元力士「若麒麟」こと鈴川真一容疑者(42)が、東京都新宿区の路上で液状大麻を所持したとして逮捕。押収量は約0.1グラム。「合法だと思った」と供述し、警視庁が入手経路を調べている。過去の大麻事件との違いも報じられ注目を集めている。
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元力士・若麒麟の鈴川真一容疑者を逮捕 液状大麻0.1グラム所持の疑い(2025年10月)
事件の発覚と主な事実
新宿区で発覚した液状大麻所持の経緯
警視庁によると、2025年5月中旬、東京都新宿区で車を路上に停車させていた鈴川真一容疑者(42)に警察官が職務質問を行った。その際、ズボンのポケットから液状の大麻リキッドが見つかり、その場で押収された。押収量は約0.1グラムで、乾燥大麻とは異なる透明の液状だったとされている。警視庁新宿署は麻薬取締法違反(所持)の疑いで捜査を進めている。
鈴川容疑者は大相撲時代に「若麒麟」の四股名で幕内を務めた元力士で、現在は自称プロレスラーとして活動していた。逮捕後の取り調べに対し、「所持していたものは合法だと思った」と供述しているという。警察は入手経路や成分鑑定を含め、違法性の有無を調べている。
職務質問と押収までの流れ
この事件では、通常の捜査手順に沿って警察官が職務質問を行っている。車両を路上に停車させていた際、不審点を確認した警察官が身分を尋ね、所持品を確認する過程でリキッド状の物質を発見した。発見後、現場で内容物を鑑定に回し、違法成分が含まれる可能性があるとして押収した。
警察は任意捜査の形で捜査を進め、後に逮捕に至ったと説明している。こうした職務質問の手順は、警察官職務執行法に基づく一般的な対応であり、路上での職務質問から薬物事件に発展する事例は近年も多い。
2009年の逮捕事例との比較
2009年当時も若麒麟名義で大麻所持により逮捕され、相撲協会から解雇された経緯がある。今回の事件では、乾燥大麻ではなく液状の大麻リキッドという新しい形態が押収されており、取り締まりの対象が拡大していることを示している。
「合法だと思った」供述と法的評価の焦点
鈴川真一容疑者は取り調べに対し、「所持していたものは合法だと思った」と述べている。
日本の麻薬取締法および大麻取締法においては、成分に違法物質が含まれていれば、形状や量にかかわらず「所持罪」が成立する。
「合法と思った」という主張が通用するためには、成分を確認する手段や販売経路に合理的な根拠が必要だが、これまでの判例では、こうした主張が認められることは稀だ。
また、大麻リキッドは海外のCBDオイルなどと混同されることが多く、販売時に「合法」と称されているケースもある。
しかし、国内ではTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む製品はすべて規制対象となっており、今回の事件もその成分鑑定の結果が捜査の鍵となっている。
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リキッド型大麻の法的扱いと今後の課題
液状大麻は電子たばこ器具などを利用して吸引されるケースが多い。
海外では医療用や嗜好用として合法化された地域もあるが、日本では成分を抽出した液体であっても違法成分を含めば麻薬取締法の対象となる。
大麻リキッドは見た目や匂いで判別しにくいため、鑑定に時間がかかる傾向があり、押収後の捜査でも証拠性が焦点となる。
また、摘発が難しい要因として、輸入経路や販売チャネルの複雑化がある。
インターネットを通じた個人輸入や、海外製電子たばこカートリッジの転用など、捜査上の課題は増えている。
本件は、そうした「リキッド型大麻の取り締まり強化」を象徴する一件として注目された。
逮捕から起訴までの一般的手続き
麻薬取締法違反の容疑で逮捕された場合、警察は48時間以内に送検し、検察官が24時間以内に勾留請求を行う。
勾留は原則10日間で、延長される場合もある。
その間に押収品の鑑定や関係先の調査が進められ、起訴するかどうかの判断が行われる。
もし成分鑑定で違法物質が検出されれば、正式起訴に移る可能性が高い。
不起訴となるのは、量が極めて微量であったり、入手経路に偶発性がある場合に限られる。
薬物事件の捜査から起訴までの流れ
逮捕
↓
取調べ・供述確認
↓
押収物の鑑定(違法成分の有無)
↓
検察への送致
↓
勾留・延長判断
↓
起訴または不起訴の決定
↓
公判・判決(有罪・執行猶予・罰金等)
よくある質問(FAQ)
報道から見える主要な論点整理
形を変える薬物問題と社会の課題
今回の逮捕は、元力士という経歴よりも「液状大麻」という新しい薬物形態の摘発として象徴的だ。
日本では乾燥大麻の取り締まりが中心だったが、電子たばこやリキッド製品を介して広がる形で、薬物の流通経路が変化している。
捜査機関が押収・鑑定に時間を要するのも、こうした物質の特性に起因する。
また、違法性を理解せずに入手する例も多く、ネット販売などで「合法リキッド」と称する製品が流通していることが問題視されている。
鈴川容疑者の供述にある「合法だと思った」という言葉は、個人の認識の甘さにとどまらず、社会全体の認識不足を示すものでもある。
法制度の強化と同時に、薬物教育や啓発が求められる時期に来ている。
量や形を問わず、違法成分を含む製品を扱うことのリスクを再確認する必要があるだろう。
事件の背景には、流通構造の複雑化と社会の油断が交錯しており、再発防止策は一層問われている。