J1第13節延期分で横浜F・マリノスがヴィッセル神戸に1-2で敗北し、クラブ史上初となる7連敗。ACL日程消化戦で再編布陣も、かつての主将・扇原貴宏に2アシストでやられる展開に。キャプテン喜田が2年ぶりに決めた無回転ミドルも届かず、残留圏との勝ち点差は10に拡大。反撃の糸口はどこに?
横浜FMが
史上初の7連敗
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横浜F・マリノスがクラブ史上初の7連敗という深刻な状況に陥った。ACL日程による延期消化戦で神戸に敗れ、最下位が確定的となる中、注目を集めたのは古巣相手に躍動したMF扇原の2アシストと、キャプテン喜田の無回転ミドル弾だった。混迷を深める名門の現在地と、そこに宿る“希望の断片”を探る。
✅ 見出し | 要点(1文) |
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試合結果 | 横浜FMは神戸に1-2で敗れ、クラブ史上初の7連敗となった |
扇原の活躍 | 古巣相手にMF扇原が2アシストの活躍で神戸が連勝 |
喜田の意地 | キャプテン喜田が4試合ぶりの得点を無回転ミドルで決めた |
現状と差 | J1残留圏17位との勝ち点差は10に拡大している |
横浜FMはなぜクラブ初の7連敗に陥った?
試合はどう展開したのか?
延期となっていた第13節、横浜FMはACLエリート出場による過密日程の中、日産スタジアムで神戸を迎えた。開始早々、宮市亮が決定機を迎えるもゴールならず。その直後から神戸の反撃が始まり、前半19分に扇原の浮き球スルーパスからエリキがゴールを決めた。
一時はキャプテン喜田が豪快なミドルシュートを叩き込んで同点に追いつくが、後半早々に扇原の精密なFKから大迫勇也が決勝弾をヘディングで決めたことで、試合は再び神戸優位に傾いた。横浜FMは終盤にかけて反撃の糸口をつかめず、泥沼の7連敗が確定した。
どんなミスが失点につながったのか?
最初の失点は、ロングスローを起点にした波状攻撃から。永戸がラインを上げきれず、オフサイドトラップが崩壊した形でエリキがフリーに。さらに2失点目では、セットプレーの守備の甘さが露呈。扇原の精密なボールに対し、マークが外れた大迫が完全フリーでヘディングシュートを決めている。
全体を通じて、DFラインの連動不足とセカンドボール対応の遅れが失点に直結しており、守備組織の再構築が急務となっている。
喜田のゴールの意義とは?
喜田拓也のゴールは、チームにとって4試合ぶりの得点であり、キャプテンとしての意地が見えたシーンでもあった。右斜め前から放たれた“無回転ミドル”は、ゴール左隅に突き刺さる美しい一撃。これは自身にとっても実に2年ぶりの得点であり、沈黙が続いた攻撃陣の中で唯一気を吐いた場面となった。
しかし、その後に続く連動性がなく、結果的にこのゴールが反撃の起点にはなり得なかったのが悔やまれる点だ。
🔸ミスの連鎖が守備崩壊を引き起こした
横浜FMの守備陣は、連携面で明らかに混乱していた。特にロングスローからの対応時には、DF永戸がライン統率の中心であるにも関わらず、判断が1テンポ遅れた。このズレにより、扇原のパスを受けたエリキが完全にフリーになるという、初歩的なミスが起きた。
また、2失点目も「ゾーン守備にこだわり過ぎた結果」、マークの受け渡しが曖昧になり、ゴール前での競り合いに敗れた。セットプレー対策の形骸化が、そのままスコアに表れた格好だ。
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永戸のラインアップ遅れ → オフサイド破綻
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セットプレー時のマーク確認不足
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ゾーン重視による局地的な無力化
要素 | 横浜FM | 神戸 |
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得点者 | 喜田拓也(1点) | エリキ、大迫(各1点) |
アシスト | 加藤(間接) | 扇原貴宏(2アシスト) |
決定機数 | 5(うち2枠内) | 6(うち3得点関与) |
交代策 | 宮市→井上(前半)など | 酒井のSB回転など戦略的投入 |
守備連携 | ラインアップ遅れ/セカンド緩慢 | 統制されたセット守備 |
扇原はなぜ“古巣キラー”となったのか?
1アシスト目はどんな展開だったか?
前半19分、神戸が先制点を挙げた場面は、扇原の「抜けた感覚」が見事に表れたシーンだった。こぼれ球を拾った彼は、中央で浮き球のスルーパスを選択。タイミングを外すその軌道に、横浜FM守備陣は完全に足が止まった。
エリキがそのままループシュートでゴール右隅に決めたが、この一連の流れを創出したのが、他でもない扇原だった。あくまで“セカンドボール処理”の場面で、急所を突いた彼の判断力は、ベテランとしての円熟味を感じさせた。
2アシスト目の精度と意図は?
