高知県四万十市の温泉施設敷地内で、樹木11本がドリルで穴を開けられて枯死していたことが発覚。市が被害届を提出し、警察が器物損壊事件として捜査を進めている。被害額は43万5000円に上っており、市は倒木の危険を考慮して伐採も検討していた。安全確保と観光施設の保全が焦点となっていた。
温泉施設の樹木が枯死
ドリルで穴、43万円被害
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四万十市の「いやしの里」と「四万十の宿」で、幹に穴を開けられた樹木が枯死し、被害額は43万5000円と見積もられていた。市は9本分の被害届を提出し、警察が器物損壊容疑で捜査を継続中。安全管理上、倒木の可能性がある木については伐採を含めた対応方針が共有されていた。
項目 | 内容 |
---|---|
発覚時期 | 2025年4月、市職員が現地で確認していた |
被害施設 | 四万十いやしの里/四万十の宿 |
被害概要 | 敷地内の樹木11本に穴を開けられて枯死 |
被害金額 | 43万5000円(市の申告) |
加害者 | 特定されておらず、捜査は継続中 |
市の対応 | 倒木リスクのある木は伐採を検討していた |
四万十の温泉施設で樹木11本が枯死していた状況
高知県四万十市下田にある温泉施設「四万十いやしの里」および「四万十の宿」の敷地内で、樹木の異常が確認されていた。
市の観光商工課によると、複数の木に葉がついておらず、明らかに枯れた状態が見られたという。
現地調査の結果、11本の木の幹に直径5センチほどの穴が開けられており、そのうち9本は四万十市が管理するものであることが判明していた。
モミジやハマボウといった樹種が含まれており、観光施設の景観の一部を構成していた木々だった。
被害届は市が提出しており、警察は器物損壊事件として捜査を開始していた。
犯行の方法については、穴の中に薬剤を注入し、木を枯れさせた可能性があると市は見ていた。
被害の届出は市が行い、捜査は継続
被害を確認したのは、市職員が施設の管理状況を点検していた際のことで、葉が落ちたままの状態の木が不自然に並んでいたという。
近接する木と比べても明らかな違いがあり、市は現地を確認した後、警察に相談していた。
調査では、幹の穴が人工的な加工である可能性が高く、内部に注入された薬剤によって枯死したと判断された。
この判断に基づき、市観光商工課は器物損壊として9本分の被害届を提出し、警察は現場検証に入っていた。
被害樹木の種別と届出内容が明記
被害が確認されたのは、主にモミジとハマボウとみられる樹木で、いずれも施設内の駐車場や歩道沿いに植えられていた。
四万十市が管理している9本に関しては、発見当日のうちに被害状況が整理され、届出に必要な写真や位置情報も記録に含まれていた。
ドリルで開けられたとみられる穴の大きさは、おおむね直径5センチ前後で統一されており、一本ずつに複数の穴が存在していた。
四万十市は、これらの物的証拠をもとに被害届を提出し、被害額を43万5000円と算出していた。
枯死した木と健全な木の葉量や状態に差
比較項目 | 被害樹木(11本) | 隣接する健全樹木(参考群) |
---|---|---|
葉の有無 | ほぼ全て落葉状態 | 緑葉が繁っていた |
幹の状態 | 穴が多数開けられていた | 加工跡はなかった |
枯死の進行 | 全体的に進行していた | 変化は見られていなかった |
被害樹木は、隣接する健全な木々と比べて、目視で明らかに状態が異なっていた。
特に葉の欠落と幹の加工跡は顕著であり、市が現場を記録した映像にもその違いが映されていた。
市が対応方針を明示し、警察が捜査を継続していた
市観光商工課は「観光施設を安心して利用してもらう場所でこのようなことが起きたのは非常に残念」とのコメントを出していた。
また、枯死した木が倒木の危険を伴う可能性を踏まえ、速やかに伐採を検討する方針を明らかにしていた。
四万十市が管理する9本については、既に詳細な位置・状態が確認されており、今後の園地整備計画の一環として処理対象に含まれる見通しとなっていた。
一方で、残る2本は民有地か施設管理者の責任下にある可能性があり、現時点で行政の権限による対応対象ではなかった。
警察はこれまでに、敷地全体の聞き取りと現場写真の収集を進めており、穴の開け方や使用された器具の特定に向けた技術的な検証が続いていた。
被害届提出以降、市は安全確保を最優先にしていた
市は枯死の進行状況と施設利用者への安全配慮を両立させる必要があると判断し、倒木リスクのある木の選定作業を内部で進めていた。
伐採に至る前に周辺利用状況を再確認し、混雑時でも動線を確保できるかが重点的に検討されていた。
その上で、施設の来訪者数が多い週末や観光シーズンに対応を集中させる計画が構想されており、今後の整備作業に反映される見込みであった。
全体の対応方針は既に庁内で共有されており、関係課との調整文書にも具体的な手順が記されていた。
安全配慮の判断は、観光地としての特性にも関係していた
観光施設としての「四万十の宿」や「いやしの里」では、宿泊客だけでなく日帰り利用者も多く、駐車場や歩道の木々は景観と安全の両立が求められていた。
そのため、市は倒木の危険だけでなく、「目視による不安感の回避」も配慮対象として判断材料に含めていた。
被害に遭った木々が入り口付近に多く集中していたことで、通行動線と植栽管理の重複区域に再設計の必要が浮上していた。
このような視点は、単に樹木を取り除くという措置以上に、「公共性と安心感を両立させる対応」が必要だとする行政判断の反映となっていた。
枯死確認から通報・届出・捜査開始までの流れ
① 枯死の発見(2025年4月)
施設職員と市職員が、葉が落ちている樹木を複数確認していた。
↓
② 現場調査と被害届の提出
穴の加工痕と薬剤の可能性を記録し、市が警察に被害届を出していた。
↓
③ 捜査の開始(警察による)
警察が器物損壊の疑いで現場検証を進めていた。
❓FAQ (よくある5つの疑問)
Q:どこで起きた?
A:高知県四万十市下田の温泉施設内で起きていた。
Q:被害は何本?
A:11本の樹木が枯死していた。
Q:開けられた穴の大きさは?
A:およそ直径5センチで統一されていた。
Q:被害額はどのくらい?
A:市が提出した被害届では43万5000円となっていた。
Q:加害者は特定された?
A:犯人の特定については現時点で発表されていなかった。
記録から読み取れる全体の要点が整理されていた
公共管理地での連続的被害判断が問われていた
警察の捜査が続いている中で、行政側は被害状況の速やかな把握と対応策の実行に移行していた。
施設の特性上、不特定多数の来訪者が訪れる環境であるため、安全対策は景観維持よりも優先されていた。
一方、同様の穴開け被害が過去にも報告されていたか否かの記録は明示されておらず、継続的被害か単発の事件かは判断が分かれていた。
今後、施設外や他地域で同様の被害が確認された場合には、再発防止策の検討も含めて、行政と警察の連携が強く求められていくと見られていた。