2025年10月13日、TOHOシネマズ新宿で『THE オリバーな犬 MOVIE』公開記念舞台あいさつ開催。オダギリジョー監督が吉岡里帆らと登壇し、作品への思いを語った。
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『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』公開記念舞台あいさつが開催
2025年10月13日、東京・TOHOシネマズ新宿で、映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』の公開記念舞台あいさつが行われた。監督を務めたオダギリジョーが登壇し、吉岡里帆、森川葵、髙嶋政宏、菊地姫奈らキャスト陣が並んだ。前日12日には大阪・京都・名古屋で監督が登壇するティーチインが行われ、映画の魅力を直接観客に語りかけた。
公開記念舞台あいさつの概要
オダギリジョーが描く独自の世界観と映画版の位置づけ
映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』は、オダギリジョーが監督・脚本・編集・出演を務める作品で、2025年9月26日に全国公開された。
本作はNHKで放送されたドラマ版の流れを継ぐ映画化作品であり、独特のユーモアとシュールな世界観が映画館のスクリーンに再構築された。オダギリが生み出す不可思議な人物造形と会話劇は、テレビシリーズの延長ではなく、新しい“拡張版”として受け止められている。
映画には吉岡里帆、森川葵、髙嶋政宏、菊地姫奈といったキャストが加わり、物語に新しい空気を吹き込んだ。演出・編集まで手がけるオダギリの作品づくりは、監督本人の個性が隅々にまで行き届き、独自の映像リズムを作り出している。
二日間にわたる舞台あいさつの流れ
9月の公開を経て、10月12日と13日は、観客との交流を目的とした舞台あいさつが続いた。12日は大阪・京都・名古屋で監督がティーチイン形式で登壇し、上映後の観客と作品の裏側について語る時間が設けられた。監督自らが観客の質問に答え、製作意図やキャストとのエピソードを交えて話す姿に、温かい拍手が送られた。
翌13日は、東京・新宿での公開記念舞台あいさつ。監督と主要キャストが登壇し、作品の魅力と撮影時の印象をそれぞれの言葉で振り返った。吉岡里帆は「現場の空気がとても穏やかで、オダギリ監督の柔らかい指揮が印象的でした」と語り、森川葵は「作品全体の世界観の中に自分が溶け込めるのが楽しかった」と話した。
舞台上では、監督が笑いを誘う場面もあり、終始和やかな雰囲気でイベントは進行した。
地方ティーチインと東京舞台あいさつの違い
映画の余韻と観客への広がり
『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』の舞台あいさつは、監督と観客、キャストが直接顔を合わせ、作品を通じて心を通わせる場となった。
地方での対話型イベントから新宿での記念ステージまで、二日間にわたる展開は、オダギリジョーの作品づくりが観客との距離を大切にしていることを改めて示した。
映画は現在も全国で上映中。オダギリジョーが描くユーモラスで不可思議な世界が、スクリーンを通して観る人に新しい刺激と笑いを届けている。
映画が描く“人と犬の関係性”が映す現代の優しさ
映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』は、登場人物と動物たちのやり取りを通じて、社会の中にある不器用な優しさを描いている。ドラマ版から受け継がれたユーモアと不条理のバランスはそのままに、映画ではより丁寧に“孤独とつながり”が掘り下げられた。
オダギリジョー監督は、自身の演技を含めて世界観を統一し、複数の立場の人々が同じ空間で交差する構造を作り上げた。画面のテンポや会話の間の取り方には、監督特有のリズムがある。犬を題材にしながらも、人間の本音を静かに映し出す物語となっており、観客は笑いの中に深い余韻を感じ取る。
キャストが語る“現場の空気”
舞台あいさつでのキャストのコメントには、撮影現場の雰囲気がにじんでいた。
吉岡里帆は「監督が現場全体の空気を柔らかくしてくれる」と語り、森川葵は「自由な発想で動くことを許してもらえた」と振り返った。
髙嶋政宏は「オダギリ監督の作品には独特のリズムがあり、それに身を委ねることで新しい表現が生まれる」と述べ、菊地姫奈は「台詞よりも空気で伝わる感情があった」と語った。
オダギリ監督自身も、「観客がどう受け取るかを一番大切にしたい」とコメントしており、観る側に委ねる演出姿勢が作品全体の魅力として伝わった。
オダギリジョーの“演出哲学”
オダギリジョーの演出には、俳優としての感覚と監督としての距離感の両方が存在する。彼は芝居を“整えすぎない”ことで、偶然生まれる人間らしさを作品の強度に変えている。
そのため、『THE オリバーな犬』ではセリフよりも間、説明よりも空気が重視されている。観客はその曖昧さの中に、登場人物の心の動きを探し、解釈を自分の中で完成させていく。
この“受け手の自由”を尊重する姿勢が、彼の作品を唯一無二の存在にしている。
公開から舞台あいさつまでの流れ
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9月26日 — 映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』が全国公開される。
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公開後、観客の口コミやレビューが広がり、SNSなどで作品の話題が広がる。
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10月12日 — 大阪・京都・名古屋で監督登壇のティーチインが実施される。
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翌10月13日 — TOHOシネマズ新宿で公開記念舞台あいさつが開催され、監督とキャストが登壇。
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イベント終了後、上映館での追加公演・トーク企画などが順次行われ、作品の熱が継続している。
よくある質問(FAQ)
Q1:映画はドラマ版を見ていなくても楽しめますか?
A1:映画版は独立した物語として成立しており、ドラマを知らない人でも理解できる内容です。
Q2:監督オダギリジョーはどのような役割を兼任していますか?
A2:監督・脚本・編集・出演のすべてを担当し、作品全体のトーンを統一しています。
Q3:舞台あいさつはいつ行われましたか?
A3:2025年10月12日に大阪・京都・名古屋でティーチイン、13日に新宿で公開記念舞台あいさつが行われました。
Q4:映画はどこで上映されていますか?
A4:全国の主要劇場で上映中で、公式サイトで最新の上映館情報が確認できます。
Q5:観客の反応はどのようなものでしたか?
A5:上映後には温かい拍手が多く、ユーモアと余韻のある作品として好意的な声が寄せられています。
映画の魅力とイベントの要点
オダギリジョー作品が示した“観客との距離の美学”
『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』が際立っているのは、派手な演出や感情の押し付けではなく、「受け手が自分の感情を整理する余白」を意識的に残している点にある。
オダギリジョーは俳優として、そして監督として“完成よりも未完の美しさ”を重んじる。観客がそれぞれの視点で登場人物を読み解く余地を残すことで、物語は上映後も心の中で続いていく。
舞台あいさつでキャストと観客が直接言葉を交わしたことは、まさにこの映画の構造そのものを象徴している。
一方的な発信ではなく、双方向の関係を築く――それが、オダギリジョーが映画を通じて示した“新しい優しさのかたち”だった。