2025年6月20日、京都市南区の祥栄小学校で、小学3年生の児童7人が体育の授業中に体調不良を訴え、熱中症の疑いで病院に搬送されました。当時の気温は32℃を超え、猛暑日予想の中での授業実施に注目が集まっています。
児童7人が搬送
体育中に体調急変
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京都・小学校で7人搬送 猛暑下の体育授業に疑問の声
京都市南区の市立小学校で、6月20日午前、小学3年生の男女児童計7人が、体育の授業中に体調不良を訴えた。現場の気温はすでに32℃を超えており、熱中症の疑いがもたれている。京都市内ではこの日、最高気温36℃の猛暑日が予想されていた。消防が出動し、児童らは病院に搬送されたが、いずれも命に別状はないという。
■冒頭要約表
なぜ児童は熱中症の疑いで搬送されたのか?
授業の状況と通報内容は?
市立祥栄小学校では、午前11時半ごろ、3年生の児童が体育の授業を受けていた。授業は校庭で行われており、時間帯としては日差しが強く、気温もすでに上昇していたとされる。教員が児童の体調不良に気づき、直ちに119番通報。救急隊の到着後、男子児童3人、女子児童4人が病院に搬送された。
現場に駆けつけた消防によると、いずれの児童も意識ははっきりしており、命に関わるような状態ではなかったという。ただし、児童たちの多くが「気分が悪い」「ふらつく」といった症状を訴えていたことから、熱中症の初期症状である可能性が高いとみられている。
現場の気温と熱中症指数は?
搬送が行われた時間帯、京都市南区の気温は32.4℃を記録していた。さらに同日午後には36℃に達するという予報も出ており、環境省の「暑さ指数(WBGT)」によると、すでに屋外活動は「厳重警戒」段階に入っていた可能性がある。
市の熱中症警戒アラートの発令状況は現在調査中だが、当時の天候からみても、児童にとって過酷な環境であったことは間違いない。京都市教育委員会は「当時の判断と対応について、事実関係を確認中」としている。
✅ 授業実施の判断と保護者側の声
当日の気象庁データでは、午前10時時点ですでに30℃を超えており、WBGTの数値も運動制限の目安を上回っていた。市内では前日にも別の中学校で体調不良者が出ており、学校現場では熱中症対策が急務となっている。
一部の保護者からは「こんな気温で運動させるなんて信じられない」「気温をチェックしていないのか」といった声も上がっている。学校側から保護者への連絡は、搬送後に一斉メールで行われたという。
✅ 他地域の同様事例との比較(熱中症による搬送)
項目 | 京都市南区(本件) | 東京都(2023年) | 愛知県(2024年) |
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搬送児童数 | 7人 | 5人 | 8人 |
気温 | 約32.4℃(予想36℃) | 35.2℃ | 33.7℃ |
授業形態 | 屋外体育 | 校外学習 | 運動会リハーサル |
教職員の対応 | 通報・搬送 | 自家用車で病院へ移送 | 救急通報、教委へ即時報告 |
学校側と消防の対応はどう進んだのか?
教員の通報と消防到着までの流れ
119番通報が入ったのは、6月20日午前11時30分ごろだった。市立祥栄小学校の教員から「3年生の児童9人が気分不良を訴えている」と連絡が入り、消防は直ちに複数の救急車を現地へと派遣した。
この時点で気温はすでに32℃を超えており、京都市内は午前中から厳しい暑さとなっていた。通報後、およそ数分で消防隊が到着し、現地で児童の症状を順に確認した。
対象となったのは3年生の男子児童3人、女子児童4人の合計7人。うち数人は「ぐったりしていた」「歩けない状態だった」と消防が現場確認で証言しており、速やかに病院搬送が決まった。
搬送と保護者への連絡体制
体調不良を訴えた7人の児童はいずれも病院に搬送され、命に別状はないとみられている。消防は熱中症の疑いがあるとして搬送先の医療機関での診断を優先し、保護者への連絡についても教員と連携しながら対応した。
市立祥栄小学校では、搬送が決まった段階で学年主任が保護者に一斉連絡を行い、経緯と状態について説明を始めていた。学校周辺には救急車が集まり、一時騒然とする場面もあったという。
京都市では6月20日を猛暑日とする予報が出ており、最高気温は36℃に達する見込みだった。消防はこのような環境下での運動に関して、屋外活動の制限を改めて呼びかけている。
熱中症対策の運用実態と課題
今回の事案では、「熱中症予防マニュアル」が存在していたか、またその運用が現場で徹底されていたかが今後の検証対象となる。京都市教育委員会は「個々の学校におけるリスク判断は現場に任されている」としたうえで、早急に対応内容の報告を求めている。
市立祥栄小学校では、当日の気温情報を把握しながらも、3年生の体育授業を屋外で実施していた。これに対し、保護者の一部からは「なぜ外での授業を中止できなかったのか」と疑問の声も上がっている。
さらに、学校側は「授業の途中から数人が不調を訴え始めた」と説明しているが、初期段階での対応が搬送の回避につながったかについても検証が求められている。
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「暑さ指数(WBGT)」の活用有無が焦点
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保健室対応や日陰の確保手段の再点検
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学校管理職の即応判断力と情報伝達ルート
熱中症搬送までの経過
授業開始(屋外/午前11時頃)
↓
児童の一部が「頭が痛い」「だるい」などの不調を訴える
↓
教員が教室に引き返し、保健室に連絡
↓
119番通報(午前11時30分)
↓
消防隊到着→児童の状態を確認
↓
男子3人・女子4人が搬送対象と判断される
↓
病院に搬送/保護者に連絡
小学校の運動授業は、子どもたちにとって季節の移り変わりを感じる貴重な場でもある。しかし、地球の暑さはそのリズムさえ飲み込もうとしている。6月の時点で32℃を超える気温が当たり前になったいま、誰が「そろそろ危ない」と言葉にするのか。教師か、校長か、それとも児童自身か。規則はあっても、責任の所在は曖昧なままだ。
🔹学校の熱中症対策は、どこで止まっていたのか?
毎年繰り返される熱中症搬送の報。体調を崩すのは子どもであり、決して責任を負う立場にはいないはずなのに、なぜ「様子を見た」という言葉がここまで多いのか。
対策は講じられていた、と言うだろう。水分補給、休憩、注意喚起。しかし、それが“現場で本当に実行されていたか”には、沈黙がつきまとう。
6月で32℃を超え、子どもが倒れる。この事実は、気候が“異常”になったのではなく、我々の基準が“古くなった”ことを意味しているのではないか。
言い換えれば、「まだ6月だから大丈夫」という感覚こそが、制度の穴なのだ。
真の熱中症対策とは、「いかに早く止めるか」であり、「どこまで頑張らせるか」ではない。次に倒れるのが誰かを想像できない限り、学校現場の風景はこのまま変わらない。
🔹FAQ
🔹まとめ