
2025年の全日本大学駅伝で、駒澤大学・伊藤蒼唯(4年)が5区12.4kmを35分01秒で走破し区間新記録を樹立。
首位浮上のきっかけとなった「攻めの走り」とチーム戦略を数字で振り返る。
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駒澤大学・伊藤蒼唯が5区で区間新記録 全日本大学駅伝2025
2025年11月2日に行われた第57回全日本大学駅伝(名古屋・熱田神宮西門前〜三重・伊勢神宮内宮宇治橋前、全8区間106.8km)で、駒澤大学の伊藤蒼唯(4年)が5区(12.4km)を35分01秒で走破し、従来の区間記録を17秒更新した。5区の快走によりチームは首位に浮上し、終盤の展開に勢いを与えた。
大会概要と記録の要約
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 大会名 | 第57回全日本大学駅伝対校選手権大会 | 
| 開催日 | 2025年11月2日 | 
| 区間 | 5区(12.4km) | 
| 記録 | 35分01秒(区間新) | 
| 従来記録 | 35分18秒(2023年、創価大・吉田響) | 
5区で区間新、駒澤大学が首位に浮上
第57回全日本大学駅伝の5区では、駒澤大学の伊藤蒼唯が持ち前の粘り強さを発揮した。
首位と35秒差の4位でタスキを受けた伊藤は、序盤から積極的なペースを刻み、約5km地点で先頭に立った。その後も安定した走りを続け、ゴール時点では2位の國學院大に52秒の差をつけて区間賞を獲得した。
記録は35分01秒で、2023年に創価大学の吉田響が樹立した35分18秒を17秒上回る区間新。12.4kmの区間でこれだけのタイム差をつけた走りは、チームの流れを大きく変える結果となった。
5区はこれまで「つなぎ」と呼ばれることが多い区間だが、今年の駒澤大学はそこに主力を配置し、攻めの戦略で挑んだ。
伊藤蒼唯「しっかり区間新は狙っていこうと思っていた」
レース後、伊藤蒼唯はインタビューで次のように語った。
「4区の安原海晴(3年)が先頭から離れてしまったが、射程圏内にとどまってくれたので、昨年のように良い形で走りきることができた。5区はつなぎの区間と言われているが、逆にうちは攻めの区間にしようと(監督が)送り出してくれた。しっかり区間新は狙っていこうと思っていた。あと一歩で届かなかった区間賞を最後の全日本で取れたことでうれしい。」
彼の言葉からは、チーム全体で区間にかける意識の高さと、4年間の集大成としての自信がにじんでいた。
5区区間記録の比較
5区の区間新記録は、単なるタイム更新にとどまらず、戦略面でも注目された。攻めに転じたチーム方針と伊藤の安定した走りがかみ合い、駒澤大学は終盤区間で主導権を握った。
この結果は、出雲駅伝に続く学生三大駅伝の第2戦として、箱根へ向けた重要な流れをつくるものとなった。
チーム全体に広がった区間新の勢い
伊藤蒼唯が5区で記録した35分01秒の走りは、駒澤大学全体に大きな流れをもたらした。
チームは5区終了時点で首位に立ち、6区以降の区間を安定したペースで走る展開に移った。
監督は大会前から「攻めの姿勢で中盤区間を取る」という方針を示しており、5区を起点とする戦略が形となった。
学生駅伝では、5区が後半への橋渡しになることが多い。今回の区間新は、チーム全体の戦術と個々の意識が合致した成果といえる。
攻めの戦略が次区間へつないだ駒澤大学
今回の大会では、7区に5000メートル室内日本記録保持者の佐藤圭汰、最終8区に前回区間賞を持つ山川拓馬が出走。
実績ある選手を後半に並べる構成により、チームは首位を守り切る形で後半戦に入った。
前半で築いたリードを維持するために、安定した走りを意識する選手が多く、チーム全体の士気は高まっていた。
この戦い方は、過去の学生三大駅伝における駒澤大学の伝統的な強さを裏づけるものでもある。
チーム構成の視点から見た駒澤大学の安定感
伊藤蒼唯が5区で記録した走りは、個人記録の更新にとどまらず、チーム戦略の軸を明確にした。
駒澤大学は例年、序盤で流れをつくり、中盤で主導権を握り、終盤で勝負を決めるスタイルを取っている。
5区を中盤の攻めの区間と位置づけた今回の戦略は、全体のリズムを整える役割を果たした。
後続区間の走者がその勢いを受け継ぎ、強い一体感を保ちながらタスキをつないだことが印象的だった。
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5区首位浮上までの流れ
区間経過の概要
スタート(4区→5区引継ぎ:首位と約35秒差)
↓
3km地点:前との差を詰め始める
↓
5km付近:伊藤が先頭をとらえる
↓
10km地点:リードを広げる展開
↓
ゴール:2位の國學院大に約52秒差をつけて通過
よくある5つの疑問
Q1. 第57回全日本大学駅伝の開催日は?
A. 2025年11月2日で、愛知県・熱田神宮西門前から三重県・伊勢神宮内宮宇治橋前までの106.8kmを8区間で競った。
Q2. 伊藤蒼唯の区間はどの区間?
A. 5区で、距離は12.4km。中盤の勝負区間とされている。
Q3. 記録はどのくらい?
A. 35分01秒で走り、従来記録を17秒更新した。
Q4. 区間新記録の意義は?
A. チームが首位に浮上し、全体の流れを変えた点に価値がある。
Q5. 駒澤大学の今後の展望は?
A. 出雲に続く第2戦を好走で終え、箱根駅伝に向けて勢いを持つ流れとなった。
記録更新が示した学生駅伝の方向性
伊藤蒼唯の走りがもたらした戦略の変化
伊藤蒼唯の5区区間新記録は、学生駅伝における戦い方の多様化を示した。
これまで「つなぎ」とされてきた区間をあえて攻めに転じた駒澤大学の戦術は、チーム全体の力を最大化させた。
個人の能力に依存せず、チームの意思統一によって戦略を実現した点は、今後の学生駅伝のモデルケースになる。
伊藤の冷静なペース運びと確実なタイム更新は、数字が語る結果としてチームの信頼を支えた。
5区の走りが象徴するのは「区間の役割を再定義する力」であり、それが2025年の全日本大学駅伝を特徴づける要素となった。
