TBS制作×Netflix配信ドラマ『九条の大罪』が2026年春に世界配信。柳楽優弥が弁護士・九条間人を演じ、松村北斗とバディを組む。原作は真鍋昌平による社会派漫画。
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Netflixシリーズ『九条の大罪』実写化が正式発表
2025年10月20日、TBSが制作・Netflixが世界独占配信へ
2025年10月20日、TBSはNetflixとの共同制作によるドラマシリーズ『九条の大罪』の実写化を正式発表した。
原作は漫画家・真鍋昌平による同名作品で、主演を俳優の柳楽優弥が務める。
配信は2026年春を予定しており、世界190以上の国と地域で同時に公開される計画だ。
発表時には制作陣として、監督の土井裕泰、山本剛義、足立博、プロデューサーの那須田淳が名を連ね、
TBSとNetflixによる共同ドラマ制作の新たな試みとして注目を集めている。
発表概要と作品の主要情報
実写化発表と制作の背景
TBSが発表した『九条の大罪』は、社会の闇を題材にした物語を得意とする真鍋昌平の漫画を実写化した新作シリーズである。
主演の柳楽優弥は、グレーな案件を専門に扱う弁護士・九条間人を演じる。
相棒となる烏丸真司役には、SixTONESの松村北斗が起用された。
発表内容によると、九条は半グレ、ヤクザ、前科者など、扱いが難しい依頼人の案件ばかりを引き受ける弁護士として描かれる。
法律の枠の中であえて「道徳上許しがたい悪人」を弁護することで、
社会の中にある“正義とは何か”という根本的な問いを突きつける構成になっている。
監督を務める土井裕泰は、『花束みたいな恋をした』『罪の声』などで知られ、
人間ドラマと社会問題を交差させる演出力に定評がある。
同氏は今回の作品について、「原作の空気感と人物のリアルさを丁寧に再現したい」とコメントしている。
制作を担当する那須田淳は、TBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』などを手がけたヒットメーカーであり、
Netflixとの共同制作では『地面師たち』以来のタッグとなる。
原作『九条の大罪』が描く法とモラルの狭間
真鍋昌平が描く『九条の大罪』は、2020年から「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載されている。
同作は『闇金ウシジマくん』に続く社会派作品として注目を集め、
現代の司法制度が抱える“倫理の限界”を、弁護士の立場から描いている。
九条間人は、依頼人の善悪を問わず弁護を引き受ける人物で、
作中では「思想信条がないのが弁護士。依頼者を弁護するのが使命だ」という台詞が象徴的に使われている。
その姿勢は、法と道徳のどちらを優先すべきかというテーマを提示し、
読者にとっては単なる法廷ドラマを超えた“現代の正義の形”を考える契機となっている。
今回の実写化により、漫画で描かれていた“倫理のグレーゾーン”が、
映像表現によってどのように再構築されるのかが注目される。
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TBS×Netflix 共同ドラマ制作の系譜
TBSとNetflixは過去にも社会問題を題材にした共同制作を行っており、
『地面師たち』では不動産詐欺をテーマにしたドラマが高評価を得た。
今回の『九条の大罪』も、同様に“社会の裏側”を描く切り口を持ち、
映像表現の自由度を生かした国際配信プロジェクトの第二弾と位置づけられている。
出演者のコメントと制作チームの姿勢
『九条の大罪』の主演を務める柳楽優弥は、発表時のコメントで「知らぬが仏」と「無知は罪」という二つの言葉を挙げ、
主人公・九条間人の行動原理に興味を持ったと語った。
また、松村北斗は烏丸真司を「危険なカッコよさと孤独を併せ持つ九条先生を見つめる存在」と表現し、
物語の軸をなすバディ関係の重要性を示した。
監督の土井裕泰は、「原作のリアリティをできる限り再現しながら、
俳優同士のぶつかり合いから生まれる生の感情を映像に残したい」と述べた。
プロデューサーの那須田淳も、「現実社会の理不尽さや、
それでも生き抜く人々の力強さを描きたい」と制作意図を語っている。
こうしたコメントから、制作陣が原作の社会的テーマを忠実に継承しつつ、
現代的な倫理観の再検証を意図していることが読み取れる。
