雑記ブログ、ときどきAmazon

Amazonアソシエイト,楽天room,広告PRがあります。

日本パラバド連盟がハラスメント認定を公表

日本パラバドミントン連盟は、選手からの訴えを受けて調査を実施し、幹部の言動がハラスメントに該当すると認定・公表した。

 

日本パラバド連盟がハラスメント認定

広告の下に記事の続きがあります。ペコリ

日本パラバドミントン連盟は2025年7月25日、過去に連盟幹部が選手に対して行った不適切な言動について、外部弁護士による調査結果をもとに「ハラスメントに該当する」と正式に認定した。問題はパリ・パラリンピック出場経験を持つ複数の選手からの申告に端を発し、連盟は関係機関に報告したうえで、再発防止に向けた意識改革と環境整備に乗り出すとしている。

項目 内容
発表日 2025年7月25日
発表主体 日本パラバドミントン連盟
認定内容 幹部による選手へのハラスメント行為
申告経緯 パリ・パラリンピック出場選手による訴え
調査体制 弁護士による外部調査(複数名への聞き取り)
連盟の対応 再発防止策の策定、公表、関係機関への報告

 幹部の言動が問題視され、ハラスメントと認定された経緯

日本パラバドミントン連盟によると、問題が浮上したのは2024年のパリ・パラリンピック後、代表経験を持つ選手らが一部の連盟幹部から継続的に威圧的な言動を受けていたと訴えたことが発端だった。選手側の申し出を受け、連盟は外部弁護士に調査を委託し、当事者や複数の関係者に聞き取りを行っていた。

調査の結果、特定の幹部による「不適切な発言」や「選手の人格を否定するような態度」が複数確認され、これがハラスメントに該当すると判断された。連盟はこの調査報告を受け、7月25日に公式な形で認定と謝意を表明し、「当該行為が競技環境に与えた影響を重く受け止める」として再発防止を誓った。


発表文に記された対応方針

今回の認定を受け、日本パラバドミントン連盟は以下のような対応方針を発表している。

  • 全選手・指導者・幹部を対象としたハラスメント防止研修の義務化

  • 匿名性のある通報制度の設置と第三者機関による運用管理

  • 定期的な外部監査の導入とその結果の公表

  • 代表選考・強化方針の透明性確保と説明責任の強化

これらの取り組みは今後、スポーツ庁や日本パラスポーツ協会との連携のもとで進められる予定であり、制度としての明文化と公開も検討されている。


過去の対応との違い

対応項目 旧方針(過去) 新方針(今回発表)
通報制度 内部窓口(非公開) 外部委託+匿名通報を明示
調査体制 内部確認または未実施 弁護士による外部調査を標準化
被害認定 曖昧な説明に留まる ハラスメントと明確に認定、公表
再発防止 慣例ベース 規程化+研修制度の整備へ

パラ競技ならではのリスクと再発防止の課題

障害者スポーツにおける選手と幹部の関係は、健常者の競技以上に依存度が高く、距離が近くなりやすい傾向がある。とりわけ、パラバドミントンのように競技団体の規模が限られた分野では、指導者や幹部の発言力が強まりやすく、選手側が違和感を訴えにくい空気が生まれやすい。

今回のケースでは、選手が勇気を持って申し出を行ったことで第三者調査につながったが、その背景には「内部での自浄作用が働きにくい現実」があることが示唆された。再発を防ぐには制度の整備だけでなく、個々の対話と認識の変化も求められる。

連盟は今後、発表された方針に基づき、全体のマネジメント体制を見直す方針を明らかにしている。スポーツ界全体のガバナンス向上を図る意味でも、今後の具体的な実行過程と結果が問われることになる。

公表を受けた反応と行政側の動き

日本パラバドミントン連盟がハラスメント行為を認定・公表した翌日、スポーツ庁は連盟から報告書を受理したことを明かした。今後は再発防止策の実効性を確認し、必要に応じて助成金制度や認定基準の見直しを含む監督対応を検討するとしている。

また、日本パラスポーツ協会は「調査から認定、公表に至るまでの一連の対応が他競技団体の参考になる」とコメントした。一方で、申告した選手に対するケアや支援の内容については言及がなく、競技環境の整備状況には引き続き注視が必要とされている。


声を上げづらい競技特性と制度整備の課題

パラ競技では、選手と支援スタッフ・指導者の関係性が濃密になりやすい傾向がある。移動やトレーニングでのサポートが不可欠であるため、言動に違和感があっても「競技を続けたいから言い出せない」状況が生まれやすい。

今回の事案は、選手側の申し出が公式調査につながり、組織としての認定と公表に至った点で評価された。一方で、再発防止の実効性を確保するには、調査体制だけでなく「声を上げても守られる」という信頼を制度面で担保する必要がある。

 

kicks-blog.com

 


調査開始から再発防止策発表までの流れ

  • 2024年秋
     パリ・パラリンピック後に代表選手が連盟に申し出を提出

  • 2025年2月
     連盟が外部弁護士に調査を委託

  • 2025年6月
     報告書が提出され「ハラスメントに該当」とする見解が示される

  • 2025年7月25日
     連盟が調査結果を認定・公表し、再発防止策を発表

  • 8月以降
    スポーツ庁・JPSAが監督・助成金交付の可否を審査予定


よくある5つの疑問と現時点の整理

Q1:対象となった幹部の氏名は公表されている?
→ 名前や役職は明かされていないが、当時理事を務めていた人物とされている。

Q2:申し出た選手の競技活動に影響はあるのか?
→ 選手本人の状況は非公開であり、代表復帰や支援の有無も明かされていない。

Q3:同様の事例は他のパラ競技にもあった?
→ パラ水泳や車いすテニスでも過去に不適切指導が指摘された例がある。

Q4:再発防止策は義務として実行される?
助成金制度の対象要件となっているため、実質的には義務化に近い。

Q5:今後の改善の鍵はどこにある?
→ 外部監査と通報制度の透明化、そして選手への継続的支援が重要となる。


被害の可視化と制度改善への期待

パラスポーツでは「表面化しにくい声」が存在してきた。そのなかで今回、選手の訴えが認定という形で可視化され、組織の対応が社会に向けて発信されたことには大きな意味がある。

一方で、救済制度の具体化や、訴えた選手の保護といった点は依然として検証段階にあり、制度改善の進行が問われている。ガバナンスの信頼回復には、「実行された」事実の積み重ねが不可欠となる。


認定公表の意味と、今後に残された問い

今回の発表は、障害者スポーツの現場においても「問題を認め、方針を示す」という第一歩が可能であることを証明した。調査を外部に委ねた判断と、それを公表した姿勢は、過去の閉鎖的な対応と比較しても進展が見られる。

しかし、実効性を担保するには「制度の見直し」と「継続的な検証」の両輪が必要だ。認定の発表が単なる終着点でなく、すべての競技者が尊重される環境づくりへの転機となることが求められている。