全国の路線価ランキングが公表され、最高額は銀座・鳩居堂前の1㎡あたり4808万円、上昇率トップは白馬村となりました。相続税評価の指標となる路線価は、観光再開や別荘投資の活発化を背景に地方で上昇が目立つ一方、地震被災地では下落が記録されています。
銀座が40年連続トップ
路線価2025
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白馬村が上昇率1位、輪島は地震で下落
白馬村が全国トップの上昇率を記録していた
国税庁は2025年7月1日、相続税などの課税基準となる路線価を発表した。全国平均は前年比で+2.7%となり、4年連続の上昇が確認されていた。
上昇率で最も高かったのは、長野県白馬村の観光エリアで、1㎡あたりの価格は4万9000円に達し、前年比32.4%の上昇となっていた。
このほか、北海道富良野市北の峰町や東京都浅草雷門通りでも大幅な上昇が見られており、観光地や別荘地を中心とした地価の上昇傾向が続いていた。
急上昇地域に共通する要因が残っていた
上昇率上位には、白馬・富良野・浅草など、インバウンド需要や再開発の進行が関与する地域が集中していた。
いずれの地域も、交通アクセスの改善や新規ホテルの建設が進められており、訪日観光客の滞在傾向が長期化していた記録が残っていた。
路線価の制度的役割と税務影響
路線価は、相続税や贈与税の算定に用いられる評価基準として毎年設定されている。発表は国税庁が担当し、各税務署ごとに最高地点が定められていた。
評価額は、公示地価の約8割を目安としつつ、現実の取引価格との差が生じることもあるが、制度上は課税処理の根拠として一貫して運用されていた。
今回の上昇率上位に見られたように、観光需要の高まりが局地的な路線価の変動に影響を及ぼしていた点は、税務実務上の判断にも反映されていた。
上昇率と金額の全国対比
比較の結果、地方観光地では相対的に上昇率が高く、都心部では金額自体は高いが、変動率は安定していた記録が見られていた。
地震被害が路線価に与えた影響が記録されていた
2024年1月に発生した能登半島地震の影響により、石川県輪島市の中心商業地「朝市通り」の路線価は前年比でマイナス16.7%と大きく下落していた。
この地域では観光客の急減やインフラの復旧遅れが重なり、評価基準となる取引事例が大幅に減少していた。
地震後の建物倒壊や商店の休業が長期化し、現地税務署に提出された評価データにも下落傾向が顕著に反映されていた。
地震直後の市場変動と税務評価の関係
輪島市朝市通りにおける評価下落は、物理的被害に加え、観光需要の減退が長期化したことが起因していた。
現場での営業再開は一部にとどまり、課税評価の対象とされる取引が大幅に減っていた時期が確認されていた。
そのため、税務評価の時点で反映された価格は災害前水準とはかけ離れており、急落として記録されていた。
評価基準の変化と復旧の時間差
輪島市朝市通りでは、被害の程度が店舗ごとに異なり、評価基準に用いる実勢データの確保も困難になっていた。
特に営業停止期間が長引いた区画では、価格回復の兆候が記録基準日に間に合わず、下落評価として定着していた。
結果として、評価時点の判断と現地の復旧状況に時間差が生じ、それが地価としての記録に影響が残っていた。
路線価下落に至る評価の流れ
① 地震発生と物理被害(2024年1月)
輪島市朝市通りでは多数の建物に倒壊や損壊が発生していた。
↓
② 観光需要の消失と取引停滞
観光客数の激減と営業停止が重なり、実勢価格の取引事例が激減していた。
↓
③ 評価基準値の反映と地価下落
税務評価の算定時点で市場価格の回復が見られず、大幅な下落として記録されていた。
FAQ
Q:2025年の路線価はいつ発表された?
A:7月1日に国税庁が公表していた。
Q:上昇率1位はどこ?
A:長野県白馬村で前年比32.4%の上昇だった。
Q:銀座の鳩居堂前の路線価は?
A:1㎡あたり4808万円で、全国最高額だった。
Q:地震の影響を受けた地域は?
A:石川県輪島市の朝市通りが-16.7%と最も下落していた。
Q:路線価は何のために使われる?
A:相続税や贈与税の課税評価基準として使われていた。
まとめ
2025年の路線価は、観光回復の恩恵と災害の影響が対照的に現れていた。
白馬や富良野では別荘需要の高まりが価格を押し上げていた一方で、能登地域では地震による評価の下落が続いていた。
特に輪島市では実取引の停滞が税務評価に直接反映され、評価時点の乖離が大きかったことが地価下落の要因として記録されていた。