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国産ウナギと中国産ウナギの違いは?表示のカラクリ・味・安全性【土用の丑】

「国産」と「中国産」ウナギは何が違う?表示ルール、品種、味、安全性の実情を生産者団体の証言とともに解説します。

 

国産ウナギと中国産ウナギの違いは?

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2025年の「土用の丑の日」は7月19日と31日。うなぎ売り場にはすでに多くの人が集まり、スーパーや百貨店には「国産」「中国産」など、さまざまな産地のうなぎが並んでいます。SNS上でも、「国産ウナギの方がおいしい気がする」「中国産も最近おいしくなったらしい」「違いがよく分からない」といった声が広がっています。消費者の疑問に応えるため、国内の生産者団体である日本養鰻漁業協同組合連合会に取材したところ、表示のルールや味の傾向、養殖法に関する明確な違いが浮かび上がりました。


国産 vs 中国産ウナギの主な違い

比較項目 国産ウナギ 中国産ウナギ
表示基準 養殖地が日本国内であれば「国産」 中国で養殖された場合は「中国産」
主な養殖種 ニホンウナギのみ ニホンウナギアメリカウナギ
味の印象 ふっくら・脂がのる傾向 あっさり(アメリカ種)傾向も
養殖方法 屋内型・温度管理(コンクリ池) 屋外型・大規模養殖が多い
主な販売価格 1尾2000円〜4000円前後 1尾1000円〜1500円台が中心
加工形態 養殖後そのまま販売または国内加工 冷凍輸入後、国内で加工販売

産地表示と“国産”の定義

日本国内のスーパーに流通しているうなぎの多くは、稚魚(シラスウナギ)を養殖場で育てた「養殖ウナギ」です。食品表示法では、ウナギの捕獲地ではなく養殖地を産地とするよう定められています。

このため、仮に稚魚が海外で採取されても、日本国内で育てられれば「国産」と表示できます。たとえば、稚魚を東南アジアで仕入れても、鹿児島や静岡の養殖場で育てられた場合には「鹿児島県産」「静岡県産」として流通します。一方で、中国国内の養殖場で育てられたウナギは「中国産」と明示する必要があり、この表示区分は加工地ではなく養殖場所が起点となっています。

 

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ウナギの種類と味の差異

日本国内で流通するうなぎの多くは「ニホンウナギ」と呼ばれる種類です。この種は東アジア一帯に生息し、日本では古くから食用にされてきました。一方、中国ではニホンウナギに加え「アメリカウナギ」も養殖されており、これが輸入品として日本に流通しています。

生産者団体の代表者は、「アメリカウナギは比較的あっさりした味わい」であるとしたうえで、「ニホンウナギの方が脂のりがよく、身もふっくらしている」と述べています。味の違いは個体差や調理方法にも左右されるものの、「種の違いによる風味の差」は一つの判断基準になるといえます。

SNSの声と消費者の誤解

SNSでは「国産は安全」「中国産は不安」という印象が根強い一方で、「最近の中国産も十分おいしい」という声も増えています。背景には、過去に報じられた産地偽装事件や、「国産=高品質」というブランド信仰があると見られます。

ただし、表示基準は法令で厳格に管理されており、「国産」表示だからといって稚魚もすべて日本産とは限らないことは、意外と知られていません。一方で、中国産も検疫や残留農薬検査などをクリアして輸入されており、安全性の一定基準は担保されています。


国産ウナギ vs 中国産ウナギ

比較カテゴリ 国産ウナギ 中国産ウナギ
産地表示基準 日本国内で養殖されれば「国産」表示可 中国で養殖された場合は「中国産」表示義務
養殖種 ニホンウナギのみ ニホンウナギアメリカウナギ
味の傾向 脂がのり、ふっくらとした食感 あっさりめ(アメリカウナギ含む)
養殖方法 屋内型・加温設備で温度管理 屋外型・大規模池使用が中心
出荷時期 主に7月〜8月の「土用の丑」に合わせる 冷凍で年中輸入・需要期に集中
価格帯 平均2000円〜4000円 平均1000円〜1500円
安全性と検査 国内管理下で履歴明確 輸入時に検疫・残留農薬チェックあり

価格帯の“二極化”とブランド志向

2025年の「土用の丑」を前に、うなぎの価格帯は明確に二極化しています。スーパーでは中国産の蒲焼きが1000円前後で並ぶ一方、国産ウナギは3000円を超える商品も多数見られ、消費者の購買行動にも“割り切り”と“こだわり”の両面が見られます。

