は、着服後に一定の金額を口座に返金する行為を繰り返していた。これは帳尻を合わせることで不正の発覚を免れる目的だったが、2025年5月に市学校給食センターから「給食費未納」の指摘を受け、職員本人が不正を認めた。

本人の供述では「カードローン返済や遊興費に充てた」としており、「生涯をかけて返済する」との意志を示しているが、返済計画の実現性は不透明とされている。

 

この問題を複雑化させたのは、学校現場における金銭管理の属人化である。西城陽中では、教職員による複数人チェックや口座操作記録の開示制度がなかったことが確認されており、担当者個人の裁量に依存した運用が常態化していた。

さらに、公印付きの白紙伝票という不適切な帳票管理も、制度上の抜け穴として放置されていた。市教委はこの点について「組織としての責任も大きい」と認め、管理フローの全面的な見直しを進めている。

  • 属人化した金銭管理体制

  • 公印付き白紙伝票という制度の盲点

  • 市教委による「組織責任」の認定


自治体での類似着服事件との相違点

比較項目 城陽市・西城陽中(本件) 自治体(例:福岡市・名古屋市など)
管理体制 1人管理・公印付き白紙伝票 複数名管理・金庫+口座の分離型
発覚契機 給食センターの「未納通知」 定期監査/内部告発
着服額 約2,200万円(2025年までに継続的) 数十万〜数百万円規模が中心
制度的背景 管理帳票・出金伝票の運用にルール不備あり 電子化済み/承認フローの明文化
教育委員会の対応 被害届提出/再発防止策を検討中 多くは懲戒解雇+文書公表+制度改定