化粧品ブランドSHIROは、香りを抑えた製品設計と性別を問わない使いやすさで注目を集めています。特に「サボン」は男女ともに支持され、初心者でも手に取りやすい香りとして人気です。北海道砂川市には年間30万人以上が訪れる観光型工場「みんなの工場」があり、ブレンド体験や製造見学を通じてブランドの世界観を体感できます。製品だけでなく、体験と地域との関係づくりがSHIROの魅力となっています。

30万人が訪れる香りの工房
SHIROの香り体験

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香りの強さを抑えた親しみやすいフレグランスと、誰もが立ち寄れる観光工場。化粧品ブランド「SHIRO」は、北海道砂川市に開いた開放型の工場施設を通じて、製品そのものだけでなく“つくる過程”も届け続けている。ブランド立ち上げから16年、変化に挑む姿勢と手ざわりのある体験づくりが、幅広い層の支持につながっていた。

項目	内容
主な焦点	SHIROのフレグランス人気と工場見学型の取り組み
来訪者数	北海道・砂川の工場に年間約30万人が来訪
顧客層	女性だけでなく男性や初心者層にも拡大中
ブランド戦略	リブランディング、廃棄ゼロ店舗、体験型施設での差別化

香りとプロダクトから支持を広げたSHIROの強み

SHIROが人気を獲得してきた背景には、「香り」の扱いに対する独自の工夫があった。特に売上の過半数を占めるのがフレグランス製品であり、その中心となっているのが「サボン」や「ホワイトティー」などの定番アイテムである。

これらは香りの強さが控えめに設計され、仕事場や学校、公共空間でも使いやすいよう配慮されている。結果として、香水に馴染みのなかった層や男性ユーザーも安心して取り入れやすくなっていた。

実際、SHIROの一部店舗では、購入者の約3割が男性というデータもある。性別や年代を超えて支持を集めることで、リピーターの幅も広がっている。香りの押し出しではなく、“なじませる”という視点が多くの生活者に共感されていた。

国内のフレグランス市場は、2024年には前年比約15％の成長を記録した。このなかでSHIROは、香りだけに留まらず“生活に寄り添う選択肢”として定着しつつある。

他社のフレグランスブランドが強い香調や限定性を軸に展開する中、SHIROは“誰でも使える”“香りの苦手な人でもなじめる”という方向性を貫いていた。その柔軟な設計が百貨店の売場でも評価を受け、取り扱い店舗の拡大につながっている。

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SHIROと他ブランドの香り訴求スタイル

比較項目	SHIRO	他ブランド（例）
香りの強度	控えめでナチュラル	強め・特徴的な香調
主な購入層	男女問わず／10～60代	20～40代女性が中心
店舗体験	ブレンダーラボ／混香体験あり	陳列とタッチアップのみ
ブランド姿勢	天然成分／廃棄ゼロ志向	高級感／限定性重視

観光型ものづくり拠点「みんなの工場」の引力

SHIROの人気を支えるもう一つの軸は、北海道砂川市に構える「みんなの工場」である。2023年に開業したこの施設は、製品の製造拠点であると同時に、来訪者が香りを体験できる観光的な要素も備えている。

工場の中はガラス張りで、研究や調合などの工程が外から見えるようになっている。ショップやカフェ、キッズスペースも併設され、香りを自分でブレンドできる「ブレンダーラボ」が人気を集めていた。

このような施設設計は、単なる製造拠点ではなく、地域との接点や“職業観”の入り口としても機能していた。来場者は年間30万人にのぼり、その約6割が道外から訪れている。

SHIROは、かつてOEMを主軸としていた時代から一転し、「誰が作っているか」「どこで生まれているか」を大切にするブランドへと変化してきた。

砂川の観光型工場はその象徴ともいえる。来場者が実際の製造現場を目にすることで、香りや製品に対する理解が深まるだけでなく、地域の価値や職人の技術への関心も高まっていく。

さらに、SHIROの姿勢として重要なのは「排除しない」という考え方である。市民・設計者・企業がともに“開かれた場所”を目指すことで、企業活動とまちづくりが結びついていた。

視点カテゴリ	主な内容
製品設計の工夫	ナチュラルな香り設計／性別問わず使用しやすい
顧客との距離感	D2C中心／店舗と体験に重点／男性購入比率の高さ
地域との接点	工場を観光資源化／職業観形成／市民参加型プロジェクト

香りが苦手だった私が、SHIROの「サボン」を試したのは偶然だった。強くもなく、甘くもなく、でもふとしたときに自分だけが感じ取れる。そんな香りに、気づいたら惹かれていた。

店のスタッフが「性別問わず人気なんですよ」と笑ったのを覚えている。気負わない雰囲気の中で、自分のペースで試せる空間だった。工場見学では、真剣な顔で調合する人たちの姿が、ガラス越しに見えた。誰かの手で丁寧に作られているのを知ると、香りの感じ方も変わっていった。

北海道の小さな町にあるその場所で、香りと向き合う時間が静かに流れていた。

kicks-blog.com

【SHIRO人気の体験型展開】

[SHIROブランドの成長]
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[香り・スキンケア製品の人気拡大]
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[フレグランス体験を重視]
↓
[観光型工場「みんなの工場」開業]
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[来場者30万人超・ブレンダーラボ体験]
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[地域との協働／まちづくり連携]

「体験」が購買行動を変えるという判断

商品スペックや見た目の魅力だけでは、香りの世界は広がらない。SHIROが提示したのは、「つくる人の姿」や「混ぜる手の感覚」までも含めた、実感に近い価値だった。

北海道・砂川の「みんなの工場」でそれを体験した人たちは、ガラス越しに製造工程を見ながら、自分だけの香りをつくる。それは「買う」という行為を「共につくる」感覚へ変えていく。ブランドへの信頼が、見えない手の動きや空間の空気からも醸成されていく。

リピーターの行動を後押ししているのは、この体験の記憶なのかもしれない。

❓FAQ

Q1. SHIROの人気フレグランスはどれですか？
A1. 定番の「サボン」は男女ともに人気が高く、初心者にも使いやすい香りとされています。

Q2. 「みんなの工場」では何が体験できますか？
A2. ガラス越しに製造工程を見学できるほか、自分好みに香りをブレンドする体験が可能です。

Q3. SHIROの店舗はどこにありますか？
A3. 国内は都市部を中心に28店舗、海外には韓国・台湾・英国に1店舗ずつあります（2025年6月時点）。

Q4. 北海道砂川市のアクセス方法は？
A4. 札幌から函館本線特急で約50分、砂川駅からクルマで約10分の距離です。無料シャトルバスも運行されています。

Q5. SHIROは上場を目指していますか？
A5. 現時点で上場予定はなく、「世の中をしあわせにする」という理念を重視した運営が行われています。

項目カテゴリ	内容の要約
商品力	香りが強すぎず初心者も使いやすい／ナチュラル素材を使用
顧客接点	D2C販売／香り体験型店舗／男性にも支持
地域との関係	北海道砂川に観光型工場／体験を通じた価値提供
海外展開	韓国など体験重視エリアへ出店／限定商品とローカル施策が好調