2025年NLDS第4戦、ドジャースが延長11回サヨナラでフィリーズを破り、2年連続のNLCS進出を決めた。二死満塁での悪送球が決勝点。佐々木朗希が3回無安打の完璧救援で流れを変え、ロサンゼルスの歓喜を呼んだ試合を詳しく振り返る。
広告の下に記事の続きがあります。ペコリ
ドジャースが延長11回サヨナラでNLCSへ進出
試合の全体像をひと目でつかむ冒頭要約表
ドジャースが延長11回サヨナラで決めた一戦
2025年10月9日（日本時間10日）に行われたナ・リーグ地区シリーズ第4戦は、ドジャースが本拠地で延長11回の末、2–1でフィリーズを破った。これで対戦成績を3勝1敗とし、2年連続でリーグ優勝決定シリーズへの切符をつかんだ。
序盤から両軍の投手が安定した立ち上がりを見せ、試合は膠着したまま七回の攻防を迎えた。
七回表にフィリーズが先制すると、その裏ドジャースは反撃の好機をつくった。二死満塁の場面でフィリーズは大谷翔平を申告敬遠し、満塁策を選択。しかし直後、ムーキー・ベッツが押し出しの四球を選び、試合を1–1の振り出しに戻した。緊迫した展開のなか、ドジャースは八回から佐々木朗希をマウンドへ送る。
佐々木は三回を投げ、被安打ゼロの見事な救援。ストレート中心の攻めでリズムを生み、チームに流れを取り戻した。試合は両軍無得点のまま延長戦へ突入する。
十一回裏、二死満塁で打席に立ったのはアンディ・パヘス。打球は投手ゴロとなり、試合終了を思わせる一瞬だった。しかし、オライオン・カーカリングが打球を弾き、焦って本塁へ送球。これが三塁側へそれ、三塁走者キム・ハソンがホームを踏んでサヨナラの瞬間を迎えた。ドジャースのベンチからは選手たちが一斉に飛び出し、勝利の歓喜に包まれた。
選手と監督が語ったプレーの意味
試合後、アンディ・パヘスは「打席に立った瞬間から前に飛ばすことだけを考えていた」と語った。守備の乱れが結果的にチームの勝利を呼び込んだが、彼の打球は勝負を決定づける冷静な対応だったともいえる。
一方、オライオン・カーカリングは「ひどい送球だった」と肩を落としつつも、「前に進み続けたい」と気持ちを切り替えている。若手投手らしい真っすぐな自己評価に、チームメートは励ましの声を送った。監督のロブ・トムソンは「彼はチームの一員として闘った。責任は分かち合うものだ」とコメントし、失策の責を個人に負わせない姿勢を示した。
投手戦を際立たせた3人の力
この第4戦は、ミスと集中力の紙一重で決まるポストシーズンの典型となった。佐々木朗希の完璧な救援が流れをつくり、終盤の一打席で勝負が決した。ドジャースはこれでシリーズ3勝1敗とし、再びリーグ優勝決定シリーズへ進む。試合後のスタジアムには、歓喜と安堵が交錯する空気が漂っていた。
佐々木朗希が流れを変えた八回からの三回無安打投球
八回からマウンドに上がった佐々木朗希は、流れを完全にドジャースへ引き戻した。力強いストレートと落差のあるフォークでフィリーズ打線をねじ伏せ、三回を無安打無失点に抑えた。走者を一人も出さず、試合のテンションを再びドジャース側に戻した存在感は大きい。
この間、ベンチの雰囲気は落ち着きを取り戻し、攻撃に転じる機会をうかがうムードが整っていった。若き投手が冷静にアウトを積み重ねる姿は、観客席から大きな拍手を呼び、チームの士気を押し上げた。
二年連続で挑むリーグ優勝決定シリーズ
ドジャースはこの勝利で地区シリーズを3勝1敗とし、二年連続、通算十七回目のリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。近年のチーム構成は経験豊富なベテランと伸び盛りの若手がうまく融合しており、短期決戦でも安定した戦いを見せている。
試合後、ベンチでは若手選手の多くが先輩たちに祝福を受け、チーム全体の一体感が映像でも伝わった。ロサンゼルスのファンにとって、この勝利は2025年シーズンの新たな章の始まりを告げる瞬間となった。
試合を俯瞰で見た視点補足
この試合の特徴は、両軍が最後まで試合の流れをつかみきれなかった点にある。初回から六回までは互いの先発が好投し、無失点のまま七回へ進んだ。
七回表のフィリーズ先制に対し、七回裏でドジャースが同点に追いついたことが、その後の心理的流れを大きく左右した。投手陣の入れ替えも早く、救援投手の質が試合を決める典型的なポストシーズンの展開だった。
延長戦に入ってからは、一つの判断ミスが命取りになる緊張感のなかで、最後の一球まで集中が続いた。
試合の流れを整理
試合開始
↓
初回から六回：両軍先発が無失点で抑える
↓
七回表：フィリーズが1点を先制
↓
七回裏：大谷翔平を申告敬遠後、ムーキー・ベッツが押し出し四球で同点
↓
八回～十回：佐々木朗希が三回無安打無失点の救援
↓
延長十一回裏：アンディ・パヘスの投ゴロ→オライオン・カーカリングが本塁悪送球→三塁走者キム・ハソンが生還
↓
試合終了：ドジャースが2–1でサヨナラ勝利、NLCS進出
よくある質問（FAQ）
Q1：佐々木朗希の投球内容は？
A：八回から十回までの三イニングを投げ、被安打ゼロ、無失点の内容。短いイニングで切れ味のある直球とフォークを使い分け、危なげない投球だった。
Q2：決着のプレーはどのようなものだったか？
A：延長十一回裏、二死満塁でアンディ・パヘスの投ゴロをオライオン・カーカリングが弾き、本塁へ焦って送球。それが三塁側へそれ、三塁走者キム・ハソンがホームを踏んで試合が終わった。
Q3：ドジャースの次戦は？
A：リーグ優勝決定シリーズ（NLCS）に進出し、ナ・リーグ別カードの勝者と対戦予定。公式戦日程はMLBの発表に基づく。
試合の要素を整理する総合要約表
投手戦が映し出したポストシーズンの緊張感
この試合は、数字以上に緊張感の伝わる投手戦だった。両軍の先発が無失点で試合を進め、七回以降は一つの判断で流れが変わる状況が続いた。
佐々木朗希の登板は、チームに安心感と安定をもたらした。短いイニングながらも完璧に抑え、若い投手の可能性を印象づけた場面だった。
一方で、勝敗を分けたのは技術的なエラーではなく、心理的な迷いによる送球の選択だったといえる。高い緊張下では、経験の差や一瞬の判断力が結果を左右する。
試合後にカーカリングが自身のミスを認め、チームメートが彼を支えた姿は、スポーツの厳しさと同時にチームとしての成熟を感じさせた。
ドジャースの勝利は、プレーオフで最も重要とされる「集中を切らさない野球」を体現した結果であり、次戦への期待を高める締めくくりとなった。
