埼玉県越谷市で無許可のガールズバーを営業していたとして、風俗店経営の33歳の女ら2人が逮捕された。匿名通報をきっかけに警察が内偵捜査を実施し、約5カ月にわたる接待行為の実態が判明。違法営業の構造と風営法違反の現実とは――。
無許可ガールズバー摘発
女2人逮捕
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埼玉県越谷市で無許可のガールズバーを営業していたとして、風俗店経営の33歳の女らが逮捕された。営業許可を取らずに5カ月間にわたり客を接待していた疑いがあり、匿名の通報から事件が明るみに出た。風営法違反が問われる中、違法営業の実態と取り締まりの現場が改めて注目されている。
なぜ逮捕に至ったのか?
どこで・いつ行われたのか?
事件が発覚したのは、埼玉県越谷市赤山町4丁目にある飲食店での営業だった。逮捕されたのは東京都足立区と三郷市に住む33歳の女2人。昨年12月6日から今年5月20日までの約5カ月間にわたり、店内に専用の接待設備を設け、来店客に飲食の提供とともに接待行為を行っていたとされている。
この飲食店は、一見すると普通のバーに見えるが、実際には風俗営業の形態であるガールズバーとして運営されていたという。客に対する会話や隣に座る接客行為が、風営法上の「接待行為」に該当することが問題となった。
✅密かに続けられた“偽装営業”
対象の店舗は、越谷駅から徒歩圏内の繁華街エリアにあり、外観は一般のカフェバーを装っていたという。近隣住民によれば、「夜になると常にネオンがついていたが、普通のバーと思っていた」と証言しており、地域社会に紛れて営業が続けられていたことがわかる。
実際の営業内容は「お酒を提供しながら女性が会話と隣接接客を行う」ものであり、これは風営法における「無許可接待営業」に明確に該当する。
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看板や宣伝に「風俗」や「接待」の文言はなかった
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接待内容は会話・同席・ゲームなどが中心
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店舗内に専用の“女性待機エリア”が存在していた
匿名通報のきっかけと捜査
昨年12月、「無許可で営業しているのではないか」という匿名の通報が越谷署に寄せられた。通報内容を元に、県警が内偵捜査を進めた結果、違法性が疑われる接待行為の実態が判明。複数回にわたる覆面調査や証拠収集を経て、5月20日、経営者と店長の女2名が風営法違反の疑いで逮捕された。
警察は共犯の可能性も含めて捜査を進めており、逮捕時点では2人の認否について明らかにしていない。今後、他の従業員や取引先に関する調査も広がる可能性がある。
区分 | 無許可ガールズバー | 許可取得済み店舗 |
---|---|---|
法的立場 | 風営法違反(違法) | 風営法に基づく許可取得済み |
接客内容 | 会話・隣席・遊戯など | 同様だが法的に認可 |
取締リスク | 摘発・逮捕の可能性あり | 定期監査と改善指導のみ |
社会的信用 | 著しく低い | 営業実績・地域連携あり |
無許可営業の構造と違法性は?
接待行為の定義と風営法との関係
風営法では、いわゆる「接待」を伴う営業には公安委員会の許可が必要とされている。ここで言う接待とは、客の隣に座って飲食を共にしたり、会話を交わしたり、カラオケのデュエットやゲームを行ったりする行為を指す。
逮捕された女性たちは、まさにこの“接待”を業として行っていたとされる。営業形態は飲食店を装っていたが、内容はガールズバーと変わらず、接待を伴う営業であったことが内偵捜査で裏付けられた。
✅違法営業の摘発まで
① 匿名通報(2023年12月)
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② 越谷署による内偵捜査の開始
↓
③ 店内の接待行為を複数回確認
↓
④ 法的裏付けのもと証拠収集
↓
⑤ 2025年5月20日、逮捕に踏み切る
営業形態と違法リスクの実態
今回の事件では、飲食店の名目で開業しながら、無許可で接待営業を行う“偽装営業”という手法が用いられていた。このようなケースは一見すると合法に見えるため、地域住民の監視の目もすり抜けやすい。
店内には専用の女性従業員スペースや制服の用意があり、店側が“接待をすること”を前提とした営業体制を整えていた形跡が確認されている。また、現場では同様の接待をする複数の女性スタッフが在籍しており、経営が組織的である可能性も指摘されている。
ここで注目すべきは、違法営業が“偽装”によって地域社会に自然に溶け込んでいた点である。法律上の接待の定義や許可制度の存在を、経営側が巧みに回避しようとした構造的意図が垣間見える。
社会的波紋と今後の再発防止策は?
なぜこうした事例が繰り返されるのか?
今回のようなケースは過去にも繰り返されており、違法営業の背景には「低コスト開業」「摘発の遅れ」「認知度の低さ」など複数の要因がある。特に風営法に対する正確な理解の欠如が、違反を招く一因になっている。
また、SNS等で“ガールズバー開業ノウハウ”が流布する中、無許可でも「やっている店はある」と誤解し、模倣する例も少なくない。こうした事例は今後も起こりうる。
行政・警察・市民の連携の必要性
再発防止には、単に摘発するだけでなく、市民への啓発・行政の対応強化が不可欠である。警察による「営業許可の有無の公開」や、近隣住民による通報制度の周知、飲食店開業時の法的研修なども今後の再発抑止に資する可能性がある。
とくに“偽装営業”のように、外見では判断がつきにくい業態への警戒が必要とされる。市民の小さな違和感が、重大な摘発につながるきっかけとなるのだ。
✅偽装という日常と、風営法の穴
静かにネオンが灯る街の一角。その中に違法の芽はあった。
無許可という言葉の軽さに反して、その裏にあるものは重い。
接待、という言葉が何を意味するのか――
この国では「寄り添うこと」さえ許可がいるのだ。
だが法がある以上、それを無視した営業は許されない。
繰り返される「知らなかった」の言い訳。
本当に、知らなかったのだろうか。
匿名の通報が社会の防波堤になるなら、私たちの役割は既に始まっている。
❓FAQ
Q1. なぜ風営法に違反するの?
A1. 接待行為を行うには公安委員会の許可が必要だからです。
Q2. 接待って何をすること?
A2. 客と会話したり、隣に座って一緒に飲食・遊戯を行う行為です。
Q3. どのくらいの期間営業していた?
A3. 約5カ月間(2023年12月~2025年5月)営業していたとされています。
Q4. 通報は誰がしたの?
A4. 匿名の通報で、一般市民からと見られます。
Q5. 店はどこにあった?
A5. 埼玉県越谷市赤山町4丁目の飲食店として営業していました。