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ブックオフ閉店ラッシュ:業績は絶好調なのになぜ?背景にある戦略

都心部を中心にブックオフの店舗が続々と閉店しているというニュースが話題。
ブックオフの閉店ラッシュが示すものとは?

 

2024年秋、ブックオフの都内店舗で閉店が相次ぐ見通しとなり、利用者や地域住民に大きな影響を与えている。とくに杉並区では「阿佐ヶ谷南店」「新高円寺駅店」のほか、目黒区の「学芸大学駅前店」も閉店対象となっており、区内の店舗数は3カ所にまで減少する。千葉県内でも「行徳駅前店」が同時期に閉店することが発表された。


■ 閉店対象店舗と反響

これらの閉店情報は、2024年9月以降にブックオフ公式サイトや複数の報道機関を通じて告知されたもので、いずれも10月中の営業終了が予定されている。店舗別の公式発表では「利用状況」「老朽化」「人材確保の難しさ」などを理由として挙げており、売上や利益の低迷ではないことが明示されている。

SNS上では、かつての通学路や思い出の買い物体験を振り返る声も多く見られ、「またひとつ通った場所が消える」といった投稿が共感を呼んでいる。


■ 売上増でも閉店が続く理由

ブックオフグループホールディングスが発表した2024年度上期決算では、売上高が前年同期比9.3%増の823億円、経常利益が12.5%増の30億円と、堅調な成長が記録されていた。既存店の売上も前年を上回っており、全社的な業績低下は確認されていない。

それにもかかわらず都市部の閉店が相次ぐ背景には、店舗戦略の見直しがあるとされている。とくに「駅前立地の小型店」については、通勤客の減少や運営コストの高騰により収益性を保ちにくくなっており、再編の対象となりやすい傾向にある。


■ 小型店から大型店舗へ 業態転換の動き

現在、ブックオフは「BOOKOFF」「BOOKOFF PLUS」「BOOKOFF SUPER BAZAAR」の3業態で展開されており、もっとも注力されているのが大型複合店である「SUPER BAZAAR」である。

2023年には山梨県内で2店舗を閉鎖し、「BOOKOFF SUPER BAZAAR 甲府貢川店」に統合する動きも確認されており、この方針は地方のみならず都市部にも広がりつつある。

衣料・貴金属・スポーツ用品・トレカまで扱うこれらの大型店は、在庫の回転率と滞在時間をともに引き上げやすく、顧客単価の向上にもつながっているとされている。


 本を売る場所から「体験の場」へ

従来のブックオフは、中古書籍を安価に提供する店舗として親しまれてきたが、近年はその役割が大きく変化している。各地の大型店では、トレーディングカードの対戦スペースやイベントスペース、ブランド買取窓口などが設けられ、商品を売買するだけでなく“過ごす”ことに重点を置いた設計へと移行している。

これにより、家族連れや若年層が店舗に滞在する時間が伸び、ECとは異なる購買体験が提供されている。


店舗戦略の再編と都市部の限界

駅前の小型店舗は、かつて「通勤途中に寄れる」「空き時間に立ち寄れる」という立地価値があったが、テレワークの定着やEC市場の拡大によって、その優位性が薄れてきた。一方、郊外型の大型店舗は駐車場を備え、週末の家族来店にも適していることから、ブックオフとしても後者への再配置を進めている。

とくに都心部では人件費・地代の高騰が続いており、一定以上の回転率がなければ維持が困難となっていた。


■ 代替表構成|都市別・閉店と統合の記録一覧

地域 閉店店舗 閉店時期 統合先・新設店舗 備考
東京・杉並 阿佐ヶ谷南店、新高円寺駅店 2024年10月 地域内残存は3店舗に減少
東京・目黒 学芸大学駅前店 2024年10月 駅前立地の店舗撤退
千葉・市川 行徳駅前店 2024年10月 再出店未定
山梨・甲府 甲府バイパス店/甲府昭和店 2023年 BOOKOFF SUPER BAZAAR 甲府貢川店 小型2店舗統合の事例

「懐かしい場所が消える」ことの重み

古書を探しに行った思い出の書店が、ある日閉店していた――そうした体験は、誰しも一度はあるだろう。ブックオフのようなリユース店舗は、商品を通じて他者の時間と交差できる場所であり、単なる販売スペース以上の意味を持っていた。

今回の閉店は、店舗の戦略的再編に過ぎないが、利用者にとっては“時代が動いた”と実感するきっかけになっている。


■ よくある質問(FAQ)

Q1. ブックオフは赤字で閉店しているのですか?
A1. 現在のところ、閉店は赤字によるものではなく、利用状況や施設の老朽化、人材確保の難しさが理由とされています。

Q2. どうして都心部の店舗ばかりが閉まるのですか?
A2. 人件費や地代の高さに対して収益性を確保しにくいため、より効率的な立地に再配置する方針が取られています。

Q3. 書籍市場の縮小は影響していないのですか?
A3. 書籍買取需要の減少は一部影響していますが、店舗戦略上の整理が主な理由です。

Q4. 今後はどのような店舗展開になるのですか?
A4. 「BOOKOFF SUPER BAZAAR」などの大型複合店舗への集約が進められています。

Q5. 近くのブックオフが閉店したらどこに行けばいいですか?
A5. ブックオフ公式サイトで近隣店舗や新設店舗の検索が可能です。


閉店の背景と企業方針の変化

要素 内容
閉店対象 東京(杉並区・目黒区)、千葉(市川市)など
閉店理由 老朽化、利用者数の減少、人員確保の困難など
業績状況 売上・利益ともに前年を上回る成長を記録
戦略転換 小型店閉鎖と「BOOKOFF SUPER BAZAAR」への統合
利用者の声 思い出の場として閉店を惜しむ声が多く見られた

店舗が果たす“地域との交点”という役割

都市部の駅前にあったブックオフが姿を消す――これは単なる商業判断にとどまらず、地域における記憶の場所が減っていく過程でもある。書店という空間は、商品以上に時間と対話の場でもあった。店舗戦略の転換は合理的な判断だとしても、「また来よう」と思えたその場所がなくなる喪失感は、小さくない。

事業者が未来へ向かうとき、そこにあった過去もまた、忘れてはならない一部である。

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