ダイヤモンドグループに破産申立
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ライブやフェスを企画・運営してきたダイヤモンドグループ(東京都)が、2025年夏に深刻な資金問題を露呈した。歌手・長渕剛さんの個人事務所から約2.6億円の未払いを理由に破産を申し立てられたうえ、青森県で「SHIROFES.」を主催する一般社団法人からも約800万円の未払いを告発された。繰り返される支払い遅延と説明の不一致は、地域イベントの信頼を大きく揺るがしている。
長渕剛事務所が破産申立、未払い総額2.6億円の衝撃
長渕剛さんの個人事務所「オフィスレン」は8月、東京地裁にダイヤモンドグループの破産を申し立てた。理由は、ツアー分配金やファンクラブ会費の精算が滞り、総額約2億6,000万円の未払いが続いているためだ。
代理人弁護士は、「預かった資金を精算せず流用したと見られる」とコメントし、横領に近い行為が疑われると指摘した。裁判所は申立を受理し、今後の審理を進めるとみられる。破産開始決定が下されれば、債権者による届出や財産調査が本格化する。
SHIROFES.主催が告発した800万円未払いの経緯
青森県の一般社団法人Performing Arts Community(PAC)は、弘前で毎年開催する「SHIROFES.」のチケット販売をダイヤモンドグループに委託していた。しかし2025年6月末のイベント終了後、売上精算の連絡が滞り、期日となる7月31日までに約800万円の入金がなかった。
PACが催促すると、ダイヤモンドグループの担当者は「振込処理は通常どおり進んでいる」と回答したが、実際には入金はなかった。8月2日には「国税局の調査により口座が差し押さえられた」とする書面が届き、8月8日に支払い予定と記された。しかしその日も振込は確認できず、代表者からは「逃げません」という曖昧な説明が繰り返されるばかりだった。
さらに8月9日付の書面では「K-POP案件に関する海外送金の調査が主目的」と説明が追加され、8月13日には「9月25日までに全額支払う、加えて100万円の謝罪金を払う」と記載された。しかし8月14日以降は電話もメールもつながらなくなり、現在まで履行されていない。PAC代表は「被害者を増やしたくない」として告発に踏み切った。
国税局調査や差押え説明の信憑性と課題
ダイヤモンドグループが説明に用いた「国税局調査」「口座差押え」という言葉は、支払遅延の理由として繰り返し記載された。しかし国税局は通常、特定企業名を公表することはなく、公的資料で裏付けられた事実ではない。
このため、同社の説明はあくまで当事者側の主張にとどまっており、信憑性を確かめるには裁判所での資料開示や、管財人による調査を待つ必要がある。未払いを抱える関係者にとっては、単なる口実に過ぎないのではないかという不信感が広がっている。
未払い問題の主要日付と書面の流れ
日付 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
6月27〜29日 | SHIROFES.開催 | 弘前市で3日間、延べ7万2,000人が来場(主催発表) |
7月31日 | 精算期日 | チケット売上約800万円の入金予定、未履行 |
8月2日 | 書面通知 | 「国税局調査・口座差押え」を理由に支払延期を説明 |
8月8日 | 支払い予定日 | 「速やかに振込実施」と明記 → 履行されず |
8月9日 | 書面通知 | 「K-POP案件の海外送金調査が主目的」と追記 |
8月13日 | 書面通知 | 「9月25日までに全額支払い+100万円謝罪金」と記載 |
8月14日以降 | 連絡途絶 | 電話・メールが不通、未払い継続 |
地域イベントへの波及と信頼失墜の現実
「SHIROFES.」は青森県弘前市で10年にわたり開催され、地域の企業や自治体の協力を得て成長してきた。2025年は3日間で延べ7万2,000人が来場し、ダンスや音楽、グルメを通じて地域の魅力を発信する一大イベントとなった。
しかし、ダイヤモンドグループの未払いによって、主催者の資金繰りは圧迫され、協賛企業や出店者の不安も高まっている。地域とともに育てたイベントに影響が及ぶことで、文化的な信頼が揺らぎ、今後の開催にも影を落としかねない。
影響を受けた関係者と被害範囲
被害拡大を防ぐために必要な行動
未払い問題の拡大を防ぐには、関係者が速やかに手続きを進めることが不可欠だ。債権者は破産申立後に裁判所へ債権届出を行い、権利を確保する必要がある。
チケット購入者については、カード決済ならチャージバック手続きの可能性があり、現金の場合は主催者が補填策を検討せざるを得ない。自治体や企業が支援してきた地域イベントを守るためには、透明性のある精算と記録開示が求められる。
未払い問題が進展するプロセスの流れ
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契約に基づく支払い期日が到来
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未払い発生、主催側が催促
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会社側が「調査や差押え」を理由に支払い延期を通知
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追加の支払い期日を提示するが履行されず
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主催やアーティスト側が告発・破産申立へ移行
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裁判所が破産申立を受理、債権者が届出を開始
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破産手続の進展により資産調査・分配が行われる
不誠実な対応が地域文化を壊すリスク
この問題は単なる金銭トラブルにとどまらない。地域社会とともに築かれた文化的な資産を揺るがす事態となっている。約束した精算を果たさず、連絡も絶った対応は、信頼そのものを損なった。
地方イベントは多くの人々の協力と想いによって成り立っている。そこで裏切りがあれば、参加者や協賛企業が次に手を差し伸べることをためらうのは当然だ。今後は企業の財務透明性と契約履行の徹底が、文化を守る前提条件となる。
FAQ
Q1. ダイヤモンドグループは今どういう状態ですか?
A1. 東京地裁で破産申立が審理されており、資産調査と債権者対応が焦点となっています。
Q2. SHIROFES.の未払いは解決されたのですか?
A2. 主催者PACは約800万円が未払いのままと公表しており、履行は確認されていません。
Q3. チケット購入者は返金されますか?
A3. クレジット決済ならカード会社に相談可能です。現金の場合は主催者の対応次第です。
Q4. 破産申立後、債権者はどう動けばいいですか?
A4. 裁判所が定める債権届出の期限までに必要書類を提出し、債権を主張することが必要です。
Q5. 地域イベントは今後どう守られるのでしょうか?
A5. 自治体・主催者・協賛企業が協力し、透明性ある精算と再発防止策を設けることが重要です。
まとめ
要素 | 内容 |
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事実 | 長渕剛事務所が約2.6億円未払いで破産申立、PACも約800万円の未払いを告発 |
経緯 | 支払期日不履行 → 調査・差押えを理由に延期 → 約束履行されず連絡途絶 |
影響 | 地域イベント「SHIROFES.」や協賛企業・来場者の信頼を損なう |
今後の焦点 | 裁判所での破産手続進展、債権者の救済、文化イベントを守るための制度整備 |