岐阜県大垣市で、通報対応中に52歳の男が警察車両を操作して逃走する事案が発生。家族の通報を受けて警察官2名が出動したが、容疑者は現場近くに止められていた無施錠・エンジン作動中のパトカーを使用し、約2キロ逃走。約10分後に別の隊員により現場近くで発見され、その場で確保された。今回の事案をもとに、警察対応の流れ、現場判断の盲点、再発防止の取組を整理する。
逃走中の男が
パトカーを操作
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29日朝、岐阜県大垣市で警察の捜索対象となっていた52歳の男が、警察車両を操作して逃走する事案が発生した。容疑者は山中に逃げ込んだ後、無施錠でエンジンがかかったままのパトカーを見つけ、そのまま乗り込み走行。通報からわずか10分ほどで現場近くにて発見され、緊急逮捕された。
🔶要約表
見出し | 要点 |
---|---|
通報のきっかけ | 家族から「兄が暴れている」と通報 |
逃走の経緯 | 徒歩で山中に逃走し捜索が続いていた |
車両の操作 | 無施錠のパトカーに乗り込み走行した |
早期確保 | 約10分後に現場付近で身柄を確保 |
何が起きたのか?
早朝の通報と初動対応
29日午前5時50分、大垣市上石津町で「兄が暴れている」との通報が入り、養老警察署の警察官2名が現場へ急行した。警察官が到着した時には、対象の男はすでにその場から姿を消しており、徒歩で山林方面へ向かったと見られていた。その後、警察官らは車両で周辺の捜索を始め、3時間ほど経過した午前8時半頃、山間部で容疑者とみられる男を視認した。
車両の盲点とその後の動き
容疑者は藪の中に再び逃げ込み、警察官は一時的にその姿を見失っていた。その直後、警察が路上に停車させていたエンジン始動中のパトカーが操作され、移動を開始。無施錠だった車両に容疑者が乗り込んで走行したとされている。付近を巡回していた警察官がこれを認識し、10分後の午前8時40分ごろ、道路脇で停止していた車両と容疑者を発見。現場で身柄を確保した。
警察官の追跡と容疑者の動き
発見された時点で容疑者は山中の藪地帯に潜んでいた。警察官は至近距離でその姿を確認したが、視界の悪さと地形の複雑さにより追跡は難航。隊員らは周囲の捜索を優先し、その間に容疑者は道路方向へと戻っていた。
◼︎車両の操作と確保までの流れ
その直後、エンジンをかけたまま無施錠で停車していたパトカーが移動を始めた。運転席に乗っていたのは先ほど見失った男であり、すれ違った警察車両の隊員が方向を特定。約10分後、別の巡回中の隊員が路上でパトカーと男を発見し、その場で確保に至っていた。
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パトカーは本来、停車時にエンジン停止・施錠が定められていた
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容疑者は山林から自力で舗装路に移動し、車両へ先回りしたとされる
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呼気に酒気を帯びていた可能性があり、本人も行動を認めている
📊類似の車両操作事案との対比
観点 | 今回の事案(養老署) | 参考事案(都内2022年) |
---|---|---|
発生の契機 | 家族通報による初動対応 | 職務質問からの急な逃走 |
車両の状態 | エンジン始動・無施錠 | 施錠済み・警官が同乗していた |
操作対象 | パトカー(警察業務用) | 白バイ(警官1名が乗車中) |
移動距離 | 約2km | 約800m |
再発見までの時間 | 約10分で現場周辺にて確保 | 約15分後に追跡先で制止 |
事後の扱い | 巡回時の施錠徹底を強化 | 鍵保持義務と単独行動の見直しへ |
どのような影響と対応があったのか?
