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近鉄車掌 ダミー端末で遮断袋制度をすり抜け、乗務中にスマホ操作

近鉄の男性車掌が、乗務中に私用スマートフォンを操作していた問題で、遮断袋制度を形式的に回避し、通信機能のない端末を提出していたことが明らかになりました。点呼時の制度運用と実際の行動の乖離が問われる中、近鉄は再発防止に向けた教育・指導を強化するとしています。

 

 

 

近鉄車掌
乗務中にスマホ操作

 

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なぜ近鉄の車掌が処分対象になった?

どこで・いつ発覚したのか?

近畿日本鉄道近鉄)は、2025年6月20日、同社の車掌が乗務中に私用のスマートフォンを操作していたと公表した。対象となったのは31歳の男性車掌で、社内調査によって2020年12月ごろから2025年6月17日までの約4年半にわたり、不適切な使用が継続されていたことが明らかになった。

今回の問題が発覚したのは、2025年6月19日。この男性車掌が、私用スマートフォンを入れた私物袋を詰め所に置き忘れたことが発端となった。袋の中身を確認した上司が、収納すべき専用の電波遮断袋にスマホが収められていなかったことに気づき、調査に至ったという。

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違反の手口と使用状況は?

近鉄では2022年4月から、乗務員のスマートフォン使用を管理するための制度として、「出勤時に私用スマホを電波遮断袋に入れ、鍵をかけたうえで保管し、休憩時のみ使用可」とする運用が開始されている。しかし男性車掌はこの制度を意図的に回避していた。

具体的には、通信機能のない“ダミー”端末を遮断袋に入れ、本来使用していたスマートフォンは別の私物袋に収納し、乗務員室内で操作を続けていた。社内の最新の調査では、2025年5月10日から6月17日の約1か月間で、14回の操作が確認されている。内容はLINEやメッセージの送受信、ウェブ検索など多岐にわたるとされている。

運用ルールとそのすり抜け方 

近鉄では、全乗務員を対象にスマートフォンの管理制度が導入されている。出勤時の点呼で遮断袋にスマホを収納し、施錠した上で日中は開封せず、休憩時間のみの使用を許可する仕組みだ。電車の安全運行を確保するために、運転士・車掌問わず、業務中のスマートフォン使用を厳格に制限している。

しかし今回の車掌は、こうした制度の存在を把握したうえで、自らのスマートフォンを直接遮断袋に入れる代わりに、使用しないダミー端末を点呼で提出し、実際のスマホは持ち歩いて乗務中に操作していた。制度の意図を熟知しつつ、規定を形だけ満たすよう偽装していたとされる。

  • ダミー端末使用は故意性が高いとされている

  • 通信機能付きスマホは業務中にも操作していた

  • 点呼時の管理手法に課題があると指摘されている 

このような不正は、制度の形骸化やチェック体制の緩みを浮き彫りにしており、近鉄は現在、再発防止策として全乗務員への指導強化を進めている。男性車掌の処分については「検討中」としており、最終的な対応は今後発表される見通し。

車掌の不正操作に制度はどう対応していた?

遮断袋制度は機能していたのか?

近鉄が導入していた「遮断袋制度」は、乗務員が業務中に私用スマートフォンを使用することを防ぐための内部管理ルールである。出勤時の点呼でスマートフォンを専用の電波遮断袋に収納し、施錠して保管する。袋の開封は休憩時間などの限られた場面に限定されていた。

しかし、今回の事案では、この制度の運用が形式的になっていた実態が浮かび上がった。車掌は制度に対応する“通信機能のないスマホ”を用意しており、それを遮断袋に入れることで形式的な提出義務を果たしつつ、本物のスマートフォンを私物袋に入れて業務中に操作していた。制度が存在していても、それを確認・検証する工程が欠如していた。

近鉄の再発防止策と残された課題は?

