テキサス州で死者70人超
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テキサス州 洪水災害の概要(2025年7月)
アメリカ南部のテキサス州で7月4日から降り続いた集中豪雨により、大規模な洪水が発生した。現地ではケール郡を中心に、これまでに子どもを含む70人以上の死亡が確認され、被害は日を追うごとに拡大している。
少女たちが滞在していたキャンプ施設「Camp Mystic」では現在も11人の行方が分かっていないとされ、州と連邦による捜索活動が続けられている。
トランプ大統領は6日、大規模災害宣言に署名したことをSNSで公表し、連邦緊急事態管理庁(FEMA)などによる本格的な支援体制の発動が始まった。
沿岸警備隊と州の救急隊員による救助活動では850人を超える住民が避難・保護されたが、川の氾濫により地域の道路・電力インフラが損壊し、復旧の見通しは立っていない。
集中豪雨の被害状況
2025年7月4日、アメリカ・テキサス州中部で突如発生した集中豪雨が各地に甚大な被害をもたらした。
気象当局によると、ケール郡一帯ではわずか48時間で最大700ミリを超える降雨が記録され、グアダルーペ川やペルデナレス川が広範囲で氾濫した。
この影響で家屋の倒壊や車両の水没が相次ぎ、各地で道路や橋が崩落する被害が発生していた。
とくに深刻な被害を受けたのは、ケール郡内にあるキャンプ施設「Camp Mystic」である。
この施設には当時、7歳から17歳の少女およそ80人が滞在していたとされ、集中豪雨の影響で川の水位が急激に上昇。施設の一部が流され、11人が行方不明となった。
現地保安官や消防当局は「行方不明者の捜索は継続中」としており、ボートやヘリコプターを使った救助活動が展開されている。
一方、地域全体の死者数について、州当局と連邦緊急事態管理庁(FEMA)の統計では、これまでに70人を超える死亡が確認されている。
うち28人が子どもであることが明らかになっており、親族の確認作業や身元特定が進められている。
各メディアによる報道では、被害者の多くが川沿いの住宅や移動中の車両に取り残されていたとみられている。
救助対応とインフラ損壊の拡大
トランプ大統領は7月6日午前(米国時間)、自身のSNSを通じて大規模災害宣言に署名したことを発表し、これを受けて連邦政府はFEMAによる救援物資の搬入や仮設施設の設置を開始した。
現地では州政府の要請に基づき、沿岸警備隊が出動し、ボートやヘリによる救助活動に加わっている。
トランプ氏は「州および地方の指導者と緊密に連携している」と述べ、SNS上ではこれまでに850人以上を救出したと明らかにした。
救助の対象には高齢者や障害者、子どもを含む避難困難者が多数含まれており、避難所は一時的に収容限度を超える状態となっていた。
また、今回の洪水による影響は住宅や人的被害にとどまらず、道路・橋梁・電力設備など主要インフラにも深刻な損傷が及んでいる。
特に山間部や川沿いでは、複数の道路が寸断され、一部地域が孤立状態に陥っている。
復旧には数週間以上かかるとの見通しが出されており、当局は仮設橋の設置や緊急送電措置を急いでいる。
大規模災害宣言の範囲と内容(2025年7月6日時点)
発表日 | 対象地域 | 発表者 | 概要内容 |
---|---|---|---|
2025年7月6日 | ケール郡 | ドナルド・トランプ大統領 | SNSで大規模災害宣言への署名を公表し、FEMAと沿岸警備隊の出動を支持すると明言 |
2025年7月6日午後 | テキサス州全域(段階的拡大) | ホワイトハウス報道官(公式声明) | 他郡への適用も検討中。災害救援基金・物資支援・避難所設営などを順次展開する方針を発表 |
2025年7月7日 | 複数の周辺郡 | FEMA現地対策本部 | 被災インフラ調査と同時に、生活支援金申請窓口の開設・巡回診療車の派遣などを開始 |
災害宣言と今後の支援課題
トランプ大統領が7月6日に署名した大規模災害宣言(Major Disaster Declaration)は、まず被害の中心であるケール郡を対象に発動された。
この宣言により、FEMA(連邦緊急事態管理庁)をはじめとする連邦機関がインフラ復旧・住宅支援・避難所設営などの支援業務を開始した。
また、翌7日には周辺のコマンチ郡やバンドラ郡にも支援対象が拡大され、今後さらに被災範囲が広がる可能性がある。
ただし、州政府の判断と現地の被害認定に時間を要しており、支援開始のタイムラグが課題となっている。
さらに、今回の豪雨では洪水警報や避難指示の発令タイミングが地域によって異なり、混乱を招いたとされる。
一部地域では、避難命令が発令された時点で既に水位が危険域を超えていたという指摘もあり、警報体制の検証と再設計が急務となっている。
Camp Mysticを巡る対応と避難判断の遅れ
特に注目を集めているのが、Camp Mysticにおける避難判断の遅れである。
報道によれば、同施設の運営側は当初、川の水位上昇を認識しながらも「警報が出ていない」として屋内待機を続けていたとされる。
しかし、その数時間後には川が氾濫し、施設の一部が流出。結果的に11人が行方不明となった。
この対応を巡り、SNSや保護者の間では「避難が数時間早ければ防げた可能性がある」との批判が相次いでいる。
また、過去にも同地域は数年おきに洪水被害を経験しており、運営体制における事前想定の甘さも問われている。
現在、州当局が第三者調査委員会を設置し、当日の判断過程や避難体制についての検証を進めている。
ケール郡と周辺地域の被災規模一覧
子どもが被災地で直面する“孤立”
洪水被害の現場では、子どもたちが心理的・物理的に孤立する危険が高まっている。
とくに避難所では、成人中心の支援体制の中で、安心できる空間や生活リズムが崩壊しやすい。
また、身寄りを失った子どもが短期間で施設に移送される例もあり、心のケアや継続的な支援が求められている。
復旧の議論が進む一方で、子どもたちへのケアは、後回しにされがちな現実も浮き彫りになっている。
❓ FAQ
Q1. なぜこれほど大きな洪水になったのですか?
A1. 気象当局によると、熱帯低気圧の影響で数日間にわたり500mmを超える豪雨が局地的に続いたためです。川の氾濫と地形の影響が重なりました。
Q2. トランプ大統領の災害宣言はどのような効果がありますか?
A2. 連邦政府による支援が可能となり、FEMAや沿岸警備隊の出動、仮設住宅・医療支援などが実施されます。
Q3. Camp Mysticではどのような問題があったのですか?
A3. 避難判断の遅れと運営側の初動対応が問われており、州が第三者委員会を設置して調査中です。
Q4. 行方不明者は現在もいますか?
A4. はい。Camp Mystic関係の11人を含め、複数名の行方が分かっておらず、捜索活動が続いています。
Q5. 被災者への支援制度はありますか?
A5. 被災証明をもとに、仮設住宅の提供、現金支給、医療費補助などが連邦・州レベルで展開されています。