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予約殺到で43年待ち…神戸ビーフコロッケ『極み』に迫る!1日200個の手作りと赤字戦略

「売れれば売れるほど赤字」──それでも続く神戸ビーフコロッケ『極み』。43年待ちの理由、職人技の製法、赤字戦略の背景を最新報道を基に紹介します。

予約殺到で43年待ち

 

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兵庫県高砂市の老舗精肉店「旭屋」が販売する神戸ビーフコロッケ「極み」は、公式通販で約43年待ちと表示される異例の商品だ。2025年時点の取材では、注文画面に「2068年出荷予定」の文字が確認されている。1日わずか200個しか作れない手作りのため生産が追い付かず、しかも「売れれば売れるほど赤字」という販売戦略をとりながら、多くの顧客を惹きつけている。

神戸ビーフコロッケ「極み」主要年表

出来事 出典記事
1926年 「旭屋」創業(大正15年) 神戸新聞(2021年)
1999年 オンライン通販を開始 PRESIDENT Online(2025年)
2003年 神戸新聞で紹介され人気拡大 神戸新聞(2021年)
2021年 「27年待ち」と報道 神戸新聞
2022年 「30年待ち」と報道 ORICON NEWS
2025年 「約43年待ち」「2068年出荷予定」と取材報道 PRESIDENT Online、旭屋公式

老舗精肉店から生まれた「幻のコロッケ」

旭屋は1926年(大正15年)、兵庫県高砂市で創業した精肉店である。1999年にはインターネット通販を開始し、地元だけでなく全国からの注文を受け付けるようになった。2003年に神戸新聞で取り上げられたことをきっかけに注目を集め、その後テレビでも紹介され、知名度が急速に広がった。

人気は年を追うごとに拡大し、2021年には地元紙で「27年待ち」と報じられ、翌2022年には「30年待ち」と全国メディアが伝えた。さらに2025年時点では、旭屋公式通販サイトに「約43年待ち」と表示され、実際の注文画面には「2068年出荷予定」という文言が確認されている。

素材と製法への徹底したこだわり

極みコロッケ」に使用されるのは、A5等級の3歳雌牛の神戸牛と、甘みが強いレッドアンデス種のジャガイモだ。ジャガイモは収穫後3か月間追熟させて糖度を高め、蒸した直後に手作業で皮を剥く。玉ねぎも手切り・手炒めで飴色になるまで仕上げるなど、大量生産が不可能な工程を守り続けている。

こうした製法のため、一度に製造できるのは1日200個に限られる。過去に工場への委託生産を試みたこともあったが、手作業の質を再現できず、味が大きく落ちたため断念された。

年ごとに変化した「待ち期間」

待ち期間 出典
2021年 約27年待ち 神戸新聞
2022年 約30年待ち ORICON NEWS
2025年 約43年待ち 旭屋公式・PRESIDENT Online

「売れれば売れるほど赤字」の経営戦略

極みコロッケ」は、発売当初の原価が約400円であったのに対し、販売価格は300円に設定されていた。つまり、売れれば売れるほど赤字になる商品だった。だが店主の新田滋さんは、「一口食べて美味しいと思ってもらえれば次は肉を注文してもらえる」と考え、あえて低価格で提供を続けた。結果的に、購入者の半数近くがコロッケと同時に神戸牛をリピートするようになり、店舗全体の売上拡大に結びついた。

一方で、製造能力には限界がある。2021年の神戸新聞、2022年のCNN、2025年のPRESIDENT Onlineなど複数報道で、1日200個の生産制約が伝えられている。人手による手作業が不可欠であり、大量生産に切り替えることはできなかった。

牛肉価格高騰と人手不足が突きつける課題

東京オリンピック以降、神戸牛の価格は大幅に上昇した。店頭ではかつて100g2000円で販売されていたサーロインが、近年は5000円に達している。輸出需要の増加や飼育頭数の不足により、仕入れ価格は今も上がり続けている。さらに、最低賃金の上昇や若手人材の不足により、人件費の負担も増している。

こうした状況のなかでも旭屋は、2023年に神戸市で2号店を開き、2024年には中央区に移転してイートインスペースを設けるなど、新しい形の精肉店運営を模索している。しかし、赤字を抱えながら丁寧な手作業を続けることの難しさは増している。

地域と消費者を結ぶ「顔の見える商品」

旭屋が守り続けてきたのは「顔の見える食材」だ。ジャガイモや玉ねぎを地元農家に依頼して栽培し、神戸牛を育てる生産者とも直接交流を重ねてきた。商品を通じて農家や畜産業者の思いを消費者に伝えることが、自らの役割だと店主は語る。この姿勢が、「何十年待っても食べたい」と思わせるほどの信頼につながっている。

注文から発送までの流れ

注文受付

出荷予定年が注文画面に表示される

発送予定の1週間前に店舗からメールで確認

返答がなければSMSで連絡

それでも応答がなければ電話で確認

確認が取れたら発送準備

顧客の元へ「極みコロッケ」が到着


FAQ

よくある質問

Q1:実際に届くのはいつですか?
A:2025年の公式通販表示では「約43年待ち」となっており、取材時には「2068年出荷予定」と案内されていました。

Q2:店頭で購入できますか?
A:「極みコロッケ」は通販限定ですが、牛肉やじゃがいものグレードを変えた「神戸ビーフプレミアムコロッケ」は店舗や催事で揚げたてを購入できます。

Q3:1日に何個作られていますか?
A:複数報道で「1日200個」とされています。

Q4:キャンセルは可能ですか?
A:発送前にメールやSMS、電話で確認が取れる仕組みになっており、その時点でキャンセルが可能です。

Q5:なぜ赤字でも販売を続けるのですか?
A:食べた人に「美味しい」と感じてもらい、神戸牛を購入してもらう狙いがあるからです。

 

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神戸ビーフコロッケ「極み」の歩みと現状

項目 内容
創業 1926年、高砂市で「旭屋」創業
通販開始 1999年にオンライン販売を開始
人気拡大 2003年、神戸新聞に掲載され注文増
待ち期間 2021年=27年待ち、2022年=30年待ち、2025年=43年待ち
特徴 A5神戸牛雌牛・レッドアンデス使用、1日200個限定
経営 原価割れ販売だがリピート率が高く、店舗全体の売上につながる
課題 牛肉価格高騰、人手不足、赤字構造の継続
新展開 2023年に神戸で2号店、2024年中央区に移転しイートイン導入

極みコロッケ」が示す持続可能性と課題

旭屋の神戸ビーフコロッケ「極み」は、単なる人気商品を超えて、地域と消費者を結ぶ象徴となっている。43年待ちという数字は、製造効率の限界と同時に、食材や製法への徹底したこだわりを守ってきた証でもある。

一方で、牛肉の価格高騰や人手不足といった現実的な課題は深刻さを増している。赤字覚悟の戦略が通用し続けるのかは不透明であり、持続可能な仕組みづくりが不可欠だ。

それでも、新田滋さんが「生産者の思いを消費者に伝える」姿勢を貫き続けていることが、このコロッケに特別な価値を与えている。何十年先に届く一口に込められた思いは、単なる商品を超えた物語を語り続けている。

 

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