近鉄は再発防止策として「全乗務員に対する教育・指導を徹底する」と表明しているが、制度を形骸化させずに機能させるための監視体制強化や点呼時のチェック手法の見直しも課題となっている。

また、スマートフォンの多機能化により、業務中の私用端末操作のリスクは以前よりも増大している。個人所有の端末を完全に管理することの限界も指摘されており、鉄道会社側の管理体制と乗務員のモラル意識の両立が求められる場面となった。

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業務リスクと安全意識の乖離

運転安全とモラルの接点はどこにあるか

  • 私用スマホ操作によって列車の運行に直接の支障はなかったとされるが、万一の事故リスクを想定した場合、業務中の注意散漫が重大事故につながる可能性も排除できない。

  • 「遮断袋制度」は、形式的に守られていても中身のチェックがなされていなければ、その実効性は保証されない。

  • 鉄道業界では、形式遵守と現場の行動との間に乖離が生まれるケースがあり、今回の事例はその象徴ともいえる。

遮断袋制度をすり抜けた不正の手順

出勤前に私用スマホを携帯

出勤時点呼で通信機能のないスマホを遮断袋へ収納・施錠

私用スマホは別の私物袋に入れて持ち込み

列車乗務中に乗務員室内で私用スマホを操作

私物袋を詰め所に忘れたことで不審物として発見

社内調査で遮断袋制度の形骸化が判明

近鉄が制度違反を認定し、再発防止を表明

区分 要点
🔹 前半の要点 男性車掌は2020年から業務中に私用スマホを操作していた。遮断袋制度の趣旨を回避し、通信機能のないスマホで形式を整えていた。
🔸 後半の注目点 制度運用の形骸化が課題。再発防止策は示されたが、点呼時の抜け道や確認手順の限界が残る。

制度は存在していた。点呼もされていた。遮断袋もあった──それでも防げなかったのはなぜか?

“チェックされないルール”に意味はあるのか。形式と実態のズレを、誰が正せるのか。

現場の制度と人間のすきまに、誰が目を配れるか?

遮断袋の中に、空白があった

ルールは作られ、仕組みは整う。だが、それを運用するのは人間だ。

遮断袋がある。点呼もある。鍵もかける。すべて形式通りだ。
だが、それが“空の儀式”と化したとき、制度の正当性は、誰が証明できるのか。

私用スマホの使用は、小さな裏技のように感じるかもしれない。だが、その小さな逸脱が、組織の信頼構造を崩す引き金になる。

「見ていないからいい」「誰も気づかないから大丈夫」
そう思った瞬間、鉄道という緊張の連続で成り立つ世界に、ヒビが入る。

❓FAQ

Q:不正なスマホ操作はいつから続いていましたか?
A:近鉄の調査によると、2020年12月ごろから2025年6月17日まで、乗務中の操作が継続されていたとされています。

Q:遮断袋制度とはどのような仕組みですか?
A:出勤時の点呼で私用スマートフォンを電波遮断袋に入れて施錠し、休憩時など限定された場面以外での使用を禁止する制度です。

Q:なぜ点呼時に不正が見抜けなかったのですか?
A:当該車掌は、通信機能のない別のスマートフォンを遮断袋に入れて形式的に提出していたため、実際の私用端末が確認されませんでした。

Q:今回の不正行為はどのように発覚しましたか?
A:2025年6月19日、私物袋を詰め所に忘れたことで私用スマートフォンの存在が露見し、制度違反が発覚しました。

Q:この行為に対する処分は決まっていますか?
A:近鉄は処分を検討中であり、具体的な懲戒内容については現時点で「調査中」としています。

区分 内容
事件概要 男性車掌が2020年から私用スマホを業務中に操作していた。ダミー端末を遮断袋に入れ、本物は私物袋で所持。
制度構造 遮断袋制度は形式として存在。点呼・施錠も規定されていたが、実質的な確認工程がなかった。
発覚経緯 私物袋を詰め所に忘れたことで上司が発見し、公表に至った。
課題と対応 制度の形骸化、点呼時のチェック方法の限界、再発防止策と意識改革の必要性。

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