地域警備の再確認と巡回の再構成
事件発生後、現場周辺では一時的に通行規制と重点巡回が実施されていた。警察側は通報から10分程度で容疑者を確保したが、その間の地域警備に一定の緊張が走っていた。捜索中の通報ルートや立ち入り状況を精査した結果、複数地点で隊員同士の連携が不十分だったことが確認され、当日の対応計画そのものが再点検の対象となっていた。
車両扱いの見直しと操作リスクの共有
パトカーに関しては、停車中であってもエンジンを切り、施錠を徹底することが原則とされている。今回の事案では、現場隊員が再追跡に備えエンジンを作動させたまま現場を離れたことが明らかになっている。これにより容疑者が車両に接触できる状況が生まれており、今後は緊急対応中であっても施錠を欠かさないよう、指導と確認作業が追加されていた。現場での判断が優先された結果、操作リスクの抜け穴が生じた構図が残っていた。
どのような影響と対応があったのか?
地域警備の再確認と巡回の再構成
事件発生後、現場周辺では一時的に通行規制と重点巡回が実施されていた。警察側は通報から10分程度で容疑者を確保したが、その間の地域警備に一定の緊張が走っていた。捜索中の通報ルートや立ち入り状況を精査した結果、複数地点で隊員同士の連携が不十分だったことが確認され、当日の対応計画そのものが再点検の対象となっていた。
車両扱いの見直しと操作リスクの共有
パトカーに関しては、停車中であってもエンジンを切り、施錠を徹底することが原則とされている。今回の事案では、現場隊員が再追跡に備えエンジンを作動させたまま現場を離れたことが明らかになっている。これにより容疑者が車両に接触できる状況が生まれており、今後は緊急対応中であっても施錠を欠かさないよう、指導と確認作業が追加されていた。現場での判断が優先された結果、操作リスクの抜け穴が生じた構図が残っていた。
現場判断と装備管理のバランス
今回の対応では、目視による追跡が優先される中で、車両の管理が後手に回った印象が否めなかった。現場での迅速な判断が求められる一方で、装備品や車両の扱いについては冷静な確認作業も必要とされている。緊張感の高まる場面でも、操作対象となり得る機材には常に第三者の目線を重ねる体制が必要とされていた。
◼︎再発防止策と現場支援のあり方
事件を受けて、地域の警察署では鍵管理や隊員間の再確認ルールの点検が進んでいる。状況の把握と隊員間の共有が不十分だった場合、結果として外部からの接触を許すことになる。現場の人員が少ない場面でも、装備の扱いと移動判断を分担する仕組みが求められていた。
項目 | 内容 |
---|---|
発生日時 | 6月29日午前5時50分〜8時40分 |
初動対応 | 家族からの通報により2名で現地捜索を開始 |
車両の状態 | 無施錠・エンジン始動中で停車していた |
再発防止対応 | 鍵管理の再徹底と巡回時の動作手順の再確認 |
誰かの軽い行動が、誰かの準備を無効にしてしまうことがある。あのとき鍵を回していたら、誰かが一歩先に止まっていたら、こんな結末にはならなかったのかもしれない。操作されたのは車ではなく、注意と判断の隙間だったのだと考えれば、その距離は思った以上に近く感じられる。
🔁事件当日の流れ
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家族からの通報(午前5時50分)
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警察官2名が現場で捜索 → 容疑者発見(午前8時30分)
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容疑者が無施錠のパトカーを操作(8時30分台)
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道路上で発見 → 現地で確保(午前8時40分)
❓FAQ
Q1. この事件はどのように始まった?
→ 家族からの通報により、警察が現場に駆けつけたのが始まりでした。
Q2. 容疑者はなぜ車両に乗れたのか?
→ 無施錠かつエンジンがかかったまま停車していたパトカーが近くにあったためです。
Q3. 車両はどれくらいの距離を移動したのか?
→ 約2キロメートルの区間を走行したと確認されています。
Q4. 警察はどのような対策をとった?
→ 鍵の管理や停車時の施錠確認を全隊員に再周知しています。
Q5. 容疑者はどこで発見された?
→ 操作したパトカーの停止位置から数メートル離れた路上で確認されました。
✅警察車両が操作された逃走事案の流れと対応