2025年10月7日、NHKが『虎に翼』スピンオフ『山田轟法律事務所』を発表。伊藤沙莉・土居志央梨・戸塚純貴が再び集い、弁護士の視点から“法と人間”を描く。放送は2026年3月予定。
NHK『虎に翼』スピンオフ決定!
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2025年10月7日、NHKは2024年前期の連続テレビ小説『虎に翼』のスピンオフドラマ『山田轟法律事務所』を制作すると発表した。主演の伊藤沙莉をはじめ、土居志央梨、戸塚純貴が出演し、本編で描かれなかった弁護士たちの空白の時間を描く。脚本は『恋せぬふたり』で向田邦子賞を受賞した吉田恵里香が続投し、放送は2026年3月を予定している。
スピンオフ『山田轟法律事務所』の主要情報
NHKが発表したスピンオフ制作の概要
NHKは、連続テレビ小説『虎に翼』の世界を新たな視点で描くスピンオフドラマ『山田轟法律事務所』を制作することを明らかにした。舞台は戦後の上野に設立された小さな法律事務所。よねと轟の歩んだ道のりを軸に、社会の変化と向き合う弁護士たちの姿が描かれる。
本編では主人公・佐田寅子が日本初の女性判事として法の世界を切り開いたが、スピンオフではその周囲で支え合った仲間たちの物語に焦点を移す。制作側は、「連続テレビ小説では描かれなかったよねと轟のバックストーリーをふんだんに盛り込み、弁護士の視点から『虎に翼』の世界を再構成する」とコメントしている。
脚本は本編と同じく吉田恵里香が担当。『恋せぬふたり』など社会テーマを丁寧に描いてきた作風が特徴で、今回も人間の選択と制度の狭間にある葛藤を見つめる姿勢が引き継がれる。キャストには、伊藤沙莉が佐田寅子として出演し、物語の軸を再び支える。
出演者の土居志央梨は「本編で描かれていないよねの空白の時間を追っていくストーリー。脚本を読み終え、思わず武者震いした」と語り、戸塚純貴も「冗談のように言っていたスピンオフが実現した。轟という名に恥じぬよう臨みたい」と意気込みを見せた。
『虎に翼』が残したテーマとスピンオフの意義
2024年前期に放送された『虎に翼』は、日本初の女性法曹・三淵嘉子氏をモデルに、女性が法の世界に踏み出す姿を描いた。夫婦別姓や同性婚といった現代的な社会課題にも踏み込み、朝ドラとしては異色のテーマを提示した。社会の制度と個人の自由をどう調和させるかという問いが多くの視聴者の共感を呼び、最終回後も法制度に関する議論が広がった。
スピンオフ『山田轟法律事務所』では、その延長線上にある“現場”の物語が語られる。法の理想と現実が交錯する弁護士の視点を通して、社会問題と人間の情熱がどう交わるのかが焦点となる。よねと轟は本編では脇を固める存在だったが、今回は彼ら自身の決断や生き方が中心に据えられる。登場人物の成長を見守ってきた視聴者にとって、本編の余白を補うだけでなく、法の光と影を新たに考える契機となりそうだ。
本編『虎に翼』とスピンオフ『山田轟法律事務所』の違い
本編からスピンオフへ ― 法律の現場が描く人間の選択
『虎に翼』では、戦後の法改正期を背景に、女性法曹の誕生と制度の変化が描かれた。スピンオフ『山田轟法律事務所』は、その時代の熱気を受け継ぎながら、実務の現場に視点を移す。よねと轟が立ち上げる事務所は、法の理想を信じながらも現実と衝突する場所として位置づけられている。
弁護士として社会に向き合う二人の姿を通じて、裁判所という舞台では語り切れなかった“現場の人間ドラマ”が浮かび上がる。依頼人の苦悩、制度の限界、そして彼ら自身の選択。作品が扱うのは、正義をどう守るかではなく、正義を信じ続けるために何を失うかという問いである。
NHKの発表では「弁護士の視点から『虎に翼』の世界を描く」と説明されており、これは単なる番外編ではなく、本編を別の角度から再読する試みでもある。
キャストの言葉が映す「再会」と「継承」
出演者のコメントには、スピンオフが単なる続編ではなく“再会の物語”として企画されたことがにじむ。
山田よねを演じる土居志央梨は、「またあの世界の中で仲間達に会えることが本当に嬉しい」と語り、脚本を読んだ瞬間に震えたと述べた。轟太一役の戸塚純貴も、「よねと轟のスピンオフをやりたいと話していたら現実になった」と感謝の思いを伝えている。
そして主演の伊藤沙莉は、「空白の時間を埋める物語を、もはや一ファンとして楽しみにしている」と笑顔を見せた。
それぞれの言葉から感じられるのは、作品世界への愛着と、社会を描く作品への責任感である。登場人物の再登場は懐かしさ以上に、“作品が社会と向き合い続けるための継承”という意味を帯びている。
スピンオフが示す法と人間の距離
本編が扱ったのは、国家や制度の枠組みの中で闘う個人の姿だった。スピンオフはそれをさらに生活の現場へと引き寄せ、法律が人を救うのか、人が法律を動かすのかという根本的な問いを提示する。
弁護士という職業を描くことで、作品は「制度を作る人」から「制度を使う人」へとカメラを移動させる。そこには正義の定義を誰が決めるのかという現代的テーマも重なり、視聴者が自身の社会観を重ねやすい構造になっている。
スピンオフ制作から放送までの流れ
発表(2025年10月7日 NHK)
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制作開始(脚本:吉田恵里香、キャスト:伊藤沙莉・土居志央梨・戸塚純貴)
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物語の焦点:「山田轟法律事務所」設立秘話
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テーマ展開:弁護士の視点で社会と人を描く
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放送予定(2026年3月・単発72分)
❓FAQ|視聴者が気になる5つの質問
Q1. スピンオフ『山田轟法律事務所』はいつ放送されるの?
A. 2026年3月の放送が予定されています。単発72分のドラマとして制作されています。
Q2. 出演者は本編と同じ?
A. 伊藤沙莉、土居志央梨、戸塚純貴が本編から続投します。
Q3. 脚本は誰が担当?
A. 本編と同じ吉田恵里香が執筆します。社会問題を温かく描く作風で知られています。
Q4. 本編を見ていないと楽しめない?
A. 本編を知らなくても理解できる独立した物語ですが、登場人物の成長を知っているとより深く味わえます。
Q5. 物語のテーマは?
A. 弁護士の目線で人と制度の関わりを描き、法の中にある人間の心を見つめます。
総合要約表|スピンオフ『山田轟法律事務所』の位置づけと期待点
『虎に翼』から続く“法をめぐる物語”の成熟
スピンオフ『山田轟法律事務所』が特別なのは、成功作の余韻に頼らず、社会と向き合うテーマをさらに掘り下げようとしている点にある。
本編『虎に翼』が法の成立と理念を描いたのに対し、スピンオフはその理念が現場でどう息づくかを描く。これは同じ脚本家による「社会への連続的な問い」であり、物語の主題が形式を超えて成長していることを示している。
よねと轟という二人の弁護士は、法に従うだけではなく、人を支えるために葛藤する存在として描かれるだろう。制度の中で人を救うことの難しさを見つめる姿勢は、現代社会にも通じる。
『山田轟法律事務所』は、過去を懐かしむための作品ではなく、法律と人間の絆をもう一度考えるための物語である。
その視点が、2024年の『虎に翼』が開いた社会的テーマを未来へつなぐ架け橋となるだろう。