桐生祥秀選手が2025年8月、「富士北麓ワールドトライアル」で男子100メートル9秒99をマークし、世界選手権の参加標準記録を突破した。8年ぶりとなる自身2度目の9秒台に、会場はどよめきと拍手に包まれた。本人も「やったー!」と喜びを表し、復活と継続の価値を証明した。高校記録を塗り替えた清水空跳選手、10秒00を記録した守祐陽選手との代表枠争いも注目されるなか、桐生の存在感が際立つ形となった。
桐生祥秀9秒99を記録
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8月3日、山梨県で開催された「富士北麓ワールドトライアル」男子100メートル予選2組で、桐生祥秀選手(日本生命)が8年ぶりに9秒台となる9秒99をマークした。国内では史上2人目となる「複数回9秒台突破」という快挙に加え、世界選手権東京大会の参加標準記録(10秒00)を突破したことで、代表入りが事実上確定した。本人は「やったー!やったー!」と声を上げ、復調の証としての記録に歓喜した。
桐生祥秀の9秒99が代表確定を導いた
2025年8月3日、富士北麓ワールドトライアル男子100メートル予選に出場した桐生祥秀選手(29)は、追い風1.5メートルの条件下で9秒99を記録した。これは、2017年に自身が日本人初の9秒台を記録した「9秒98」以来、8年ぶり2度目の快挙である。
この記録により、9月の世界選手権東京大会における男子100メートルの参加標準記録(10秒00)を突破したことになり、日本陸連の選考基準を満たす結果となった。
桐生選手はレース後の取材に対し、「9秒台が出ないと世界で勝負ができない。その中で8年ぶりに9秒台を出せて良かった」と語り、「まだまだ勝負できると今日の結果で証明できたと思う」と手応えをにじませた。
今季、桐生は7月の日本選手権で5年ぶり3度目の優勝を果たし、さらにオーストリア遠征では10秒07(予選)・10秒08(決勝)と安定した記録を残していた。この日の記録は、そうした復調の流れを象徴するものと捉えられている。
また、この記録は今季日本人最速であり、7月の全国高校総体で清水空跳選手(星稜高2年)がマークした10秒00を抜いて日本人トップに返り咲いた。