1976年に開業した長崎市常盤町のホテルニュータンダが2025年12月に閉館。半世紀の歴史を継いで、FHGが約140室の新ホテル「BASE LAYER HOTEL 長崎(仮称)」として2027年以降に再開業予定です。
ホテルニュータンダ閉館へ
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長崎市常盤町で約半世紀にわたり親しまれてきた「ホテルニュータンダ」が、閉館を迎える。運営会社の交代を経て、新たなホテルへの改修計画が進んでおり、長崎の宿泊市場に新しい動きが加わろうとしている。
ホテルニュータンダ閉館と再開発の要点
ホテルニュータンダの歩みと地域での役割
ホテルニュータンダは1976年に開業した。地上8階建て、延べ床面積7,194平方メートル、客室は約130室を備え、3階から7階までを宿泊に充てていた。観光やビジネス利用に加え、修学旅行の宿泊先や会合、婚礼会場としても長崎の人々や来訪者に利用されてきた。
長崎港を見渡せる屋上では、数十年にわたり夏季にビアガーデンが開かれ、市民の憩いの場として親しまれたことも特徴的だ。2025年4月には1階のレストランが休業し、施設の一部が閉じられる動きが見られていた。そして同年12月13日に閉館することが決まり、長い歴史に幕を下ろすことになった。
ニュータンダが担った役割と施設の特徴
ホテルニュータンダは、その規模と立地を生かして地域の多様な需要に応えてきた。観光客にとっては長崎市内観光の拠点となり、修学旅行では集団宿泊に対応できる規模を提供していた。婚礼や宴会などの会場としても使われ、ホテルの存在は市民生活や地域イベントと密接につながっていた。建物の延べ床面積は7,194平方メートルに及び、長崎市中心部における宿泊・交流拠点として大きな役割を果たした。
ホテルニュータンダの歴史と変化
時期 | 主な利用実態 |
---|---|
1976年~2000年代 | 観光、修学旅行、婚礼、宴会で幅広く利用 |
2010年代 | ビジネス利用が増加、観光と二軸で機能 |
2020年代 | レストラン休業、閉館発表へ |
運営会社の交代と新ホテル計画
ホテルニュータンダを保有していた反田海運の全株式を、東京のホテル運営会社であるfav hospitality group(FHG)が2024年10月までに取得した。これにより、施設はリブランドと大規模改修を前提とした運営に移行した。
新たに計画されているのは「BASE LAYER HOTEL 長崎(仮称)」である。既存の建物を活用しながら内部を改修し、約140室を備えたホテルとして2027年2月以降に開業する予定が伝えられている。
FHGの戦略と改修の意図
FHGは全国で複数のブランドを展開しており、その一つであるBASE LAYER HOTELシリーズは都市滞在型のビジネスホテルを志向している。今回の計画は、長崎市中心部という立地を生かし、既存施設を再生させることで地域の観光需要とビジネス需要に同時に対応しようとするものとされている。
親会社の霞ヶ関キャピタルは、ホテル運営会社の取得や再生を積極的に進めており、ニュータンダの再開発もその流れの中で位置づけられる。
市民にとっての思い出と変化
長崎港を望む屋上ビアガーデンは、数十年にわたり市民に親しまれてきた。閉館により日常的に利用できなくなる一方で、新ホテルの開業は地域に新たな宿泊施設をもたらす。古くからの利用者にとっては喪失感が残るものの、観光都市としての長崎にとっては新しい選択肢となることが期待される。
ホテルニュータンダから新ホテル開業までの流れ
開業(1976年)
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観光・修学旅行・婚礼・宴会利用の拡大
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反田海運が保有
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2024年10月 FHGが株式を取得
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2025年4月 レストラン休業
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2025年12月13日 閉館予定
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2027年2月以降 「BASE LAYER HOTEL 長崎(仮称)」として再開業
よくある5つの疑問
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ホテルニュータンダはなぜ閉館するのか?
建物の老朽化と運営会社の交代に伴い、改修・リブランドのため閉館する。 -
閉館日はいつか?
2025年12月13日が予定されている。 -
新しいホテルはどのような施設になるのか?
既存建物を活用し、客室約140室のビジネスホテル「BASE LAYER HOTEL 長崎(仮称)」として再開業する計画がある。 -
運営する会社はどこか?
fav hospitality group(FHG)が運営を担う。 -
開業時期はいつか?
2027年2月以降の開業が予定されている。
全体のまとめ
要素 | 内容 |
---|---|
開業 | 1976年 |
建物 | 地上8階建て、延べ床7,194㎡、約130室 |
利用 | 観光・ビジネス・修学旅行・婚礼・会合 |
閉館 | 2025年12月13日 |
再開発主体 | fav hospitality group(FHG) |
新ブランド | BASE LAYER HOTEL 長崎(仮称) |
開業予定 | 2027年2月以降、客室約140室 |
老舗から新ブランドへの世代交代
ホテルニュータンダは、長崎の観光や市民生活に結びついた存在として半世紀近く利用されてきた。屋上のビアガーデンや婚礼会場など、市民の記憶とともに歩んできた歴史がある。その幕を閉じる一方で、改修によって生まれ変わる新ホテルは、地域の宿泊市場に新しい価値を加える試みといえる。
既存建物を活用して再生する方法は、老舗の歴史を完全に消すのではなく形を変えて受け継ぐ点に特徴がある。長崎市中心部における宿泊需要は観光とビジネスの両面で拡大しており、FHGのブランド展開はその需要に応えるものと考えられる。
閉館と開業という二つの節目は、地域にとって喪失と期待が交差する瞬間である。長崎の街並みや市民の暮らしにどのような変化をもたらすのか、今後の展開が注目される。