雑記ブログ、ときどきAmazon

Amazonアソシエイト,楽天room,広告PRがあります。

保育所大手が採用差別 男性・妊婦らを排除か

全国で保育所を運営する大手企業「キッズコーポレーション」が、男性や妊娠中の女性、精神疾患のある人などを採用対象から排除する内規を定めていたことが判明しました。内部資料には「断れるポイントを探して断る」との記述もあり、厚労省は法令違反の可能性に言及しています。企業側は「指針として運用」としていますが、実態との乖離が指摘されています。

 

保育所大手が採用差別

広告の下に記事の続きがあります。ペコリ

 

全国約300カ所の保育施設を運営する大手「キッズコーポレーション」が、男性や妊娠中の女性らを採用対象から排除する内規を定めていたことが、内部資料と元社員の証言で明らかになった。差別的なルールには「断れるポイントを探して断る」との文言があり、厚生労働省男女雇用機会均等法に抵触する可能性を指摘している。

見出し 要点
  男性や妊娠中女性の採用を内規で制限、厚労省が問題視
内部資料に記された「断る」指針 採用時に不適格理由を探し不採用にする運用、元園長の事件が契機
企業の説明と制度面での指摘 「指針として運用中」とする企業に対し、厚労省は法令違反の可能性を言及

内部資料に記された「断る」指針

保育所を全国で展開するキッズコーポレーション(本社:宇都宮市)は、採用選考において「男性」「妊娠中の女性」「精神疾患のある人」などを不採用とする方針を内部で定めていた。2025年7月6日に報じられた内容によると、社内の採用指針には「断れるポイントを探し、断る」と記されており、形式上は面接を実施しつつ、事実上の採用排除が行われていた。
このルールが策定された背景には、同社が運営する東京都内の保育施設で勤務していた元園長が、小学生女児に対する強制わいせつ容疑で逮捕された事件があるとされる。内部資料には「会社として(逮捕を)公にしていない」との記述も含まれていた。


採用対象からの除外運用と現場の実態

元社員らの証言によれば、採用時の面談では事前に「妊娠していないか」や「メンタルの通院歴があるか」などを聞き取るよう指示されていた。回答によってはその場で不採用とする方針が共有され、「子どもを理由に休まれやすい」などの理由で判断が下されることもあったという。また、男性応募者に対しては、事件を踏まえて「保護者の理解を得られない」として面接辞退を促すケースも確認された。

区分 内容 出典
社内文言 「断れるポイントを探し、断る」「妊娠中は体調不良でカウントできない」 内部資料(報道確認)
採用対象の排除 男性/妊娠中の女性/精神疾患のある人 元社員の複数証言
策定背景 元園長の強制わいせつ事件を契機 社内資料・元社員証
企業説明 「個別状況に応じて運用」「誤解を与えないよう改定中」 共同通信ほか
厚労省見解 「雇用機会均等法等に抵触の可能性あり」 報道複数社一致

 

企業の説明と制度面での指摘

キッズコーポレーションは報道に対し、「ルールはあくまで採用時の一つの指針であり、状況に応じて柔軟に運用していた」と説明している。内規の文言にあった「断るポイントを探す」については、応募者全体の適性を多角的に確認する一環であると主張しており、差別的意図の否定に努めた。
一方、厚生労働省は採用選考での属性による排除が「男女雇用機会均等法」「障害者差別解消法」などに抵触する可能性があるとして、法的な問題を指摘している。現時点で同社は内規の改定を進めており、「誤解を与えないように配慮している」とコメントしているが、実際の改定内容や新たな運用基準についての詳細は明かしていない。


制度上の問題と企業対応の齟齬

採用において妊娠中であることを理由に排除する行為は、男女雇用機会均等法第9条により明確に禁じられており、「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」に該当する可能性が高い。また、精神疾患の履歴を理由とした不採用方針も、障害者差別解消法が求める合理的配慮の理念に反している。
企業側が「指針である」と主張する一方、元社員の証言では採用現場で事実上の選別が恒常的に行われていたことが示されており、表向きの説明と現場運用に齟齬があったことが構造的に露呈している。


形式的多様性と実務上の排除の矛盾

保育業界では、多様な人材の参入が掲げられる一方で、運用面では「子どもを預かる場」という特性を盾に、一定の偏見や無意識的な排除が温存されやすい。今回のケースでは、「事件を契機にルール策定」「保護者の不安に配慮」といった文脈が採用除外の正当化に用いられていたが、その裏で本来保護されるべき属性が静かに排除されていた構図が浮かび上がる。
制度上の違法性とは別に、社会全体の「なんとなくの納得」がこの構造を黙認してきた可能性があり、形式と実態の乖離をどこで是正するかが問われている

 

kicks-blog.com

 


❓FAQ

Q1. 今回の採用内規は法律的に問題があるのですか?
A1. 男女雇用機会均等法や障害者差別解消法に抵触する可能性があると厚生労働省が見解を示しています。

Q2. どのような属性の人が排除されていたのですか?
A2. 男性、妊娠中の女性、精神疾患のある人などが不採用の対象とされていました。

Q3. 「断るポイントを探す」とはどういう意味ですか?
A3. 採用面接時に理由を見つけて不採用に誘導するという、意図的な除外方針を意味します。

Q4. 企業側は事件を公表していなかったのですか?
A4. 内部資料には「逮捕は会社として公にしていない」と記載があり、外部説明は限定的でした。

Q5. この件は他の保育事業者にも影響しますか?
A5. 医療機関併設型保育を含む広範な事業形態に通じる問題のため、業界全体での検証が求められます。

まとめ

セクション 要点
事件の発覚 保育所運営大手が、男性や妊娠中の女性を採用対象から除外していた事実が、内部資料と証言により明らかになった。
排除方針の実態 採用面接で「断れる理由を探す」などの差別的運用が存在し、元園長の事件が契機となったことが示されている。
会社側の説明 企業は「指針として運用」と釈明するが、厚生労働省は法令違反の可能性を指摘している。
採用現場の証言 妊娠や精神疾患の有無を確認する聞き取りが行われ、実際に選考から外されるケースがあった。
法制度との矛盾 雇用機会均等法や障害者差別解消法との整合性が問われており、運用実態との乖離が顕在化している。
社会的背景と構造 子どもを預かる施設という特性のもと、形式上の多様性と実務上の排除が乖離していた構造が浮き彫りになった。