また、輸入品の品質向上もあり、「味が変わらなくなってきた」という声も散見されますが、ブランド価値としての「国産志向」は根強く、ギフト用や贈答用途では依然として国産が選ばれる傾向にあります。特に百貨店や高級スーパーでは、県産表示・個体履歴・生産者情報付きの商品が並び、トレーサビリティの明示が付加価値として機能しています。


種別と表示の整理

要素分類 内容 出典報道社
表示基準 「養殖地」が産地表示の基準。稚魚の採取地は非表示 毎日・産経・読売
養殖種 日本:ニホンウナギのみ / 中国:ニホン+アメリカ種 毎日・読売・NHK
味の比較 アメリカウナギはあっさり。国産は脂のりが強い傾向 NHK・毎日・産経
偽装事件 中国産を国産として販売した事例が過去に複数報道あり 毎日・読売・産経
安全性の基準 中国産も輸入時に検疫・薬品検査を経て販売されている 毎日・産経・読売

“国産”に潜む表示の盲点

「国産ウナギ=日本の自然で育った魚」という印象を持つ人は少なくありませんが、表示上は養殖地が日本であれば“国産”とされるため、稚魚が外国産であっても消費者の目には見えません。

一方で、中国産の表示には「養殖種」の記載義務はないため、ニホンウナギアメリカウナギかは購入時にわからない構造です。この点に対し、生産者団体も「味の違いは養殖種の影響が大きい」と明言しており、表示制度と消費者の実感とのギャップが解消されていない現状が浮かびます。


ウナギの流通と表示までの流れ

① 稚魚(シラスウナギ)採捕
   └ 国内 or 海外(例:東南アジア)

   ↓

② 養殖地で育成(6〜8か月)
   └ 日本各地(鹿児島・静岡など) or 中国内陸部

   ↓

③ 加工工程
   └ 国産:養殖後そのまま or 国内加工
   └ 中国産:冷凍で輸入→国内業者が加工

   ↓

④ 商品ラベル
   └ 表示基準:養殖地ベースで「国産」「中国産」と明記


“国産信仰”と表示制度のすれ違い

国産ウナギが高値で売られる背景には、「安心」「おいしい」「希少」という価値観が影響しています。しかし、実際の表示ルールでは稚魚の出自は記載されず、消費者が望む「完全な国産」と一致しないケースもあります。

一方、中国産ウナギはアメリカ種の混入や表示の単純化により、本来持つ風味や特徴が認識されにくくなっています。これは、制度上の「表示の正確性」と消費者の「選ぶ根拠」の間に溝があることを示しているといえます。

今後は、「養殖種の表示」や「トレーサビリティの見える化」を通じ、消費者の納得と選択の幅を両立させる仕組みが求められています。


❓FAQ:国産と中国産ウナギに関するよくある質問

Q1. 中国産ウナギは安全なの?
A. 日本に輸入される際に検疫・残留薬物検査を受けており、一定基準を満たしたものだけが流通しています。

Q2. 国産と中国産の味はどれくらい違うの?
A. 養殖種(ニホンウナギアメリカウナギ)によって差があります。アメリカウナギはあっさり傾向とされ、脂ののりや食感に違いが出ます。

Q3. 「国産」と書かれていても稚魚が外国産って本当?
A. 表示法上は「養殖地」が基準。稚魚が海外産でも日本で養殖されれば「国産」と表示されます。

Q4. 「鹿児島産」「愛知産」の表示は何を意味するの?
A. その都道府県で育てられた養殖ウナギであることを意味します。ただし、稚魚の原産地ではありません。

Q5. どこを見れば“良いうなぎ”を選べる?
A. 産地・養殖種・加工日・個体識別番号などの表示情報を参考にしつつ、信頼できる店舗や専門店で購入することが一つの目安です。


国産 vs 中国産ウナギの違いまとめ

項目分類 国産ウナギ 中国産ウナギ
表示基準 日本で養殖された場合に「国産」 中国で養殖された場合は「中国産」
養殖種 ニホンウナギのみ ニホンウナギアメリカウナギ
加工流通 国内でそのまま販売 or 加工 冷凍で輸入後、国内加工が主流
消費者認識 「安心」「高級」のイメージ 「安価」「味に差あり」との印象も