後半6分、再びセットプレーから扇原が輝いた。左サイドからのFK、狙いは明確に“ニアではなくファー”。しかもゴールの左奥という、守備が最も対応しづらいゾーンに正確なボールを供給した。
このプレーは、横浜FMの守備陣が“ニア対応型”に偏っていた点を突いた戦術的なアシストであり、明らかに分析を経た上での意図的なキックだったと言える。大迫は完全にフリーの状態で、試合を決定づけるゴールを頭で叩き込んだ。
🔸神戸で開花した“本来の扇原”
扇原貴宏は2017年から2021年まで横浜FMに在籍し、タイトル獲得にも貢献してきた。しかし、主軸になりきれなかった当時の葛藤を考えると、今回の活躍は“古巣への恩返し”というよりも、“証明の時間”だったのではないか。
神戸に移って以降、攻撃的なポジションで自由を得た扇原は、プレースタイルを一変させている。展開力に優れた司令塔として、中盤からゲームを組み立てる形が定着。今回のような2アシストは、まさに神戸での役割を体現した象徴的なパフォーマンスだった。
🔁 【扇原の2アシストによる試合流れ】
① ロングスロー起点(本多)
↓
② こぼれ球 → 扇原が拾う
↓
③ 浮き球スルーパス → エリキ
↓
④ ループシュートで1点目
↓
⑤ 左FK → 扇原がファーへ精密クロス
↓
⑥ 大迫が頭で叩き込み2点目
▶ 見出し | 要点(1文) |
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扇原の1アシスト目 | セカンドボールからの浮き球スルーパスが先制点を演出 |
扇原の2アシスト目 | ファーへの精密FKが決勝点を生む |
古巣戦の意義 | 元所属クラブに見せつけた進化と戦術眼 |
試合の趨勢 | この2プレーが試合を完全に神戸優位へと傾けた |
ここで注目すべきは、扇原が「攻撃の起点としての主役」になっていた点です。横浜FMでは見せられなかった“読みと技術の融合”が、神戸ではチームの勝因そのものに変わっていたのです。
横浜FMはこの先どう立て直すべきか?
攻撃はどこで止まっていたのか?
横浜FMはサイドの宮市を中心に崩そうとする意図は明確だった。しかし、その依存度が高すぎた上に、前半途中で宮市が右太ももを痛めて交代したことで、戦術自体が機能不全に陥った。
また、フィニッシュワークでは連携にズレがあり、植中や山根のシュートも精度を欠いた。喜田の一発以外に“形ある攻撃”がなかったのが深刻な課題である。
守備の修正点はどこにある?
ゾーン守備の徹底が裏目に出た。個々の判断が遅れた場面が多く、連携も緩慢だった。特にセットプレーにおける競り負けが続いており、守備陣全体のマネジメントが不在である。
ファン・選手・監督の温度差は?
SNSではファンから厳しい声が噴出している。「戦術の意図が見えない」「毎回同じように負ける」といった怒りに加え、「監督交代が必要では?」という論調も目立つ。
ピッチで奮闘する選手と、それを采配で活かしきれない監督の差異が、サポーターの不信感として表面化している。
🧠 「勝者と敗者の距離は、紙一重の“再配置”」
勝つ者は、ほとんど何も変えていないように見えて、配置だけが違う。扇原はかつてと同じようにピッチに立ち、同じようにボールを蹴っていた。ただ、そのボールが“自由に届く場所”を与えられたのが今の神戸であり、与えられなかったのが当時の横浜だった。
配置とは戦術だけでなく、人間関係でもある。“信頼される場所”でなら人は結果を出す。その逆では、どれだけ努力しても届かない。これはピッチの中に限らない。組織も、会社も、社会も──敗者が敗者である理由は、たいていそれだけのことなのだ。
✅ 見出し | 要点(1文) |
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横浜FMの苦境 | クラブ初の7連敗で最下位に沈む |
扇原の躍動 | 2アシストで古巣相手に主役に |
攻守の課題 | 攻撃の単調化・守備の脆弱化が顕著 |
今後の焦点 | 残留圏との勝ち点10差、監督采配の行方 |
❓ FAQ
Q1. 横浜FMの7連敗はクラブ史上初ですか?
A. はい、J1リーグ戦では初の7連敗となります(2025年時点)。
Q2. 扇原選手は以前どこに所属していましたか?
A. 2017〜2021年の間、横浜F・マリノスに在籍していました。
Q3. 喜田拓也選手のゴールはどれほどぶりですか?
A. 2023年4月29日以来、約2年ぶりの得点です。
Q4. 次節は誰と対戦しますか?
A. 調査中です(※Jリーグ公式発表待ち)。
Q5. 残留のために必要な勝ち点は?
A. 現在17位との差は10。残留にはあと7〜9勝が必要との試算もあります(スポーツ紙試算)。