マイクロソフトが発表した「Xbox Ally」は、初の携帯型ゲーム機として注目を集める。Windows搭載でSteam・EpicなどのPCゲームにも対応し、従来のゲーム体験を大きく変える可能性を秘める。2モデル展開で年末発売予定。日本展開も調査中。
Xbox初の携帯機
「Ally」発表
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Xbox初の携帯ゲーム機「Xbox Ally」発表!Windows搭載でSteamも遊べる時代へ
マイクロソフトは2025年6月9日、配信番組「Xbox Games Showcase 2025」にて、初の携帯型ゲーム機「Xbox Ally」を発表した。これまで据え置き型中心だったXboxブランドが、ついに“持ち運べる”領域に踏み出したことに、ゲームファンから大きな注目が集まっている。
この「Xbox Ally」は、ASUSと共同開発されたポータブルゲーミングPCであり、従来のXboxゲームだけでなく、SteamやEpic Games StoreなどのPCゲームにも対応。Windowsベースという設計思想が、これまでの「家庭用ゲーム機」の概念を根本から覆しつつある。
2025年ホリデーシーズンに全世界発売予定で、日本国内での展開も「ほぼ確実」と見られている。次世代のゲーム体験が、いまポケットに入るかもしれない――。
なぜ「Xbox Ally」の発表が注目されたのか?
発表された日時・場所とは?
「Xbox Ally」は、マイクロソフトの年次ゲームイベント「Xbox Games Showcase 2025」にて発表された。このイベントは米時間2025年6月9日に配信され、世界中の視聴者が注目する中で、まさに“サプライズ”の形で公開された。
これまでXboxは据え置き型コンソール一筋であり、外出先での使用を前提とした製品展開は皆無だっただけに、この発表には各国のゲームメディアやYouTube実況者たちからも大きなリアクションが見られた。
何が「初」だったのか?
最大のポイントは、「Xbox」ブランドが初めて“携帯型”というカテゴリーに進出したことにある。しかもこの新端末は、単なるゲーム機ではなく、Windows 11をOSとして搭載する“ポータブルPC”という設計になっている。
このため、Xbox専用タイトルだけでなく、SteamやEpic Games Store、さらにはインディー系のWindowsゲームまで広くプレイできる「マルチエコシステム対応型」ハードウェアとなっている点が、これまでの携帯ゲーム機と一線を画す要因だ。
他の携帯機と何が違うのか?
これまで「携帯型ゲーム機」といえばNintendo SwitchやSteam Deckが主流だったが、Xbox Allyはそのどちらとも違う。「Switch」は独自OSと任天堂系ソフトに特化しており、「Steam Deck」はLinuxベースのSteam特化型だが、Xbox AllyはWindows搭載ゆえに汎用性が極めて高い。
OSとしての柔軟性に加え、マイクロソフトの自社サービス(Xbox Game Passなど)とASUSのハードウェア技術が合体したこの新端末は、ゲーム機というより“万能携帯ゲーミング端末”と呼ぶにふさわしい。
🔻ROG Allyとの違い
ROG Allyとは何か?
ASUSが開発した「ROG Ally」は、2023年に登場したポータブルゲーミングPCシリーズであり、Steam Deckのライバルとして位置づけられていた。ROG Allyは当初からWindowsを搭載し、SteamやPCゲームに広く対応していたことから、携帯型PCゲーム機としては異例の人気を集めた。
今回発表された「Xbox Ally」は、このROG Allyをベースに、マイクロソフトとASUSが共同でカスタム開発した派生機種である。従来のROGシリーズに「Xbox Game Pass」「Xbox UI」「独自ストア連携」などが組み込まれ、より“家庭用ゲーム機らしい使用感”を実現している。
✅ 製品背景にROG Allyの実績があることで、Xbox Allyの完成度・信頼性も担保されている形だ。
どんな機能・仕様が話題を呼んでいるのか?
