フェイスブックが1000万アカウントを削除
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🌐フェイスブック、1000万アカウントを削除 “無差別AI停止”の声も
~メタによる一斉整理と、利用者側の異議申立て混乱~
「世界規模で進むアカウント整理」
2025年、オンラインプラットフォーム各社は利用者アカウントの整理に着手している。Googleは休眠アカウントの削除方針を導入し、GmailやGoogleマップの一部ユーザーに影響を及ぼした。Samsungもセキュリティ強化の一環として、未使用アカウントに関する通知を送信している。
こうした中、新たにFacebookを擁するMetaが同様の措置に踏み切ったことが明らかとなった。2025年7月14日に公開された公式レポートで、上半期だけで約1000万件のアカウントを削除したと発表された。
「削除対象は“偽のコンテンツ制作者”」
Metaの説明によれば、今回の削除対象は主に以下のようなものだった。
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実在する著名人や企業を模倣した「なりすましアカウント」
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偽のエンゲージメントを狙ったスパム的投稿
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自動生成された非オリジナルコンテンツの大量拡散アカウント
Facebook公式ブログは、「クリエイターは模倣者に埋もれるべきではない」と強調しており、信頼性ある投稿者を保護する方針を打ち出している。
さらにMetaは、悪質性が低くてもポリシー違反の疑いがある50万件のアカウントに対して、リーチの制限や収益化の停止など段階的措置を実施したことも明らかにした。
「誤削除との境界線が問題に」
Metaの一連の対応について、ユーザー側からは懸念の声が広がっている。7月18日に公開された報道では、正当な利用者と見られるユーザーから「理由が不明なままアカウントを削除された」とする報告が相次いでいる。
SNS上では“meta ban wave”というワードが拡散し、RedditやX、TikTokなどで「無実のアカウントがAIにより一斉停止された」とする投稿が数多く確認されている。
これについてMetaは、AIを審査の一部に導入していることは認めたものの、「大量誤判定の証拠は確認されていない」と説明した。BBCは、MetaがFacebookグループの一部で「技術的エラー」を認めたとも報じている。
「AI判断の透明性と異議申立て」
Metaは、もし削除が誤りだと感じた場合には「異議申し立てフォーム」を通じて復元申請できると案内している。ただし、審査過程の詳細は公開されておらず、利用者側には不透明感も残る。
同社の広報担当は「当社はポリシーに基づきアカウントを管理している」と強調し、ルール逸脱が確認された場合の対応だとする立場を示している。
「GoogleやSamsungでも同様の動き」
Metaだけでなく、他の大手プラットフォームでもアカウント管理の厳格化が進んでいる。
これらの取り組みは一見すると利用者に厳しい印象を与えるが、背景にはフィッシング対策・スパム対策などのセキュリティ目的が存在している。
他社との比較と今後の懸念
今回のMetaによる削除件数は、プラットフォーム規模に照らしても前例のない水準に達している。一方で、Googleのように「利用履歴ベース」で判断するのではなく、Metaは“コンテンツの真偽”というより抽象的な指標をAIで審査している点に特徴がある。
このことは、明確な違反がない利用者にとっても、不意のアカウント停止リスクを生む土壌となりうる。
削除対象と対応の時系列整理(2025年)
発生日 | Metaの対応 | 内容 |
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1月~6月 | 第1波の削除 | 約1000万件のアカウントを一斉削除(なりすまし・スパム) |
6月下旬 | 影響報告 | SNSで「meta ban wave」の報告が急増 |
7月3日 | BBC報道 | MetaがAI審査の存在と一部技術エラーを認める |
7月14日 | Meta公式発表 | 「削除は今後も継続」と方針表明 |
7月18日 | 読者側から抗議 | 誤削除を訴える声が多数寄せられた |
AI判定と「無実の利用者」が巻き込まれる構造