演出が示す「現代の正義」の描き方
演出陣は、物語の焦点を「罪と弁護」「法と道徳」の対立だけでなく、
登場人物が抱える内面の変化に置いている。
九条間人は弁護士として法を守りながらも、依頼人の背景や社会構造に深く踏み込む。
この姿勢は、単なる弁護活動を超え、法の網目からこぼれ落ちる人々をどう支えるかという課題に向けられている。
土井監督のコメントでも「誰もが白黒つけられない事情を抱えている」という言葉が挙げられており、
本作は登場人物の行動を通じて“正義とは何か”を多角的に描こうとしている。
そのため、映像化では過剰な善悪の対立ではなく、
現代社会に実在する矛盾を淡々と見せることに重点が置かれている。
法とモラルの境界で描かれる人間像
『九条の大罪』の中心にあるのは、法律を扱う者が抱える「信念と現実のズレ」である。
九条は理屈では理解できても感情では納得できない事件と向き合い、
弁護士という立場を通じて社会の矛盾を映し出す。
烏丸はその九条のそばで、理想と現実の差を見つめ続ける。
二人の関係性は、師弟関係ではなく、価値観の対話の場として描かれる。
視点が変わることで、法という仕組みの限界と、
人が人を守るためにどこまで踏み込めるかというテーマが際立つ構造になっている。
制作から配信までの流れ
発表(2025年10月20日・TBS)
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制作準備(脚本・キャスティング確定)
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撮影開始(2025年後半)
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編集・ポストプロダクション
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Netflix配信準備(字幕・各国仕様対応)
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配信予定(2026年春 世界同時公開)
よくある質問(FAQ)
Q1:配信はいつから始まるのですか?
A:2026年春にNetflixで世界同時配信が予定されています。
Q2:原作はどこまで映像化される予定ですか?
A:具体的なエピソード範囲は発表されていません。今後の続報で確認されます。
Q3:監督は誰が担当していますか?
A:土井裕泰、山本剛義、足立博の3名が監督として名を連ねています。
Q4:どんな物語ですか?
A:依頼人を選ばず弁護を引き受ける弁護士・九条が、
社会の矛盾や人間の善悪に向き合う法廷ドラマです。
Q5:原作はどこで読めますか?
A:小学館「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の真鍋昌平『九条の大罪』です。
記録から読み取れる全体のまとめ
この作品は、原作のメッセージをそのまま映像化するだけでなく、
法とモラルがせめぎ合う現代社会を背景に、
個人の信念と組織の正義のズレを描き出す点で独自性を持っている。
『九条の大罪』が映す現代社会の鏡
『九条の大罪』の実写化は、エンターテインメントとしての刺激とともに、
現代社会における「正義」の概念を静かに問いかける企画である。
主人公・九条間人は、悪人にも弁護の権利を認めるという弁護士の原則を体現しながら、
その行為が社会的には受け入れられない矛盾を抱えている。
この構図は、SNS時代に加速する“即断と排除”の風潮に対し、
法の下に生きるという原則をもう一度見つめ直させるものとして意味がある。
柳楽優弥が演じる九条の姿は、現代日本の価値観の多様化を映す存在でもあり、
善悪の境界を定めることが難しい時代に、
「なぜ弁護するのか」という根本的な問いを突きつける。
土井裕泰監督の演出は、その複雑さを表面的な対立にせず、
日常の中に潜む“倫理の揺らぎ”として描こうとしている。
NetflixとTBSによる共同制作は、国内ドラマを国際的な文脈で見せる試みとして位置づけられる。
それは単なる映像化ではなく、日本社会のリアルを世界に届ける取り組みでもある。
『九条の大罪』の実写化は、法と道徳、個人と社会、現実と理想の狭間で揺れる時代に、
「正義とは誰のためにあるのか」という問いを観る者に残す作品になるだろう。