県岐阜商が16年ぶり3回戦進出
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県岐阜商が15日、阪神甲子園球場で行われた第107回全国高校野球選手権大会2回戦で東海大熊本星翔に4―3で逆転勝ちし、16年ぶりの3回戦進出を決めた。東海地区からは津田学園(三重)とともに複数校が16強入りし、2018年以来の記録となった。
試合概要
試合経過と決定打
県岐阜商は初回に先制を許したが、五回に2死から打線がつながった。2本の安打で好機をつくると、横山の適時打で同点。さらに続く打者も安打でつなぎ、逆転に成功した。八回には駒瀬が勝ち越しの適時打を放ち、リードを奪い返した。
先発の柴田は制球に苦しみながらも要所を締め、九回まで投げ抜いた。六四球を与えたが、被安打を抑え最少失点で試合を組み立てた。終盤は東海大熊本星翔の反撃をしのぎ、守備陣も堅実なプレーで援護した。
東海大熊本星翔は序盤から積極的に仕掛け、初回と七回に得点を挙げたが、勝ち越し機を逃したことが響いた。打線は粘りを見せたが、終盤の守備で流れを引き戻すことはできなかった。
キープレーヤーと個人成績
この試合で光ったのは八回に勝ち越し打を放った駒瀬だ。緊張感の高まる場面で冷静に外角球をとらえ、打球を中前へ運んだ。横山は五回の同点打に加え、守備でも安定感を見せた。先発・柴田は被安打を最小限に抑え、九回を一人で投げ切ったことが勝利に直結した。
打撃陣は2死からの集中力が際立ち、チーム全体で4得点を奪った。守備では遊撃手を中心に堅守を見せ、試合のリズムを崩さなかった。
東海地区の16強進出記録
年 | 学校名(地区) | 成績 |
---|---|---|
2018 | 愛工大名電(西愛知)、常葉大菊川(静岡) | 3回戦進出 |
2025 | 県岐阜商(岐阜)、津田学園(三重) | 3回戦進出 |
歴史的背景と意義
県岐阜商は夏の甲子園で1936年に優勝、2009年には4強入りを果たした伝統校だ。今大会での3回戦進出は、2009年以来16年ぶりとなる。甲子園での戦いにおいて長らく結果が伴わなかったが、今大会では打線の勝負強さと守備の安定感が際立ち、再び全国の舞台で存在感を示した。
また、東海地区からは津田学園(三重)も3回戦に進出しており、複数校が16強に入ったのは2018年以来7年ぶりとなる。地域全体の競争力が高まっていることを示す結果となった。
視点補足(津田学園の不戦勝と大会運営)
津田学園は2回戦で対戦予定だった広陵(広島)が大会前に出場を辞退したため、不戦勝で3回戦進出が決まった。大会本部は、突然の辞退により実戦機会を失った選手のために、甲子園で特別練習の時間を確保する措置を講じた。選手たちは試合さながらの雰囲気で守備や打撃を確認し、次戦に備えた。
この不戦勝は勝敗表には残るが、試合経験を積めないという点で選手たちに複雑な思いを残す結果ともなった。
試合の流れ
1回表:東海大熊本星翔が先制
5回表:県岐阜商、2死から4連打で同点→逆転
7回表:東海大熊本星翔が同点に追いつく
8回裏:駒瀬が中前適時打で勝ち越し
9回表:県岐阜商が守備固めで逃げ切り
戦術・精神面の評価
県岐阜商は2死からの集中打が光った。五回の連打で一気に流れを引き寄せ、終盤に再び勝ち越す展開は、試合の中で何度も気持ちを切り替える力があることを示した。一方で、先発・柴田の制球は安定せず、六四球を与える場面もあり、次戦に向けて制球力の改善が課題となる。
守備面では大きな失策はなく、捕手を中心に要所での連携が機能した。精神面での粘り強さは評価でき、接戦の中でも冷静さを保てたことが勝因の一つといえる。
FAQ(5問5答)
Q1:県岐阜商が最後に3回戦へ進出したのはいつですか?
A1:2009年大会で4強入りした際以来、16年ぶりです。
Q2:津田学園はなぜ不戦勝になったのですか?
A2:対戦予定だった広陵が大会前に出場辞退をしたためです。
Q3:次戦の明豊はどんなチームですか?
A3:九州を代表する強豪で、得点力と機動力を兼ね備えています。
Q4:東海地区が複数校で16強入りしたのはいつ以来ですか?
A4:2018年に愛工大名電(西愛知)と常葉大菊川(静岡)が進出して以来です。
Q5:今回の試合でのMVPは誰ですか?
A5:八回に勝ち越し打を放った駒瀬選手です。