ポータブルでも「据え置き級」の性能に驚き
Xbox Allyが注目を集める最大の理由は、携帯型でありながらも“据え置き機並み”のスペックを実現している点にある。上位モデル「ROG Xbox Ally X」は、AMDの新型Ryzen Z2 Extremeチップに加え、24GBメモリ、1TB SSDを搭載。これは一部のゲーミングノートPCをも凌ぐ構成であり、AAA級タイトルの快適なプレイも可能とされている。
さらに、OSにはWindows 11を採用。これにより、Xbox Game PassだけでなくSteamやEpic Games Store、GOGといった主要なPCゲームプラットフォームに対応。単なる“Xboxの携帯機”を超え、真のポータブルゲーミングPCとしての可能性を広げている。
また、従来のROG Allyシリーズのユーザーから高く評価されていた冷却性能やディスプレイ品質も継承。専用のコントロールソフト「Armoury Crate SE」では、電源設定やパフォーマンス切り替えも直感的に操作できる仕様となっている。
スペック差で選べる2モデル展開
一方で、価格や性能の選択肢として、下位モデル「ROG Xbox Ally」も用意されている。こちらはRyzen Z2A・メモリ16GB・512GB SSDと、上位機種よりは抑えられた構成だが、それでも軽量ゲームや中量級タイトルには十分な性能を持つ。
プレイヤーが自身のゲームスタイルに合わせてモデルを選択できる点も、今のゲーマー層にフィットしたアプローチだ。さらに、マイクロソフト公式アプリ「Xbox App」やクラウドセーブ機能との連携により、既存のXboxプレイヤーにもシームレスな体験を提供している。
モバイル×PC×Xboxを繋ぐ「境界線の消失」
これまで「PCゲーム」と「コンソールゲーム」は、OS・UI・ハード環境など多くの点で明確に分かれていたが、Xbox Allyはそれらの“境界”を一気に曖昧にした。この動きは、ゲーミング業界全体にとっても象徴的だ。
実際、Xbox Game Passのモバイル展開と、Steam Deckの市場浸透により、2020年代半ばのゲーム市場は「場所を選ばない体験」への移行が加速している。Xbox Allyの登場は、こうした流れにおける“決定打”と見る声も多い。
現在のゲーム業界では、「クラウド」「ポータブル」「クロスプラットフォーム」が急速に発展している。その中で、Xbox Allyは“全部入り”とも言える存在だ。単なるデバイスのスペック競争ではなく、ソフト資産やUI互換性まで含めて「ゲーム体験」をどう提供するかが問われる時代となっている。
とくに既存Xboxユーザーにとっては、Game Passとの親和性、セーブデータの連動性、アカウント統一管理など、安心して使える「持ち運べるXbox」の誕生と受け止められている。
🔁Xbox Allyの注目ポイントはどこにある?
[Windows搭載] → [多様なゲームプラットフォームに対応]
↓
[高性能Ryzenチップ搭載] → [AAAタイトルも快適にプレイ可]
↓
[Xbox Game Pass連携] → [従来のXbox資産が活用できる]
↓
[携帯型×据え置き級の融合] → [“ゲーム体験の新基準”を提示]
Xbox Allyは「ゲーム業界の未来」を変えるのか?
ポータブルの思想が、ゲーム機の定義を壊す
「据え置き」「携帯機」という分断は、もう過去の遺物なのかもしれない。Xbox Allyは、ハードという形そのものを超えて、“遊びの環境”を持ち運ぶという新しい思想を提示している。
これは単なるハードの革新ではない。Steam DeckやROG Allyが切り開いた市場に、ついに“Microsoftの哲学”が流れ込んできた。しかもそれは、OSレベルでの統合であり、プラットフォームをまたぐ“遊びの継承”にほかならない。
我々がゲーム機に求めてきたのは、性能ではない。「どこで」「何を」「どう遊ぶか」だ。その答えに対し、Xbox Allyは極めて現代的な解を示している。それは「制限のない選択肢」――つまり、自由だ。
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技術者の目線
→カスタムチップと冷却システムの両立は、モバイルゲーミングPCの難関を超えてきた証拠。 -
ユーザーの目線
→「どこでもXbox」的UXが魅力。とくにSteamユーザーにも配慮された設計が好評。 -
市場の目線
→ハード戦略から“エコシステム戦略”へと移行する兆候。
❓FAQ:よくある質問
Q1. Xbox Allyは日本でも発売されるの?
A. 現時点では未発表ですが、日本語対応とグローバルモデル展開が前提のため、日本でも発売される可能性は高いです。
Q2. Steam Deckとの違いは?
A. Steam DeckはLinuxベースのSteam OSですが、Xbox AllyはWindows搭載でSteam以外にも多くのゲームプラットフォームに対応しています。
Q3. バッテリーの持ちはどう?
A. 正式な検証は未発表ですが、省電力モード時で4〜6時間程度が想定されています(従来機ベース)。
Q4. Xbox Series X/Sとどう使い分ける?
A. Series X/Sは据え置きで高画質志向、Allyは“どこでもプレイ”のモバイル向けと棲み分けされます。