フィギュアスケートの樋口新葉が、2025-26年シーズン限りで現役引退すると明言。集大成となる新SP「My Way」に競技人生の想いを込め、「五輪が目標というより、1戦1戦を全力で」と語った。休養を経て復帰し、世界選手権6位を果たした今、リンクに立つ理由は明確だった。
フィギュア樋口新葉
引退と五輪を見据えた挑戦
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樋口新葉選手が、2025-26年シーズンを最後に現役を退く意向を明らかにした。演技後の取材で「来季で引退しようと決めて臨んでいる」と語り、五輪を目標に掲げつつも、1試合ごとに全力を尽くす姿勢を示した。
樋口新葉・引退の意向と競技人生
見出し | 要点(1文) |
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引退発表の舞台 | DOI初日で明確な意思表明を行った |
使用曲「My Way」 | 自身の競技人生を象徴する楽曲として選曲 |
昨季の実績 | 全日本3位・世界選手権6位と結果を残した |
今後の視点 | 一戦ごとに覚悟を込める競技スタンスに切り替えている |
なぜ今シーズンで区切る決意に至ったのか?
引退表明の場と発言内容
2025年6月、神奈川県のKOSE新横浜スケートセンターで開幕した「ドリーム・オン・アイス(DOI)」の初日において、樋口新葉選手は演技後の囲み取材で「来季で競技を終える」と明言した。
「五輪を目指すというよりも、1戦1戦が最後だと思って滑る」と述べ、その口調にはすでに覚悟がにじんでいた。
使用楽曲と競技人生のリンク
この日、新しいショートプログラムとして披露されたのは「My Way」。
「スケート人生を表すプログラム」と自身で説明したように、この選曲には、表現者としての到達点と、静かなる別れへの準備が重ねられていた。
冒頭から終盤まで、リンクの中での所作は極めて落ち着きがあり、その動きひとつひとつに競技人生の歩みが織り込まれているようだった。
🔸復帰を決めた背景と気持ちの変化
2022年の北京五輪を終えた直後、樋口選手は22-23年シーズン後半の大会をすべて欠場し、長期の休養に入っていた。
心身の整理と、競技への向き合い直しが必要だったと語られているが、復帰を決意したのは翌年の終わり。全日本選手権では12位にとどまったが、演技中の集中力やフィニッシュ後の表情からは、再出発への強い意志が感じ取られた。
復帰後の2024-25年シーズン、彼女は全日本選手権3位と躍進し、世界選手権の出場権を獲得。あらためて結果に向き合うことの意味と、その過程でしか得られない充実感の大きさに気付かされたと、複数の場面で振り返っていた。
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22-23年は試合出場ゼロで完全休養に充てた
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復帰のきっかけは「納得できる形で終えたい」という内的動機
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全国大会12位から翌年3位への復活は、成績以上の意味を持っていた
🔸引退前後のスタンスと成果
要素 | 22年五輪直後 | 24-25年シーズン |
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競技活動 | 長期休養・欠場 | 本格復帰で世界大会出場 |
メンタル面 | 不安と葛藤 | 一戦集中の覚悟に切り替え |
成績面 | 出場なし | 全日本3位/世界選手権6位 |
どのような反応と変化が現れているか?
今季の動向と周囲の受け止め
復帰2年目となる2024-25年シーズンで、樋口新葉選手は全日本選手権で3位に入り、代表として世界選手権にも出場。日本女子勢の中で唯一、トップ6に食い込む滑りを見せ、存在感を再び示した。
ジャンプ構成の安定感や表現力の深化は、経験値の蓄積と日々の調整の成果とされ、関係者や観客からは「成熟した演技」と評価される機会が増えていた。
五輪への道と本人のスタンス
引退を意識しながら迎える2025-26年シーズンについて、本人は「五輪を目標にするというより、その時にベストを尽くすことを大切にしたい」と語った。
この言葉の中には、目標だけを追いかけていた過去との距離と、自身が積み上げてきた競技人生への納得がにじんでいた。
「結果のためではなく、試合そのものに価値を感じている」という姿勢が、彼女を次のステージへと向かわせている。
🔸周囲の見方と「ばっちょ」の軸
樋口選手はその力強い滑りから「ばっちょ」の愛称で親しまれ、長年にわたり注目されてきた。
ジャンプで大技トリプルアクセルを武器とする数少ない女子選手として、その技術の高さと気迫のある演技で多くの支持を得ている。
近年は表現面にも深みが増し、今回のSP「My Way」では、人生そのものを投影するような重層的な演技を見せた。
観客の拍手の質も変化しつつあり、結果ではなく存在そのものを称えるような空気が、会場にはあった。
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「ばっちょ」として多くのファンに親しまれてきた
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技術と感情表現の両立が近年の特徴とされる
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「My Way」は競技人生の集約として位置づけられている
見出し | 要点(1文) |
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成績の復調 | 世界選手権6位で代表復帰を果たした |
精神的変化 | 結果よりも「演じる価値」に比重を置いている |
周囲の声 | 技術+表現の両面で評価が高まっている |
残りの時間 | 最後の1年を自分のペースで歩む準備をしている |
🔁 決断から五輪シーズンへ
① 引退の決意を固める
→ ② DOIで明言し、SP「My Way」を披露
→ ③ 全日本選手権3位で代表復帰
→ ④ 世界選手権6位で存在感を再証明
→ ⑤ 来季、最後のシーズンへ向かう
競技を通して未来を選び続けてきた人が、自ら締めくくりの地点を定める。その姿に接する観客は、応援という行為の意味を改めて問われているようにも感じられる。引退という言葉の重みが、見届ける側の覚悟も揺さぶっていた。
競技人生の締めくくりと未来への橋渡し
引退という決断は、終わらせるためだけに選ばれるものではない。
樋口新葉選手は「五輪を目標に」と口にしながらも、その実、毎回の演技を自らの価値として捉える姿勢を強めていた。
スケートの中で生きてきた時間を、言葉ではなく動きで刻み続ける在り方が、観る者の記憶に残っていた。
その静かな移行は、競技を生き抜いた者だけが示せる出口のひとつとして語られ続けている。
❓ FAQ
Q1:なぜこのタイミングで引退を明言したの?
A1:「集大成となるシーズンを自覚して臨みたい」との思いから、アイスショー初日に公にした。
Q2:「My Way」の選曲は本人の希望?
A2:はい。本人が「スケート人生を象徴する曲」として選び、SPに使用している。
Q3:北京五輪団体の“銀”は正式確定?
A3:報道上は「銀」として扱われているが、公式な順位確定については調査中。
Q4:トリプルアクセルはいつ成功した?
A4:2022年北京五輪で成功し、日本女子選手として史上5人目の記録を持つ。
Q5:引退後の活動予定は?
A5:現時点では調査中。進路は本人の意思と状況により今後決定される見通し。
✅ まとめ
見出し | 要点(1文) |
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引退の表明 | 「来季限りで競技生活を終える」と明言した |
集大成のSP | 「My Way」に競技人生を重ねた演技を披露 |
復帰後の実績 | 全日本3位・世界6位と代表枠に返り咲いた |
最後の挑戦 | 五輪ではなく「1試合ずつ」に焦点を置いた覚悟があった |