2025年9月29日、金の店頭小売価格が初めて1g＝2万円を突破。田中貴金属は10月3日に小型地金の販売を一時停止しました。銀座の店舗では整理券が配布され、待ち時間が発生。国際相場の高値と円安が背景にあります。
金がついに「1g＝2万円」突破
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金の価格が、かつてない水準に達した。2025年9月29日、田中貴金属工業の店頭小売価格が初めて1グラムあたり2万円を超えた。午前に2万18円、午後には2万133円と更新を重ね、1973年の公表開始以来、初の大台に乗った。節目を越えた相場は、国内の投資家や一般の購入者に大きな反響を広げている。
金価格2万円突破で広がる波紋
| 項目 | 内容（2025年） |
|---|---|
| 初の2万円突破 | 9月29日、店頭小売価格が1g＝2万18円に到達 |
| 当日午後の最高値 | 2万133円を記録、史上最高値を更新 |
| 小型地金の販売停止 | 10月3日、田中貴金属が公式に発表 |
| 店頭の動き | 銀座店に整理券を求める行列、待ち時間は20分前後 |
| 背景 | 国際的な金需要の高まりと円安の進行 |
| 現在の焦点 | 金を“安全資産”として求める層の拡大 |
金価格が史上初の2万円台に到達した
2025年9月29日、田中貴金属工業が発表した店頭小売価格は、午前の時点で1グラムあたり2万18円となり、午後には2万133円に引き上げられた。いずれも税込価格で、国内の金取引における基準値として扱われる。
この水準は、田中貴金属が価格を公表し始めた1973年以降で初めてのことだ。ここ数年で円安が進み、海外の金相場が上昇したことも相まって、円建ての国内価格を押し上げる形になった。
田中貴金属は、公式ページで日々の小売価格を更新しており、9月下旬の連日上昇が確認されている。9月前半は1gあたり1万9000円台前半で推移していたが、下旬に入って一気に2万円台を突破した。わずか数日の動きが節目を塗り替える結果となった。
銀座の店頭に広がった熱気と待ち時間
大台突破の翌週、東京・銀座の田中貴金属直営店では、購入希望者の列が途切れなかった。
店では整理券が配布され、30代の来店者が「整理券をもらって20分ほど待ちました。安全資産を持っておきたい」と話した。
需要の急増により、店舗では小型地金の在庫が一時的に薄くなり、製造の追いつかない状況が生じている。
田中貴金属は10月3日に「小型地金の販売を一時停止する」と発表し、金20グラム・10グラム・5グラム、プラチナ10グラム・5グラムの販売を対象とした。
再開時期は明示されていないが、店舗やオンライン窓口では注意書きが掲示され、注文が集中した影響で納期が長くなる可能性が案内されている。
国内店頭金価格と市場動向の比較（2024–2025年）
| 年月 | 店頭小売価格（円/1g・税込） | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2024年9月 | 約1万4,000円 | 円安が進行し、金需要が安定的に推移 |
| 2025年3月 | 約1万7,000円 | 米利下げ観測で国際相場が上向く |
| 2025年9月29日 | 2万18円（午前）／2万133円（午後） | 史上初の2万円台到達 |
| 2025年10月3日 | — | 小型地金販売を一時停止 |
この一年でおよそ40％を超える上昇幅となり、短期間で価格構造が大きく変わった。背景には、米国の金先物が10月初旬に1オンス3900ドル台を付けたこと、円相場の下落傾向など、外部要因も重なっている。
小型地金の販売を一時停止した理由と対象
田中貴金属は、需要の急増で製造が追いつかないとして小型地金の販売を一時停止した。対象は金の20グラム・10グラム・5グラム、プラチナの10グラム・5グラム。告知は2025年10月3日。店舗では整理券対応が続き、在庫や納期は状況に応じて案内されている。小型サイズは資金負担が小さく、個人の購入が集中しやすい。価格が大台に乗った局面で需要が小型に偏り、供給側のボトルネックになったことがうかがえる。再開時期は示されておらず、公式の更新を待つ運用だ。
国際相場と為替が同時期に動いた
10月初旬、国際市場では金先物が高値圏に達し、円安の進行と重なった。輸入ベースでのコストがかさむと、円建ての国内小売価格は上振れしやすい。結果として、店頭小売が2万円台に乗った後も、買い付け意欲は落ちにくい状態が続いた。価格の節目と心理の節目が一致した形で、実需が小型地金に集中したことが今回の特徴である。
価格変動と購入時の留意点
-
店頭小売は日々の相場や為替で変動する。
-
現物購入は元本が保証されない。価格が下がれば、売却額が取得額を下回る可能性がある。
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取引成立後の変更・キャンセルには制約がある。
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サイズや在庫、受け渡し時期は店舗・時点で異なるため、最新の案内に従う。
過度な期待や短期の値動きに依存せず、「購入目的」と「保有期間」をあらかじめ決めておくと判断がぶれにくい。
金価格上昇から小型地金停止までの流れ（2025年）
金先物が高値圏に到達
↓
円安の進行で円建てコストが上昇
↓
国内店頭小売が2万円台に乗る
↓
個人の需要が小型サイズに集中
↓
製造・供給の遅れが発生
↓
小型地金の販売を一時停止（金20g/10g/5g・Pt10g/5g）
よくある質問（FAQ）
Q1. 初めて2万円を超えたのはいつですか。
A. 2025年9月29日です。午前に1グラムあたり2万18円、午後に2万133円となりました。
Q2. 小型地金の販売一時停止はいつ発表されましたか。
A. 2025年10月3日です。対象は金20g・10g・5g、プラチナ10g・5gです。
Q3. 銀座の店舗はどの程度混雑しましたか。
A. 整理券配布が行われ、来店者から「20分ほど待った」という声が報じられました（10月上旬）。
Q4. なぜ価格が上がったのですか。
A. 10月初旬の国際相場の高値と円安進行が重なり、円建ての店頭小売が押し上げられたためです（因果を断定せず同時期の出来事として整理しています）。
Q5. リスクは何ですか。
A. 価格変動により、売却額が購入額を下回る可能性があります。取引成立後の変更には制約があり、サイズ・在庫・受け渡し時期は最新案内に従ってください。
大台到達と小型停止の要点整理（2025年）
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 価格の節目 | 店頭小売が1g＝2万円台に到達（9/29） |
| 当日の推移 | 午前2万18円 → 午後2万133円 |
| 店頭の反応 | 整理券対応、待ち時間の発生 |
| 企業の対応 | 小型地金の販売を一時停止（10/3告知） |
| 背景の出来事 | 国際相場の高値圏と円安の進行 |
| 実務上の注意 | 価格変動・元本非保証・在庫と受け渡しは店舗案内に依存 |
「2万円」は国内の金価格を測る新しい物差しになった
1グラムあたり2万円という数値は、単なる通過点ではない。店頭小売がこの水準に乗った事実は、現物を買う個人の行動を変え、小型サイズの需給にまで影響を及ぼした。背景に国際相場と為替の同時期の動きがあったとはいえ、最終的に意思決定を促したのは「店頭価格」という目に見える指標である。節目の数値は、次の購入や売却の判断軸として意識されやすい。
今後、価格が上振れても下振れても、2万円は参照点として記憶されるだろう。投資目的・保有期間・サイズ選択を先に定め、「店頭価格の更新」「在庫・受け渡しの案内」を淡々と確認する。数字に振り回されない手順が、変動の大きな市場で自分を守る最も確実な方法になる。
