東京都足立区の区立小学校で、校庭に埋まっていたクギが児童に刺さる事故が発生。小学生が転倒し救急搬送されました。調査の結果、地中から36本のクギや針金が発見され、区は全ての土の校庭を持つ小中学校に対し金属探知機による緊急点検を指示。再発防止策と安全管理体制の見直しが急務となっています。
小学校の校庭にクギ36本
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東京・足立区の小学校で、校庭に埋まっていたクギが児童の足に刺さる事故が発生した。金属探知機での点検では、地中から合計36本のクギが見つかり、区は土の校庭を持つすべての学校に緊急点検を指示した。クギの出所は現在も不明であり、学校の安全管理体制や点検方法が問われている。
項目 | 内容 |
---|---|
発生日時 | 2025年6月29日 |
発生場所 | 東京都足立区内の区立小学校 |
被害者 | 小学5年の男子児童 |
負傷状況 | 転倒時にクギでひざ下を切り救急搬送 |
発見物 | 校庭地中からサビたクギ・針金など36本 |
区の対応 | 土の校庭を持つ小中学校に金属探知機での緊急点検を指示 |
クギの出所 | 不明(意図的かどうかも特定されず) |
事件の発覚と関係者の対応
2025年6月29日、東京都足立区の区立小学校において、スポーツ活動中だった小学5年生の男子児童が転倒し、地面に埋まっていたクギでひざ下を切る事故が発生した。児童はその場で救急搬送され、治療を受けたという。
事故を受けて、学校と足立区教育委員会の職員が校庭の地面を金属探知機と目視で点検。その結果、地中からサビたクギや針金など計36本が発見された。これらの金属片のうち、複数は地表から確認できない深さに埋まっていたとされている。
足立区は同日中に記者発表を行い、該当校だけでなく、区内の土の校庭を有するすべての小中学校に対し、同様の点検を徹底するよう指示した。事故が発生した学校については、安全確保のため一時的に校庭の使用を中止し、再整備が行われている。
発表文に記された対応方針
足立区が公表した発表文では、「誰が、いつ、何の目的でクギを埋めたかについては現在も不明であり、悪意の有無は断定できない」と記されていた。また、今後は定期点検の頻度を見直し、金属探知機の導入や外部業者による検査も検討していく方針が示された。
過去の学校施設における金属類混入事例との比較
比較項目 | 足立区小学校(2025年) | 横浜市中学校(2019年) |
---|---|---|
発生状況 | 校庭で児童が転倒し、クギで負傷 | 運動場整備後に金属片が発見 |
被害者 | 小学5年男子児童 | 被害者なし(発見時点で撤去) |
原因 | 不明(意図的かどうか不特定) | 整備業者の廃材混入ミス |
行政対応 | 金属探知機で全校点検 | 指導と業者再教育を実施 |
報道出典 | NHK/読売新聞/TBS | NHK/朝日新聞/共同通信 |
全区立学校への波及と今後の対策
事故を受け、足立区は区内すべての土の校庭を持つ小中学校に対し、金属探知機などを用いた緊急点検を指示した。教育委員会によると、7月2日までに順次点検が開始され、同様の金属類が埋まっていないかを確認する作業が続けられている。
区は、今回のように金属が地中深くに埋まっていたケースについて「通常の視認点検では発見が難しい」としており、今後は定期的な金属探知機点検の制度化を検討している。さらに、点検結果の記録保存や、作業委託業者の選定基準の見直しにも着手する方針を示した。
保護者説明と信頼回復に向けた課題
区はすでに、被害児童の保護者と個別に面会し、謝罪と経緯説明を行ったという。学校側からも、全校児童と保護者に対して事故の概要と今後の安全対応を文書で通知している。
一方で、今回の事故が「偶発的な事故」で済まされるのか、それとも過去の施工や管理体制に原因があったのかは、現時点で特定されていない。区は「再発防止の観点からも、起因の可能性について整理する必要がある」としており、外部の調査委員会設置も検討段階に入っている。
見過ごされてきた“地中リスク”
これまで学校施設の安全点検といえば、遊具の老朽化や外壁のひび割れなど「視覚で確認できる箇所」が中心だった。地中に埋まっている異物については、事故が起きない限り調査されることが少なかった。
今回の事故をきっかけに、「目に見えない危険」への対応が問われている。足立区は、今後の施設改修や地面整備時においても、金属混入の有無を点検項目に加える意向を示している。
“安全点検の常識”が揺らいだ
学校現場での安全管理は、見える範囲の整備が中心だった。だが、今回のように地中に危険が潜んでいたことで、従来の「目視点検」では対応しきれない限界が明らかになった。教育現場が求められるのは、“起きるかもしれない”への備えであり、「異物は想定外」という意識を改める契機となる。
🔽事故から全校点検までの流れ
時系列 | 対応内容 |
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6月29日 | 男子児童が校庭で転倒、クギで負傷し救急搬送される |
同日午後 | 学校が区教育委員会に報告、現地調査を開始 |
6月30日 | 金属探知機による点検でクギなど36本を発見 |
7月1日 | 足立区が全区立小中学校に対して校庭点検を指示 |
7月2日~ | 各校で順次、金属探知機を用いた点検を開始 |
❓FAQよくある5問5答
Q1:なぜ校庭にクギが埋まっていたのですか?
A1:足立区によると、誰が、いつ、何の目的で埋めたのかは不明であり、工事の際に混入した可能性も含めて調査中です。
Q2:児童は現在どうなっていますか?
A2:報道によれば、児童は救急搬送されたものの命に別状はなく、治療を受けた後に退院しています。
Q3:他の学校でも同様の危険はありますか?
A3:足立区は同様のリスクがないか確認するため、全区立の土の校庭を対象に金属探知機による点検を開始しました。
Q4:校庭の点検は今後も続けられますか?
A4:区は今後、金属探知機による定期点検の導入を含め、安全対策の制度化を検討するとしています。
Q5:再発防止策はあるのですか?
A5:外部調査委員会の設置や、業者選定の見直し、安全点検項目の拡充などが今後の対応として挙げられています。
🧾まとめ
見出し | 要点整理 |
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事故発生 | 小学5年の児童が校庭で転倒し、クギによって負傷 |
異物の確認 | 金属探知機による調査で36本のクギや針金が発見 |
区の対応 | 全区立の土の校庭に点検指示、安全対策の再構築へ |
安全の課題 | 地中の危険物はこれまで想定されておらず、点検体制の見直しが必要に |
今後の方針 | 定期点検制度の整備と外部委員会による原因調査を検討中 |
「地中の安全管理」が常識となる日へ
校庭に埋まっていたクギが児童を傷つけたという事実は、学校の安全対策の盲点を突く出来事だった。目に見える部分だけを点検しても、見えない危険は潜んでいる。今回の事故を通じて、「地中の安全管理」が従来の常識に組み込まれるべきであることが明らかとなった。再発防止に向けて、物理的な点検だけでなく、学校現場の意識そのものを見直す必要がある。