
2025年7月20日、東京ドームで行われた阪神戦で巨人が1―2で敗戦し、球団史上最速で同カードの負け越しが決定。阿部慎之助監督は「荷が重い」と語り、若手主体の編成と勝利の重圧を受け止めた。試合展開・采配・コメントを報道ベースで詳報。
巨人、阪神戦で球団史上最速の負け越し確定
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2025年7月20日、東京ドームで行われた阪神戦で読売ジャイアンツが1―2で敗れ、今季の対阪神戦での負け越しが球団史上最速で決定した。阿部慎之助監督の勝負手も届かず、試合後は「荷が重い」と苦悩の言葉を漏らした。
負け越し決定と試合展開
巨人は阪神との今季14試合目となるこの試合で敗れ、通算成績は3勝11敗。7月中旬時点での負け越し確定は球団の記録上、最速での決着となった。試合は序盤から劣勢で、先制を許した巨人は0―2の4回に勝負手を打つ。先頭の泉口、中山が連打で出塁し、続く一死一・二塁の場面で、先発の赤星に代えて岸田を代打で投入。岸田が四球を選び、続く丸の適時打で1点を返した。
しかし反撃はここまで。1点どまりに終わった巨人はその後、得点圏に走者を進めながらも好機を活かせず、5回以降の安打はわずか1本。リードを許したまま試合を終えた。
敗因分析と采配の意図
阿部慎之助監督は試合後、「自ら(チャンスを)潰しちゃったよね。まあ、荷が重いよ」と語った。自身の采配を省みつつ、若手選手中心で臨んでいる現状への責任を受け止めたかたちだ。代打起用は、試合の流れを変える意図があったとみられるが、序盤の攻撃で点を取り切れなかったことが、終盤の重さにつながった。
一方で、5回以降を無失点でつないだ救援陣5人の働きには「試合も壊れなかったし、みんな頑張ってくれた」と評価。ブルペンの粘りは、今後の巻き返しに向けた重要な手応えにもなった。
史上最速の負け越し記録と阿部体制の背景
今季の阪神戦での負け越し決定は、例年よりも大幅に早い時期での決着となった。7月20日時点での確定は過去の記録上でも異例であり、阿部体制初年度のチーム編成や戦力調整の難しさを象徴する結果となった。特に、若手を多く起用する「ヤングG」路線と、長年にわたり阪神に強かった伝統とのギャップが際立った形である。
阪神戦の負け越し決定までの時系列
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年4月~6月 | 阪神に連敗を重ね、開幕カードから苦戦続く |
| 2025年7月18日 | 阪神戦3勝11敗で負け越しが濃厚に |
| 2025年7月20日 | 東京ドームで1-2敗戦、負け越しが正式決定 |
| 負け越し確定要因 | 攻撃力不足/得点圏での打撃不振/序盤の失点 |
監督の「荷が重い」発言の意味と裏側
阿部慎之助監督が試合後に口にした「荷が重い」という言葉は、若手主体のチーム編成を自らが掲げる中で、責任の重さと結果の伴わなさへの率直な吐露だったと捉えられる。4回の代打策、試合終盤の継投判断、どれも「勝たせてあげたい」という思いに根ざしていたが、あと一打が出ない展開により意図は結果に結びつかなかった。
若手が奮闘する中でチームが連敗を喫し、期待と現実のギャップが広がる状況において、監督自身の自責と焦燥が表れた一言だった。
阪神戦における試合中の勝負手と展開ポイント
| タイミング | 判断内容 | 結果 | 評価軸 |
|---|---|---|---|
| 4回表 | 先発・赤星に代打・岸田を起用 | 四球で出塁 | 出塁成功、流れを変える意図は明確 |
| 続く場面 | 丸が適時打で1点返す | 攻撃成功 | 最初で最後の反撃となる |
| 5回以降 | 救援陣5人で無失点継投 | 阪神を追加点ゼロに抑える | 投手リレーは機能 |
| 攻撃面 | 得点圏に3度進めるも1点止まり | 決定打を欠く | 勝負を決めきれず敗戦 |
若手主体の編成と「責任を背負う」という感覚
試合後の阿部監督の言葉から浮かび上がるのは、「若さ」だけでは補えない現実と、その矛盾を監督自らが引き受けようとしている構図である。起用される側の成長と同時に、結果が求められるのが一軍の舞台。選手に責任を負わせず、自らに荷を背負う言葉選びは、過渡期の指揮官としての姿勢を象徴している。
特に、代打策や若手起用への責任を一手に引き受ける態度は、「育成と勝利の両立」という命題に苦しむ今季の巨人を象徴しているとも言える。
試合展開と発言に至る流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 序盤 | 阪神に2点先制され追う展開に |
| 中盤 | 赤星に代打策を講じて1点返す |
| 終盤 | 得点圏進出するも無得点で停滞 |
| 結果 | 1-2で敗戦、負け越しが確定 |
| 試合後 | 「荷が重い」と責任を語るコメントが報道 |
勝負手が通じない現実と“監督の役割”の再定義
この日の敗戦が際立たせたのは、「勝負手」が打たれてもなお結果につながらないという現実である。試合を動かす意思と意図があっても、それが数字に直結しない苦しさ。これは選手の成熟度に帰結する問題でもあり、だからこそ監督は結果ではなく責任を背負うという道を選ぶ。
「荷が重い」という言葉に象徴されるのは、勝敗以上に“どのように負けたか”を受け止め、若手を守ろうとする姿勢である。この姿勢が、次の勝利への道筋を示すかは、21日の試合と後半戦で問われることになる。
FAQ:よくある質問とその回答(5問)
Q1. なぜ阪神戦の負け越しが球団史上最速になったのですか?
A1. 7月20日時点で3勝12敗と大きく黒星が先行し、例年より早く対戦カードの勝ち越しが不可能となったためです。
Q2. 阿部監督が「荷が重い」と発言した意図は?
A2. 若手主体の起用による責任の重さと、勝たせてあげられなかった悔しさを表現したものです。
Q3. 代打・岸田起用は成功したのですか?
A3. 岸田は四球で出塁し、丸の適時打につながりましたが、試合全体では得点が1点にとどまりました。
Q4. 救援陣の評価はどうですか?
A4. 5回以降を5人で無失点に抑えており、阿部監督も「試合を壊さなかった」と高く評価しています。
Q5. オールスター前最後の試合に向けての意気込みは?
A5. 阿部監督は「絶対勝ってブレイクに入りたい」と語り、巻き返しへの強い意思を示しました。