兵庫県のマルヨ食品が、全商品約500種類を自主回収。アレルゲン表示欠落や期限切れ原料、二酸化塩素使用などの問題が判明しました。兵庫県の調査や親会社の対応、消費者が確認すべきリコール情報(管理番号34293・34324)と手順を整理します。
マルヨ食品 全商品約500種類を自主回収
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マルヨ食品による自主回収が明らかに
自主回収の全体像
マルヨ食品が全商品約500種類を自主回収
兵庫県香美町に本社を置く水産食品メーカーのマルヨ食品が、自社で製造・販売する全商品約500種類を対象に自主回収を進めていることが分かった。回収に至った背景には、商品表示の不備や食品原料の取り扱いに関する問題が相次いで判明したことがある。同社はこれまで全国に瓶詰やレトルト、冷凍品など多彩な商品を供給してきたが、今回の件で消費者への影響は大きい。報道によれば、健康被害は確認されていないが、表示や原料の管理に関する重大な不備が認められ、食品の安全性への信頼が揺らぐ事態となっている。
アレルゲン表示の欠落が発端
今回の一連の問題の発端となったのは、2025年9月8日に公表されたアレルゲン表示の欠落である。「えびみそ」や「かにぞうすいの素」など16商品で、本来記載すべき「かに」や「乳」といった成分が表示されていなかった。食品表示法に基づき、アレルゲン情報は消費者が安全に商品を選択するために欠かせないものであり、この欠落は重大な違反といえる。その後の調査で、他の商品でも期限を過ぎた原料を使用していたことや、原産地表示に誤りがあったことが明らかになった。さらに、食品には使えない殺菌剤である二酸化塩素が使用されていた事実も確認された。これら複数の問題が重なったことで、同社は全商品を自主回収する決断を下すに至った。
確認された主な問題点
区分 | 内容 | 対象例 |
---|---|---|
アレルゲン表示欠落 | 「かに」「乳」などの表記が不足 | 16商品(例:えびみそ、かにぞうすいの素) |
原料の期限切れ | 使用期限を過ぎた原料を利用 | 複数商品 |
二酸化塩素の使用 | 食品には認められていない殺菌剤を使用 | 一部商品 |
産地表示誤り | 原料の産地を誤って記載 | 複数商品 |
アレルゲン表示の欠落が明らかになった
2025年9月8日、マルヨ食品は「えびみそ」や「かにぞうすいの素」など16商品に、特定原材料である「かに」や「乳」が表示されていなかったことを公表した。アレルゲンの表示は消費者の健康と安全に直結するため、表示が欠落した状態で商品が流通したことは深刻な問題といえる。さらに調査の過程で、原料の産地表示の誤り、期限切れ原料の使用、食品に認められていない二酸化塩素の使用も判明した。これら一連の問題が明らかになったことで、同社は全商品を対象とした自主回収に踏み切った。
兵庫県の立入調査と親会社の対応
兵庫県は食品表示法などに基づき、マルヨ食品に対して複数回の立入調査を行っている。調査の対象には原産地表示の適正性も含まれており、偽装の有無について確認作業が続いている。行政が介入していることから、問題は企業内の改善にとどまらず、制度全体に影響を及ぼす可能性がある。
一方、親会社の万代リテールホールディングスは、行政の指導のもとで速やかに実態を把握し、対応を進めていくとコメントを発表した。グループとしての対応姿勢を示すことで、消費者や取引先への信頼回復につなげたい考えがうかがえる。
消費者の行動が重要になる局面
今回の一件は、消費者が自らの手で在庫を確認することの重要性を浮き彫りにした。回収対象商品は全国で販売されており、瓶詰や冷凍品、レトルト商品など幅広く展開されているため、手元にある商品が対象となっている可能性は否定できない。消費者庁のリコール情報には、対象となる管理番号(34293・34324)とともに、商品名や販売期間が掲載されている。生活者はこれを照合し、該当する場合は摂取を控えて返送手続きを行う必要がある。
回収対象品の確認と対応手順
在庫を確認する
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消費者庁リコール情報(管理番号34293・34324)で照合する
↓
該当する商品が見つかる
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摂取を中止して保管する
↓
購入先またはメーカー窓口に連絡し返送・返金手続きを行う
↓
体調に不安がある場合は医療機関を受診する
FAQ:よくある疑問と回答
Q1. 今回の回収はどのような問題が発端となったのか?
A1. 2025年9月8日に「えびみそ」など16商品で、特定原材料の「かに」「乳」の表示が欠落していたことが公表されたのがきっかけです。
Q2. 対象商品をどうやって確認できるか?
A2. 消費者庁リコール情報(管理番号34293・34324)に掲載されている商品名や販売期間と手元の商品を照合してください。
Q3. 自宅に対象商品があった場合はどうすればよいか?
A3. 摂取を控えて保管し、購入先やメーカー窓口の案内に従い返送してください。
Q4. 健康被害は報告されているか?
A4. 現時点で健康被害は確認されていません。
Q5. 親会社はどのような対応をしているのか?
A5. 親会社の万代リテールホールディングスは、行政の指導のもと実態把握を進めるとコメントしています。
自主回収問題の整理
食品表示と品質管理の信頼を揺るがす事態
今回の自主回収は、食品表示や品質管理の重要性を改めて示す出来事となった。アレルゲン表示の欠落は、消費者の命に関わるリスクを伴う。さらに、期限切れ原料や不適切な殺菌剤の使用が重なったことで、企業内の管理体制が多方面で脆弱であったことが露呈した。
食品業界においては、消費者が安全に商品を手に取れることが前提条件であり、その信頼が失われれば事業の継続は難しい。行政による調査と親会社の対応がどのような改善につながるのかが注視される。同時に、消費者自身もリコール情報を確認し、在庫商品をチェックする習慣を持つことが、被害の未然防止につながる。今回の件は、一企業の問題にとどまらず、社会全体で食品の安全管理をどう徹底するかという課題を投げかけている。