島根県松江市の小学校教諭（27）が大麻リキッドを使用・所持した疑いで逮捕。県教育委員会の通報から尿検査で陽性反応が確認され、知人の飲食店従業員（29）も有償譲渡容疑で逮捕された。教育現場に走った衝撃と、改正大麻取締法のもとで進む捜査の実態を詳しく解説します。
松江の小学校教諭を逮捕
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島根・松江の小学校教諭を逮捕 大麻リキッドを使用・所持した疑い
2025年11月4日、島根県警松江署は松江市立小学校の教諭の男（27）を麻薬及び向精神薬取締法違反（所持・使用）の疑いで逮捕した。男は「間違いありません」と容疑を認めている。同署は同日、教諭に大麻を譲り渡したとして、市内の飲食店従業員の男（29）も有償譲渡の疑いで逮捕した。
事件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年11月4日 |
| 発表機関 | 島根県警松江署 |
| 容疑 | 麻薬及び向精神薬取締法違反（所持・使用、有償譲渡） |
| 関係者 | 小学校教諭（27）と飲食店従業員（29） |
| 所持品 | 大麻を含んだ液体（大麻リキッド）約0.083グラム |
| 通報者 | 県教育委員会 |
| 認否 | 2人とも容疑を認める |
教諭の大麻使用が発覚した経緯
松江署によると、教諭は2025年6月13日ごろから9月22日ごろまでの間に、松江市内やその周辺で大麻を使用した疑いがある。9月22日、自宅で大麻成分を含む液体約0.083グラムを所持していたとされる。
県教育委員会が「麻薬使用の疑いがある」として警察に通報し、尿検査で陽性反応が確認された。教諭は勤務先の学校で通常勤務を続けていたが、通報を受けた警察が任意で事情を聴き、容疑を特定した。
松江署は押収した液体の成分を鑑定し、入手経路を調べている。捜査関係者によると、教諭は「知人から譲り受けた」と供述しているという。
通報から逮捕に至るまでの流れ
県教育委員会が通報したのは2025年9月22日。通報を受けた松江署は同日、尿検査で大麻成分の陽性反応を確認した。これを受けて教諭の自宅を捜索し、大麻リキッドの小瓶を押収した。
警察は関係者の事情聴取を進めるなかで、飲食店従業員の男が教諭に対して液体を販売した疑いを把握した。教諭が使用したとされる期間や量、購入方法など、詳細な経緯を調べている。
大麻リキッドの売買と関係者の供述
教育現場に広がる波紋
松江市教育委員会は「事実関係を確認中」としており、教諭の勤務先の学校には保護者や地域から不安の声も寄せられている。学校現場では、再発防止策や教職員への注意喚起を検討しているという。
一方で、今回の事件は、2024年12月に施行された改正大麻取締法以降、地方でも相次ぐ大麻関連の摘発の一つとなった。警察は「教育関係者による薬物事件は極めて遺憾」として、背後関係の解明を急いでいる。
改正法の下で進む捜査と運用の実際
今回の事件は、2024年12月に施行された改正大麻取締法後の摘発として注目された。改正により、大麻の「施用」も処罰対象に含まれるようになり、2025年3月から段階的に適用範囲が広がっている。松江署は、教諭が入手した大麻リキッドの成分を分析し、譲渡経路や使用の動機を慎重に調べている。
県内では、法改正後に初めての教職員による薬物事件とみられ、教育委員会は捜査結果を踏まえて再発防止策を検討するとしている。警察は「小さな量でも違法性は変わらない」として、引き続き販売ルートの特定を進めている。
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捜査の進展と供述の内容
逮捕された教諭と飲食店従業員の両名は、「間違いありません」と容疑を認めている。警察は、譲渡された液体の量が微量であっても犯罪が成立するとして、証拠資料を押収。現時点では、教諭が日常的に使用していたかどうかなど、使用頻度や影響についても調べを進めている。
また、捜査関係者によると、2人は特定の交友関係を通じてつながっていたとみられ、譲渡が単発のものだったのか、常習的だったのかを慎重に検証している。警察は、地域社会への影響を考慮し、事件の背景を丁寧に説明する方針を示している。
教育現場から見た信頼回復の課題
松江市教育委員会は、11月5日時点で懲戒処分の詳細を公表していないが、事実関係を確認した上で対応を決めるとしている。教育現場では、児童への説明や保護者対応を慎重に進める必要があり、関係者からは「子どもたちの信頼を取り戻すことが何より大切」との声が上がっている。
薬物事件が教育の現場で起きたことに対して、市民からは驚きとともに「身近な場所でも危険が潜んでいる」との懸念が広がっている。再発防止に向けて、学校や教育委員会、警察の連携が求められている。
通報から逮捕までの流れ
教員の不審行動発覚
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県教育委員会が通報（2025年9月22日）
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松江署が尿検査を実施 → 陽性反応確認
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教諭の自宅を捜索し大麻リキッド押収
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入手経路を捜査 → 知人の関与を特定
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2025年11月4日：2人を逮捕
事件に関するよくある質問（FAQ）
Q1. 改正大麻取締法とは？
A1. 2024年12月に施行された改正法で、大麻の使用や施用行為も処罰対象に含まれるようになった。2025年3月から段階的に適用範囲が拡大している。
Q2. 教諭はどのように発覚したのか？
A2. 県教育委員会が使用の疑いを通報し、尿検査で陽性反応が出たことから事件が明るみに出た。
Q3. 大麻リキッドとは何か？
A3. 大麻成分を液体に溶かしたもので、電子たばこなどで吸引できる形態。日本では大麻取締法で所持や使用が禁止されている。
Q4. 教育委員会や学校の対応は？
A4. 事実確認を進めており、処分内容や保護者説明は今後検討される見込み。
Q5. 今後の捜査の見通しは？
A5. 松江署は入手経路と販売者の関係をさらに調べ、流通経路の解明を進めている。
事件の経過を整理
教育と信頼を取り戻すために
今回の事件は、教育現場で信頼を得るべき立場の教員による違法行為として、地域社会に大きな衝撃を与えた。大麻リキッドは入手が容易で、若年層にも拡散しやすい特徴がある。教育関係者が関与したことで、薬物教育のあり方や教職員の倫理意識が改めて問われている。
警察や教育委員会が迅速に対応した点は評価できるが、事件を「一件の不祥事」として片づけず、学校内での薬物防止教育を継続的に実施することが求められる。特に児童や生徒に対し、「違法薬物はどんな形であれ危険である」と伝える現場の姿勢が重要だ。
また、教職員の心身の健康やストレスケアを支援する制度の整備も欠かせない。地域と教育機関が一体となり、信頼回復に向けた取り組みを進めることが、今回の事件を教訓として生かす道である。
