
2025年10月14日、田中貴金属工業が金の店頭小売価格を1g=22,326円と発表。国内で初めて2万2,000円を超え、過去最高値を更新しました。米中摩擦や米政府機関の一部閉鎖などリスク回避の動きが強まるなか、安全資産として金への関心が再び高まっています。
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国内の金価格が初の2万2,000円台に到達
田中貴金属が1グラム22,326円を公表(2025年10月14日)
国内金価格の最新動向(冒頭要約表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2025年10月14日(火) |
| 店頭小売価格 | 1グラム=22,326円(前週末比+618円) |
| 店頭買取価格 | 1グラム=22,135円 |
| 特記事項 | 初の2万2,000円台、過去最高値を更新 |
| 指標企業 | 田中貴金属工業(東京) |
国内小売が初の2万2,000円台 安全資産としての需要が拡大
2025年10月14日、国内の金小売価格の指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格が1グラムあたり22,326円となり、前週末から618円上昇した。1グラムが初めて2万2,000円台に達し、過去最高値を更新した。金の国内小売価格がこの水準を超えるのは初めてであり、複数の報道機関が同日、節目を越えたことを伝えた。
背景には、前日のニューヨーク金先物が1トロイオンス=4,100ドル超で取引を終えた国際市況の上昇がある。海外市場で金の買いが強まった流れが、翌日の国内相場に波及した形だ。円安基調が続く中で、円建て価格が押し上げられたとみられる。
田中貴金属の当日公表によると、同日の店頭買取価格は1グラム22,135円で、小売とともに過去最高値を記録した。価格は午前9時30分に更新され、同社の公式サイトでも発表されている。
10月序盤から続いた節目更新と店頭需要の変化
10月に入ってからの金価格は上昇基調が顕著だった。8日には小売価格が21,759円に達して最高値を更新し、6日には初めて2万1,000円を超えたことが報じられている。短期間で1,000円以上の値上がりが続いた格好だ。
需要の高まりを受け、田中貴金属は6日、小型地金の販売を一時停止した。販売現場では購入希望者が相次ぎ、地金の在庫が追いつかない状況になったことを明らかにしている。実需の勢いが強く、投資目的だけでなく「価格が下がらないうちに確保したい」という消費者心理も反映しているとされる。
一方、海外市場ではアメリカの政局不透明感や米中貿易摩擦への懸念など、リスク回避の流れが強まっている。こうした背景のもと、世界的に「安全資産」としての金需要が拡大していることが、国内価格を押し上げる一因となっている。
国内外の金価格と推移
| 時点 | 指標 | 価格 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月13日 | ニューヨーク金先物 | 約4,100ドル/トロイオンス | 国際市場で上昇基調 |
| 2025年10月14日 | 田中貴金属店頭小売 | 22,326円/グラム | 初の2万2,000円台突破 |
| 2025年10月14日 | 田中貴金属店頭買取 | 22,135円/グラム | 過去最高値を記録 |
| 2025年10月8日 | 国内小売価格 | 21,759円/グラム | 直近の最高値更新 |
| 2025年10月6日 | 国内小売価格 | 約21,000円/グラム | 小型地金販売一時停止 |
金価格を押し上げた背景と世界的要因
金の価格が過去最高を更新した背景には、複数の国際的な要因が重なっている。
まず、アメリカの政府機関の一部閉鎖により経済運営への不安が広がったこと、そして米中貿易摩擦の長期化懸念が再燃したことが挙げられる。これらが市場全体の「リスク回避」姿勢を強め、安全資産とされる金に資金が集まる要因となった。
加えて、米国の金利政策に対する不透明感も続いている。市場では金利の先行きに対する見通しが揺らいでおり、利回りの低い債券よりも実物資産への需要が高まりやすい環境になっている。
これらの報道に共通しているのは、「金の安全性」が再評価されている点だ。国際市場では、各国の中央銀行が外貨準備として金を買い増す動きも見られており、長期的な需要の支えになっている。
国内市場の受け止めと今後の焦点
国内市場では、店頭価格の上昇を背景に投資型地金の購入相談が増加したという声も伝えられている。特に個人投資家の間では、「小口で購入し、長期保有を目的にする動き」が目立っている。
一方で、価格が高止まりするなかでの新規参入には慎重な見方もある。高値圏での購入リスクを避けようとする姿勢や、為替の変動によって円建て価格が変わる点に注意を促す専門家のコメントも報道されている。
10月14日の価格上昇は、2025年内でも象徴的な局面といえる。短期的な動きとしては利益確定売りの可能性もあるが、世界的なリスク要因が継続する限り、金の需要は底堅く推移するとの見方が多い。
今後は、為替レートと米国経済の動向、そしてアジア地域の金需要がどのように推移するかが焦点となる。
生活者にとっての金価格上昇
金の価格が上昇すると、投資市場だけでなく日常生活にも影響が及ぶ。ジュエリーや貴金属製品の販売価格が上がり、修理費用や加工費にも反映されることがある。
一方で、保有している金製品を売却する側にとっては好機となる。多くの店頭では買い取り価格も過去最高を記録しており、家計の一部に「臨時収入」として寄与するケースもある。
価格上昇を単なるニュースとしてではなく、暮らしの一部として捉えることで、金相場の意味をより具体的に理解できる。
金価格上昇の波及構造
NY金先物上昇(10月13日)
↓
米中貿易摩擦・米政府機関閉鎖への懸念拡大
↓
リスク回避の資金が安全資産へ移動
↓
国内先物市場・為替を通じて円建て金価格が上昇
↓
田中貴金属の店頭価格が22,326円に(10月14日)
FAQ:金価格に関するよくある質問
Q1:2025年10月14日の国内金小売価格はいくらですか?
A1:田中貴金属工業が公表した店頭小売価格は1グラム22,326円で、過去最高値を更新しました。
Q2:この価格上昇の主な要因は何ですか?
A2:米中貿易摩擦の再燃懸念、アメリカ政府機関の一部閉鎖による不安、金利政策の不透明さなどが報道で指摘されています。
Q3:前日の海外市場ではどのような動きがありましたか?
A3:ニューヨーク金先物が1トロイオンス=4,100ドルを超えて取引を終え、翌日の国内価格上昇につながりました。
Q4:実際の生活にどんな影響がありますか?
A4:ジュエリー価格の上昇や、金製品の買い取り価格上昇など、消費者の動向にも影響があります。
Q5:今後も上昇が続くのでしょうか?
A5:国際情勢や為替次第で変動するため一概には言えませんが、報道では「金の安全資産としての価値が再認識されている」と伝えられています。
2025年10月の金市場動向まとめ
金が再び“信頼の資産”として浮上した理由
今回の国内金価格の上昇は、一時的な投機の波ではなく、世界経済の不確実性を背景にした「安全資産への回帰」を象徴している。
過去にも政治的混乱や通貨不安が高まる局面で金は買われてきたが、2025年の上昇はデジタル資産の拡大や金利変動など、従来と異なる環境下で起きている点に特徴がある。
金は配当を生まない資産である一方、その「実物としての信頼」が危機時に評価される。米国や中国など主要国の経済政策が不透明ななか、投資家や消費者が再び“金に価値を求めた”動きは、金融市場全体の心理を反映している。
今後も金価格が高値圏で推移するかは断言できないが、2025年10月のこの記録的な高値は、「現代社会が再び安全資産を求めた時代の象徴」として記憶されるだろう。