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スマホで感謝を伝える時代へ 飲食店に広がるチップ制度

飲食店でスマートフォンを使ったチップ制度の導入が進んでいる。接客の評価が可視化され、スタッフのモチベーション向上や人材定着にもつながっている。

 

飲食店に広がるチップ制度

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飲食店の現場で、「スマートフォンを通じたチップ制度」が広がり始めている。キャッシュレス決済と連動し、顧客が気軽に感謝を伝えられる仕組みとして注目されており、店側・従業員双方の動機づけに新たな形をもたらしている。


スマホ型チップ制度の導入と評価ポイント

見出し 要点
接客可視化と人材定着 チップ制度の導入により、接客が「評価」として見える化され、従業員のモチベーション維持につながっている
代表制度と機能構造 「推しエール」と「チップ」の2制度が運用されており、利用率は増加傾向にある
店舗導入状況と実績 中部地方を中心に導入が進み、あるアルバイトには1か月で約7万円の送金実績もある
制度が与える効果 店側は人手不足対策として、利用者は感謝の気持ちの表現手段として、それぞれにメリットがある
今後の課題と注視点 チップの任意性をどう担保するか、店舗側の設計次第で誤解や圧力と受け取られる懸念も指摘されている

スマホ型チップ制度がもたらす接客の“見える化

飲食店で、客がスマートフォンを使ってチップを従業員や店舗に送る仕組みを導入する動きが広がっている。モバイルオーダーの拡大に合わせて、「感謝の見える化」が従業員のやる気に直結する例も報告されている。

東京の企業「ダイニー」が提供するこの仕組みは、モバイルオーダーシステムにチップ送信機能を付加したもので、現在全国で約3000店舗が導入している。客はテーブルに設置されたQRコードスマホで読み込むことで注文し、同時に任意でチップを送ることが可能となる。

特に注目されるのは、2020年に開始された「推しエール」という機能で、客がスタッフの顔写真と名前が並んだプロフィル一覧から選び、投げ銭のようにチップを送れる仕組みが整っている。これにより、接客対応が個人単位で評価されるようになり、従業員のモチベーション向上に寄与しているという。


「チップ」機能の追加と地域拡大

「推しエール」に加え、2025年6月からは「チップ」という新機能も導入されている。こちらは個人ではなく店舗全体への支援という形式で、客が飲食代の最大25%までをチップとして送信できる。これにより、接客全体の評価や店舗への共感を表現しやすくなった。

2025年時点で、この「チップ」機能はモバイルオーダー導入店舗のうち13%が利用しており、愛知・岐阜・三重の3県だけでも250店舗以上が対応している。名古屋市内のある焼き肉店では、サービスに満足した客が「気持ちとして送ってみた」と語るなど、日常的な行動として浸透し始めている。

厚生労働省が公表した2025年5月のデータによると、接客系職種の有効求人倍率は2.63に達しており、飲食業界の人材確保が困難であることが裏付けられている。その中で、「接客に感謝が届く」という仕組みが人材定着や離職防止の手段として期待されている。


スタッフの評価が職場環境を変える

「推しエール」や「チップ」の導入により、スタッフの接客対応が可視化されることで、店舗運営にも新たな変化が生まれている。名古屋市中村区のある居酒屋では、店長が「アルバイトの頑張りが数値として反映されるため、本人たちのやる気が目に見えて変わってくる」と語っていた。

また、投げ銭を受け取ったという女性スタッフは、「期待以上だったことが可視化された」と感じたことで接客意識が高まり、業務の質の向上に繋がったという。店側にとっても、感謝の言葉と金額が残ることで、従業員への評価や声かけの材料になるという副次的な効果も指摘されている。


「推しエール」と「チップ」機能の違い

項目 推しエール チップ
提供開始時期 2020年 2025年6月
支払い対象 スタッフ個人 店舗全体
表示形式 プロフィル一覧から選択 任意金額入力
支払い上限 特になし(任意) 飲食代の25%まで
モチベーション効果 個人の評価が直接反映される 店全体の接客評価につながる
利用者の声 「頑張りが伝わるのがうれしい」 「満足度に応じて送れる」