Metaはアカウント審査の一部にAIを導入していると認めており、FacebookやInstagramにおける違反検出・削除処理の初期段階を自動化している。
一方、正当利用者と見られるアカウントが一時的に停止された例が相次いで報告されたことから、AIの判定精度や透明性に関する疑念が高まっている。
2025年7月3日にBBCが報じた内容では、「MetaのAIが規約違反と判定したが、利用者側には通知や救済手段が極めて限定的だった」とされており、報道では実名や詳細を伏せた上で複数の被害証言が紹介された。
これに対し、Metaは「AIによる誤判定が大量に発生したとする証拠は確認されていない」と述べ、あくまで個別の事例にすぎないとの立場を崩していない。
AI審査導入と削除(Meta系サービス)
対象段階 | 判定機構 | 内容 |
---|---|---|
投稿前検出 | 自動フィルタ | スパムや禁止ワードを含む投稿を未然にブロック |
投稿後監視 | AIスキャン | 過去の違反履歴や文脈・画像の一致率により削除判断 |
アカウント単位判定 | AI+人力監査 | なりすまし疑い、コンテンツ大量生成の挙動を検出 |
異議申し立て | フォーム提出型 | 誤判定と思われる場合は利用者が自身で申請 |
審査復元処理 | 内部基準で実施 | 公開された復元基準・判定スコアの説明はない |
※BBC報道では「申請しても数週間反応がない」「理由を明示されないまま拒否された」という証言も確認されている。
ユーザーから見た「透明性なき粛清」
Metaによる削除措置は、正当な利用者にとって「なぜ自分が対象になったのか」が分からないことが最大の不安要因となっている。
とくに、ビジネス用途や広告出稿を兼ねたFacebook・Instagramアカウントが予告なく削除された場合、収益機会の喪失や社会的信用の損失につながる可能性がある。
読者の中には、「正規の本人確認を終えているのに、問い合わせもできずアカウントが停止された」と訴える声もあり、「セキュリティ強化」という名目のもとで透明性が著しく欠如した状態だと受け止める層が増えている。
削除〜復元の流れ
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投稿またはアカウント操作を行う
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自動判定により削除対象とみなされる
↓ -
アカウント停止・一部機能制限・リーチ縮小が発生
↓ -
異議申し立てフォームを通じて申請を実施
↓ -
数日〜数週間の審査(※結果通知が来ない場合も)
↓ -
復元されるか、却下されるかの判定が行われる
※復元不可の場合、理由は明示されないことが多い
AIが決めた「正しさ」が社会の評価基準になる時
今回のMetaの対応は、プラットフォームにとって正義の実現手段をAIに委ねることの難しさを浮き彫りにした。
大量のスパムやなりすましアカウントを効率的に排除するにはAI判定が有効である一方、その判定基準が公開されず、誤削除への対処が機械的な運用にとどまる場合、「判断の正しさ」そのものが利用者から信用されなくなる。
SNSやクリエイターが依存する場において、「間違っても救済される」仕組みが機能しなければ、透明性の欠如がサービス全体への信頼を損なう結果となる。AIが自動で正義を裁定する未来が進行するなかで、人間が関与する回路をどこに残せるかが問われている。
【FAQ|読者からの5つの疑問】
Q1. Facebookのアカウントはどういう理由で削除されたのですか?
Metaは2025年上半期に、なりすましやスパム的投稿、偽のコンテンツ配信などポリシーに違反した約1000万件のアカウントを削除したと公表しました。
Q2. 正常に使っているのにアカウントが停止されることはありますか?
SNS上では「正当な利用にもかかわらず削除された」という声が多数投稿されていますが、Metaは「大量誤判定の証拠は確認されていない」と説明しています。
Q3. 削除されたアカウントを復活させる方法はありますか?
Metaは異議申し立てフォームを設けており、削除に納得できない場合は利用者が自ら申請することで再審査を受けることが可能と案内しています。
Q4. 判定はすべてAIで行われているのですか?
Metaは一部の審査にAIを活用していることを認めていますが、詳細な判定基準や判断の比率、最終的な裁定者については明示していません。
Q5. 他の企業も同じようなアカウント削除をしていますか?
はい。Googleでは休眠アカウントを対象とした削除措置を実施し、Samsungなどもセキュリティ強化の名目で通知・削除を進めています。